株式投資初心者が二流企業に投資してはいけない理由、量的分析と質的分析の関係性とは!?

証券分析の目的は何かと言えば、それは言うまでもなく、投資に際しての様々な問題に解決策を提示することにある。
それらの問題のなかでも、一般的に問題になりやすいものと言えば

  • 投資の目的を達成するためにはどのような証券に投資すべきか
  • 特定の証券を購入すべきか、売却すべきか、保有すべきか

といったことである。

そして、この問題を考えるに当たって重要となる要因は、

  • 投資家の属性
  • いつ投資するか
  • 購入価格はいくらか
  • どの証券を選択するか

であろう。

つまり、どのような投資家が、どのような時期に、どのような価格で、どのような証券を購入(あるいは売却・保有)するか、ということである。

この要因を検討することは、証券分析を考える際の出発点として適当なものである。
本稿では、この問題を出発点として、証券分析における様々な要因について解説していく。特に、これまでの記事でも記した質的要因なるものが、証券分析にどのような影響を及ぼすのかを注意深く見ていきたい。

投資における代表的な問題

投資家の属性

投資家の属性は、投資の際に最優先して考えるべき問題である。

最も重要となるのは、投資家の経済状態である。例えば、ある魅力的な銘柄があったとしても、その証券への投資を検討している人が個人投資家なのか、それとも主婦なのか、あるいは投資信託なのかということで投資すべきかどうかは大きく変わってくる。
このほか、投資家個人の能力的・性格的な差異もある。その投資家にどの程度の技術があるのか、投資スタイルはどうか、個人的な好みはどうか、といったことである。
もっとも、投資家の属性は真っ先に考えるべきものであるとはいっても、証券分析全体においては決定的な要因になることは少ない。

いつ投資するか

投資時期は証券分析の結果に大きく影響する。例えば、ある企業の業績が好調であったとしても、その時期における環境によって、投資すべきかどうかは大きく変わってくる。環境の他にも、ある時期における配当利回りや信用格付けでは投資適格であると判断された証券が、経済情勢の変化によって投資不適格となることもある。時期によって証券の魅力が変わってしまうことは、よくあることである。

ほぼすべての証券は、投資時期の経済や景気の見通しに左右されるものである。経済情勢が安定しない投機的な状況においては、特に大きく左右される。保守的な投資の際には経済情勢はあまり重要ではないとする見方もあるが、不安定な状況の中で投資時期を軽視あるいは無視するのは大きな間違いを生む原因となる。

証券分析はあらゆる状況で有効であることは間違いないが、実際に用いるにあたって環境の変化を無視してよいわけではない。平時の状態ではかなり有効であり、不況時でも有効であるが、不況時には適用が難しくなるのは間違いないことである。

購入価格はいくらか

購入価格は、投資の際に最も重要なものであろう。優良債権の購入価格は問題にならないことが多いが、これは購入価格を考慮しなくてよいという事ではなく、法外な価格の債権がないことから、結果的に考慮しなくてよいことが多いだけのことである。実際には、債券の購入価格は保証と同じくらいに重要なものである。

普通株の場合には、購入価格は銘柄選択と同じく重要なものとなる。投資理論の中には、購入価格を二次的な問題として軽視しているものもある。どのような価格で買っても、このテクニックを用いれば結果的には必ず利益が出るからあまり問題ではない、といった考え方である。しかし、このようなことを真に受けていては、悲惨な結果になることは目に見えている。

どの証券を選択するか

購入価格の問題と同時に重要になるのが、証券の選択である。この問題をよく捉えるためには、どの証券をいくらで購入するかというよりは、どの企業にどのような条件で投資するのか、という見方をした方が良い。投資の条件によって、購入価格や選択する証券を決定していくのである。

以上の事柄を、以下でより詳しく見ていく。

企業と投資条件のどちらが重要か

以上のような見方をした時にひとつの疑問が生じる、「どの企業にどのような条件で投資するか」ということであるが、企業と投資条件のどちらをより重視すべきかという疑問である。つまり、不利な条件で魅力的な企業に投資するか、有利な条件で魅力のない企業に投資するかという疑問である。

多くの投資家が直感的に選択するのは、不利な条件で魅力的な企業に投資することである。これはある意味正しい選択と言える。大きな利益を求めて二流企業に投資した場合、それが詳細な分析に基づいていなかったならば、多くの場合には大きな損失を出すこととなる。しかし、たとえそれが高値であったとしても、一流企業の証券を買っていたならば、それほど大きな損失は出さない可能性が高いからである。

しかし、不利な条件で魅力的な企業に投資することは、それだけのことでしかない。つまり、一流企業に直感的に投資した場合に、それほど大きな損失を出さない可能性が高いというだけのこと、投資をよく知らない人ならば、高い値段でも一流企業の証券を買った方が良いというだけのことである。これでは問題の解決にはならない。

言うまでもなく、本稿ではそのようなことは目的としていない。賢明な投資によって利益を出すことが目的である。
したがって、直感や単なる評判だけを頼りに証券を選択するのではなく、緻密な分析によって証券の品質を判断し、その証券が自分の目的に合っていて値段も手ごろ(あるいは割安)であれば、そこで初めて購入するのである。

このことに関して、グレアムは二つの原則を提示している。

  • 初心者向けの原則―二流企業の証券に絶対投資してはならない
  • プロの原則―すべての証券はある値段では安いかもしれないが、別の値段になれば高くもなる

企業の内容は、投資において非常に重要なものであるが、それが良いからと言って高値すぎる値段で買うのは間違いである。十分な規模であり、経営陣は優秀で、業績はよく、将来も増収が見込まれるような企業はいくら高値でも買いたいと思うかも知れないが、その期待が裏切られることはよくあることだ。

ある時期では業界を先導していた企業が、今では見る影もないというのは珍しいことではない。かつては液晶事業で破竹の勢いだったシャープも、今では鴻海の参加に入ってしまった。長期投資をしようと思っている投資家が、企業内容を重視するあまりに高値で購入したところ、その後業績は悪化して行き、最悪の結末を迎えることもあるのだ。

とはいえ、このことによって初心者が超一流企業に投資すべきというグレアムの原則が変わるわけではない。超一流企業の銘柄が安全であることは間違いないし、他の投資法に手を出してリスクを抱えるよりははるかにマシである。

証券分析の量的要因と質的要因

証券分析の際には企業の分析を行う。その分析の結果、現在の時期に現在の株価でその企業の証券を購入するべきかどうかを判断していく。

分析に当たっては、バランス感覚が求められるとされる。その気になれば膨大なデータを収集することは可能であるが、その中からデータの重要度を判断し、瑣末なことを念入りに調べるようなことは避ける必要がある。また、データによる分析を詳細に行うあまり、その企業が持つブランド価値や特許権、地理的に有利な条件や良好な労使関係といった目に見えない財産を見逃してしまうことは避けたい。

これはつまり、証券分析ではデータとして表れている量的要因と、データとして表れていない質的要因をバランスよく分析していくということである。
バランスよくとはいっても、それは分析の比重を5:5にするということではない。信頼できるデータとして表れている情報を重点的に分析することはもちろん必要であるが、そのうえで質的要因もきちんと考慮することが重要である。

まず量的分析であるが、量的分析では損益計算書やバランスシートといった重要なデータの分析を行うほか、生産、製品価格、経費、生産能力、受注残といったデータも考慮する。量的要因は、データとして表れていることから、詳細な分析が可能となる。データの入手も容易である。分析するデータの優先順位もつけやすい。このことに関しては、以前の記事(https://360fx.info/financial-statements)で紹介した通りであるが、より詳しく述べる機会があると思う。ここでは、以前の記事では全く考慮しなかった質的要因を詳しく解説したい。

質的要因とは、その企業の特質に関するものである。業界内での地位、物理的・地理的・営業的な特徴、経営陣の能力、その企業と業界および経済界全体の将来の見通しなどである。これらは決算報告書にデータとして盛り込まれる性質ものではないが、無視できるものでもない。

質的要因の重要性

企業の質的要因は企業の特質や経営能力であるから、これが重要でないはずはない。しかし同時に、不確実な要因でもある。考慮されやすい質的要因は以下の通りである。

経営能力

一般的に優良企業と思われている企業というのは、その企業の歴史や現在の地位や業績、あるいは単なる思い込みなどに基づいている。優良企業であるかどうかは投資適格であるかどうかに大きくかかわってくるものであるが、その判断は簡単ではない。特に、その企業の経営能力が優れているかどうかの判断は難しい。なぜならば、経営能力を客観的に図る明確な基準がないからだ。だからこそ、多くの投資家が単なる評判をもとに投資しているのである。

経営能力の高さを測るための最も納得できる証拠の一つは、一定期間にわたって好業績を残していることである。好業績を残していない企業の経営能力が優れているとは考えられないという理由からである。このように考えれば、一般的に質的要因とされる経営能力も、突き詰めれば量的要因に含まれると言える。

収益トレンド

企業の増益基調は好材料となる。増益は好材料として株価に織り込まれていくため、増益が続くと上昇トレンドが生まれる。この過去から現在に渡るトレンドを未来に延長し、これを企業の評価基準とする考え方がある。このプロセスではそれなりの数字を使うため、数学的に正しいものと思われがちだが、ここには落とし穴がある。過去のトレンドは実際のデータを用いたもので事実であるが、将来のトレンドは単なる推測でしかないのだ。過去のトレンドは過去の平均値によってつくられたものであり、それが将来も続くと考えるのは妥当ではない。

企業の繁栄は永遠に続くものではないのと同じように、トレンドも永遠には続かない。むしろ、トレンドが注目を浴びたころには、すでに変化の機が熟していることも多い。将来のトレンドはおおざっぱな手掛かりになると考えるのが良い。トレンドをあまりにも重視すると、過大評価や過小評価という間違いを犯すことになる。

トレンドは一見数学的に見える評価法であるが、実際には心理的・恣意的な判断によって評価されている。そのトレンドが将来に際限なく延長しがちであることからも、そのことが分かる。トレンドは数学的であるゆえ量的要因に見えるが、質的要因なのである。
 

不確実な質的要因

トレンドは、あくまでも予測である。これと同じように、企業の性質や経営能力によって導き出される様々な結論も、基本的には将来の見通しに基づいている。したがって、質的要因がその証券の価格にどれほど反映されているかを正確に判断することはできない。判断できたと思っても、実際には特定の方向に強調されがちであり、それが間違いの原因ともなる。相場はいつも上昇と下落を繰り返しているが、これも人々の判断が数学的な妥当性の範囲を超えて、特定の方向に向かうためである。

人々と同じ考え方をしていると、投資で利益を出すことは難しい。冷静さを欠くからである。冷静さを保つためには、期待値ではなく事実によって裏付けられた数字を用いた量的要因を重視することが重要である。そうすれば、大きな間違いを犯しにくくなる。

もちろん、将来の変化の可能性を無視するわけではなく、きちんと考慮していく。しかし、賢明なる投資家がそれを考慮するときは、そこから利益を得ることを目的としているのではなく、それによって身を守る事を目的として考慮するのである。質的要因を考慮することは重要であるが、ここに一般的な見解と大きな違いがあるといえる。

まとめ

量的要因と質的要因はどちらも重要なものである。

しかし、常に事実に基づく数字こそがより重要である。もちろん、数字だけで十分とは言えないが、数字をよく吟味したうえで判断を下していけば、反対の傾向を示す質的要因によってもその価値は失われない。過去の信頼できるデータに基づいた結論は、将来の状況によって覆されることは少ないのである。

繰り返しになるが、質的要因は身を守るためにある。ある企業の業績が非常によく、上昇トレンドが生まれていたとしても、経営能力に疑問や不信感を抱く要因があるような場合には、投資を見送るのが賢明である。

逆に、量的要因に基づいて分析を行ったときに、それらの数字が質的要因によって裏付けられているような場合には、かなりの自信を持って投資することができる。いくら市場が気まぐれに動いたとしても、不動心を保つことができるのである。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人株式投資家、兼フリーライター ゴーストライターとして株式投資の短期売買の書籍を執筆したことから株式投資に興味を持ち、独学で勉強を始める。ベンジャミン・グレアムの投資理論に傾倒するようになり、グレアムの理論を習得すべく『賢明なる投資家』を全文手書きで筆写した。その後株式投資を再開、成績は良好。真のグレアム学派になるべく、日々研鑽を積み重ねている。