株価の「予想」と「タイミング」が無意味である理由

以前の記事(https://360fx.info/mr-market)で、ミスター・マーケットという株式投資における有名なたとえ話を紹介した。本稿では、そのたとえ話をより理論的に解説していきたい。

相場は絶えず変動している。
そして、変動に合わせてアナリストたちは「上がる(下がる)と予想できる」「今が売る(買う)タイミングだ」などと言うが、ミスター・マーケットのたとえ話の通り、変動に気を取られないことではじめて堅実な投資が可能となる。変動に踊らされているうちは、投資ではなく投機、つまりギャンブルになりがちなのである。

誰しもお金を増やしたいと考えて株式投資を始めており、利益を追求するのは必然的である。理にかなった行為でもある。しかし、この思考には投資家を投機に駆り立てるという危険が伴う。そこで、相場変動を気にしないための理論を学び、それを大衆が熱狂している中で冷静でいられるための精神的な拠り所としなければならない。

予想しなくてよい

まず株価の変動を、自分の投資判断の指針にどのように考慮するかを考える必要がある。なぜならば、これまでに解説してきた防衛的投資積極的投資の選定基準を忠実に守って優良銘柄を買ったとしても、値下がりすることがあるからである。

相場には周期的に大きな変動が起きるためであり、そのような周期的な下げ相場が訪れれば値下がりは避けられない。

しかし、そこで悲観的になるのではなく、可能性を探っていかなければならない。大きな変動の中には大きく利益を上げるチャンスがあるからである。利益を上げるための方法としては、タイミング手法プライシング手法の二通りの方法がある。それぞれを簡単に解説すると、

タイミング手法

その変動を受けて市場の今後の動きを予想し、株価が上がりそうだと予想すればそのまま保有するあるいは買い増す、下がりそうだと予想すれば売るもしくは買い控える。

プライシング手法

その変動に伴って、本来の価値以下の株価に下がっているならば買い、価値以上の株価に上がっているならば売る。

ベンジャミン・グレアムはタイミング手法を否定している。

なぜならば、タイミング手法では「今後上がる“かもしれない”」あるいは「今後下がる “かもしれない” 」という不確定なものに基づいて売買を行うものであり、投機的行為になりがちだからである。

もちろん、一部のセンスある投資家はタイミング手法によって利益を上げているのは事実であるが、だからといって大多数の一般的な投資家が自分にもできると考えるのは妄想に過ぎない。しかも、タイミング手法によって一般的な投資家が利益を上げたとき、それは単にギャンブルに勝ったに過ぎないのに「自分にはセンスがあるのかもしれない」と自信過剰になるからタチが悪い。そうなれば、その投資家は投機家になり下がるだろう。

一方、プライシング手法は企業の財務その他に対して詳細に量的分析を行った結果、

「実質価値以上(以下)であるため、今後値上がり(値下がり)する可能性が極めて高い」

という判断を下すものである。

もちろん、何らかの事件によってその判断が誤りとなることもあるが、そのようなことは稀であるため考えるだけ無駄である。もし運悪くそのような事件に巻き込まれたとしても、価値に対して安い価格の株に分散投資するため、ポートフォリオ全体では利益が約束される。何の予想もせず、ただただ実質価値より安い株を買うようにするだけでよいのである。

タイミングは気にしなくてよい

次にタイミングの問題である。ほとんどの投資家はタイミングが大切だと思っているだろう。

確かに、タイミングは全くの無価値とは言えない。しかし、過大評価する必要は全くない。
“なんとなく”程度でよい。“なんとなく”考えると考えすぎてしまうならば、初めから考えなくてよい。

それでも、多くの人はタイミングを気にする。アナリストや証券会社が頻繁に予想とタイミングを下すものだから、それを無視していては絶対に儲けることができないと思い込んでいるからだ。また、自分が下す予想・タイミングよりは、そのような専門家が下したもののほうが正確であるに違いないと思い込んでいるからだ。

予想をすることは投機に陥りがちであるため、一般的な投資家は避けるべきであることは上記の通りである。では、なぜタイミングが重要ではないのだろうか。

タイミングを計る際、よく見られるのはチャートを分析してシグナルを探す方法である。シグナルによって得られたタイミングが正解となることもあるが、もしそのタイミングが正しく大衆の利食いが殺到したとすると、そのような株を買う人はいなくなる。

つまり、何らかのシステムやシグナルによって得られたタイミングで売買して儲けたいと考えることは、何千万人、何億人という人々と同じことをしながら、しかもそのなかで自分がうまく立ち回ろうとしていることになるのだ。

「自分にはできる」と思っているからタイミングを重視しているのか、
「なんだかよくわからないけど、アナリストがそういうんだからそうなんだろう」と思ってタイミングを重視しているのか知らないが、どちらにしても投資家には不向きな思考であることは間違いない。

また、タイミングに凝りだすと、バリュー投資は不可能となる。

バリュー投資で実質価値以下の株を買ったときは、実質価値以上に戻るまで配当金を受け取りながら一年以上も待つことが珍しくないが、タイミングを重視する人にはこれは我慢ならないことである。実質価値以上の時にシグナルが出れば買ってしまうし、実質価値以下の時にシグナルが出れば売ってしまう。実質価値以下の株価になっているのに、まだ買いのシグナルが出ていないから買わないとも考える。バリュー投資を行いながらタイミング手法を行いたいと考えるのは不可能なことである。

バリュー投資を行う投資家が唯一タイミングを利用する場面と言えば、プライシングから考えて今が売買するのに適当だろうという意味でのタイミングである。シグナルやアナリストのいうタイミングは考慮に入れないのである。

以上から言えることは、安易な手段では儲けることはできないという事である。

投資関連の投資雑誌読んでみてはいるものの、どれもこれも「予想」「タイミング」ばかりである。

このことからも、予想やタイミングが過大評価されていることが分かる。

シグナルやアナリストの予想やタイミングに従えば儲けられるならば簡単である。投資雑誌は安く、誰もが簡単に情報を得られ、何も考えなくてよいためラクである。
しかし、簡単でラクなものには多くの人が追随することになるため、長続きするものではない。予想やタイミングによって儲けられるのは、正確な予想を下した本人やシグナルを最初に発見した一部の人だけなのである。

そして、本当に儲けられる予想やタイミングは公開されることはない。ということを肝に銘じておくべきである。

そんな情報を雑誌などで公開すれば大衆がそれに便乗して儲けられなくなるからだ。

抜群のセンスによって予想やタイミングで儲けている人は、他人までも儲けさせようとするほどお人好しではない。

堅実な投資家にとっての相場変動の真の意味

繰り返しになるが予想やタイミングは重要ではない。

周期的な大きな変動が起きたときは、それをそのままに受け入れて利用していくことである。では、暴落した時と暴騰した時、それをどのように利用すべきなのだろうか。

暴落した時

暴落した時には売るタイミングだとアナリストは言う。投資家たちは損失が膨らまないように売り急ぐ。

しかし、これはグレアムのバリュー投資を行う人には関係のないことである。なぜならば、そもそも詳細な量的分析によって、相場がいかに暴落しようとも倒産することがない健全な財務状況であり、むしろ相場の回復によって買値以上の価格をつけると確信できる株しか買っていないからである。暴落で売り急ぐ人は、その自信がないから売り急いでいるだけである。

もちろん、暴落の原因などを分析した結果、売り払うべきと判断することもあるかもしれないが、そのような状況はめったにない。そういった状況にならない限りは暴落しようとも株価のことなど無視して構わない。含み損が出たとしても売らなければ実際に損失となることはないのだから、待っていればよい。これは一般的には「塩漬け」といって嫌われる行為であり損切が推奨されるが、それは投機行為をしている投資家にのみ当てはまることである。

したがって、保有する株を売る必要はない。むしろ、暴落の時こそ買い時である。多くの投資家は恐れおののいて安い価格で売ってくれる。そして、損切をした投資家たちは経済的にも精神的にもダメージを受け、しばらく市場には復帰してこない。買いあさるには最適の条件がそろっている。

暴騰した時

暴騰した時には買うタイミングだとアナリストは言う。この上げ相場が今後も続くことを予想し、すでに実質価値に対して高すぎる株価になっているにもかかわらず、「今こそ買うべき」というのである。多くの投資家たちも上機嫌で買いあさる。お祭り状態である。

しかし、堅実な投資家にとっては、このお祭り状態は絶好の売り時である。

お祭りの出店で買うと何でも割高であるが、それでも皆気分よく買う。お祭りの雰囲気にお金を払っているのである。暴騰している相場では、誰もかれもお祭り気分で高い価格で買ってくれるのもこれと同じことである。

もし売りたくなければ保有し続けるのもよいであろう。しかし、その相場ではすでに割高になりすぎているため、買い増すことだけは避けなければならない。

まとめ

堅実な投資家にとっては、相場が変動したからと言って予想やタイミングに基づいた売買は行わない。ただただ量的分析を行い、実質価値に対する株価、株価収益率、財務状態などを詳細に分析した結果のみをもとに判断する。

暴落と暴騰に対しても、大部分の投資家とは真逆の捉えかたをする。

株式投資では大多数の人が負けていると言うが、だからこそ損をしている大多数とは異なる視点で売買することが大切である。

そうすれば、暴落のときに恐れおののくこと、暴騰のときにお祭り気分になることなく、冷静に分析結果に基づいた売買をすることができる。
相場変動に対して冷静でいること、これは投資家にとって欠くことのできない資質なのである。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人株式投資家、兼フリーライター ゴーストライターとして株式投資の短期売買の書籍を執筆したことから株式投資に興味を持ち、独学で勉強を始める。ベンジャミン・グレアムの投資理論に傾倒するようになり、グレアムの理論を習得すべく『賢明なる投資家』を全文手書きで筆写した。その後株式投資を再開、成績は良好。真のグレアム学派になるべく、日々研鑽を積み重ねている。