世界経済見通し、IMF発表から読み取れるマーケットの将来

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2015年7月10日にIMFから世界経済の見通しが発表されました。
この発表は、3カ月に1度発表されるものです。
1月、4月、7月、10月の中旬から下旬に発表されるのでチェックしておきましょう。

アメリカの低成長を前回発表で予測

前回、4月発表時に私はアメリカ経済の低成長を読みとり、ドル高が是正されるよ、と散々言いましたが、ドル円に関しては今現在でも修正をされていません。
そのほか、自由市場、先進国通貨に対してはドル高が修正をされましたが、発展途上国では未だにドル高は是正をされていません。

このドル高が現在のアメリカの株価の持ち合いが続いている元凶となっているように感じます。
ナスダックは新興市場で、マイクロソフトやアップルのように国境がないIT関係の企業は業績が好調なのですが、そのほかの製造業がパッとしないのはこのドル高が原因と思われます。
このためナスダックは史上最高値を更新するけれども、ニューヨークダウやS&Pは高値を更新しない状態となっています。

しかし、アメリカの低成長は春先の大雪と、港湾ストライキも原因になっていることも考慮をしなければいけません。

また、ユーロに関してはECBが量的金融緩和を実施したことから、ユーロ安が続くと当時はその雰囲気が蔓延をしましたが、ユーロの成長見通しが上方修正され、アメリカが逆に下方修正をされましたのでユーロドル相場やユーロ円相場の躍進を予想しました。

ユーロに関しては予想通りになったかと思います。

今季の予想

IMFの発表は下記の通りになります。
imf201410

※出典 http://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/survey/so/2014/new100714aj.pdf

世界の成長は、2014年、2015年ともに成長予測が低減をされました。

世界の景気が予想よりも上伸しない結果、下落するマーケット商品は?

この発表がされたときから、しきりに言われたことは原油の下落になります。
これはある意味正しい声になります。

現代社会は、都市化の社会と言われます。
日本でもそうなのですが、地方は過疎化が進み、東京への一極集中が極度になってきています。
これは、日本だけの現象ではなくある程度工業化が進んだ社会では都心部への人口がものすごいことになります。

つまり、土地はいっぱいあるのですが、都市部への人口の流入が止まらないという状態になります。
この都市化社会で生き残っていく最低限のものというのは、エネルギーすなわち、電気と食糧になります。
この2つがあればなんとか都市での生活はできるという定説は社会学にあります。

つまり、世界の成長が予想よりも、上伸をしなかったのであれば原油相場は下がることはいつものことです。

これが、現実化をしたのが昨年の1バレル110ドルから40ドルへの原油相場の急落になります。
これはこのIMFの世界成長の見通しが減速したことがきっかけで下げ始め、それと相まってドルが急激に上伸したことが原油相場に急落になりました。

つまり、原油相場はドルも上昇傾向ですし、世界成長も減速をしていますので去年の二の舞になる可能性はあると思います。

しかし、世界の人口は増え続けるので原油や天然ガスの需要は拡大をします。
つまり、需給関係においては、予想よりも消費の拡大が進まなかったという分だけ急落をするということに理論上なります。

そのほか、上記のように、ドル高の進行とあいまって価格がどうなるか、という点が焦点になります。

去年、お間抜けな議論が活発になりましたが、OPECの減産はないと思います。
なぜなら、ドルが上昇した分、産油国の手取りは増えますので価格が下がっても減産する必要がありません。

好調な国々は?

2014年、2015年の見通しの右端を見て行きます。
世界の成長が減速をしているのに、その予想がプラスになったり、変わらずの国々が好調の国と言えます。

それで見て行くと、日本、イギリス、ユーロ新興国になります。

日本

相変わらず、日本経済が好調と発表されています。
庶民の感覚では、全くよくなっていないというのが実感になると思います。

なぜなら、給与所得は民主党政権が終わってから景気がよくなってからむしろドンドン下がっているのですから、当たり前の話になります。

しかし、世界の投資家はこの数字をみて日本への投資を拡大するか否かを判断します。
ですから、日本向けの投資は拡大をして、アメリカやユーロへの投資を減らすという判断をファンドマネージャーはします。
もちろん、中国、東アジアへの投資は激減させます。

おそらく今度のIMFの発表は10月になりますので、海外ファンド、投資家は日本への投資は10月、ないしは2015年末まで増やしてくるでしょう。
しかし、ネックは円安になります。
他国へ投資をする場合、その国の通貨が安くなっていく見通しの国への投資は絶対にファンドは劇的には増やしません。
なぜなら、いくら株価が高くなっても、通貨が安くなったら元も子もないからです。

イギリス

ここでも推奨をしましたが、イギリスも買いになります。
以前、ここでイギリスに新しい油田がみつかったということで今後、数十年にわたって買いであろうと予想をしています。

しかし、それよりも近々にイギリスが買いなのはアメリカとほぼ同時期に量的金融緩和を実施したイギリスは利上げの可能性があります。
もちろん、その前提には経済がよくなっているということが利上げの前提になります。

その上、日本は自国通貨が未だに安くなるというコンセンサスがありますが、イギリスポンドは高くなる見通しになります。
こういった意味では日本よりはよりよい投資環境ということになります。

ユーロ新興国

ここではユーロ新興国というと、トルコを指すと考えてもよいと思います。
確かにトルコの経済成長は目を見張るものがあります。

しかし、問題点が山積をしています。

まず、近々に実施されるであろう、アメリカの利上げによって資本がアメリカや先進国に帰っていき、トルコ国内は資本不足に陥る可能性があります。
それはアメリカが利上げをしたら、ものすごい勢いで進みます。
ですから、トルコの成長に関しては個人的見解になりますが砂上の楼閣と言っても過言ではないと思います。

また、東アジア各国はかつての東南アジア通貨危機の反省から外貨準備が少ない国々はアジア開発銀行のチェンマイイニシアチブ協定が結ばれており、自国通貨安に陥った場合、日本政府とアジア開発銀行がその自国通貨防衛のための資金を貸し出す協定があります。
しかし、トルコは外貨準備が少ないうえにその外貨不足に陥った場合の政策の策定面にかなりの不安があります。

日本では金融先物取引所にトルコリラが上場商品に加わり、お祭り騒ぎで騒いでいる業者がたくさんいますが、個人的には世界的に今は金利が最低水準の今、成長性の高い国への投資が増えるのは当たり前の話になります。
しかし、もう近々にアメリカやイギリスが利上げを行う局面においてトルコ投資なんて自殺行為にしか個人的には思えません。

アメリカ

1-3月期の確報値がマイナス0.7になります。
しかし、通年での成長は3.1に据え置かれました。

私の個人的計算によれば4-6期のアメリカのGDP成長は1.9程度になると思います。
この速報値は7月末に発表になりますが、この数字とそれほど大きなかい離はないと思います。

ただ、1-3月期のGDPが大幅な減少をしたのに、据え置かれたのであればいまのところアメリカの成長にはある程度予見される不安はあるものの、好調であると言えると思います。

ただし、前記しましたように、アメリカの製造業が本当にドル高からの業績不振から立ち直ることができるのであろうか、とは思います。
今後、新興国の経済不振からレパトリが一層進むでしょうから更なるドル高になると思います。

そうなると、再びドル高からのアメリカの製造業不不振がアメリカの景気が足を引っ張る可能性は大きいと思います。

ユーロ

量的金融緩和を実施して成長予測が低減。
通常、金融緩和の実施効果は6カ月から9カ月で現れますが、全然効果がなかったことを意味します。
もちろん、ギリシャのゴタゴタもありますが基本的には、ユーロの金融機関の不信が一番の問題になると思います。

この結果を受けて、アメリカが現状維持、ユーロがマイナスということで、ユーロドル相場は下落をしています。
しかし、アメリカの長期金利も上昇し、ユーロ、特にドイツの金利も上昇をすると見込まれますので、それほど大きくさがらないと考えています。
現状の1ユーロ1.1ドル以下の相場は安すぎます。
両国の経済規模を勘案すると。
そうなると、今のユーロドルは買いになると思います。

また、ギリシャ問題は年末と来年の5月まではOKと考えていますのでギリシャ不安はもう勘案しなくていいと思います。
しかし、長期的にみればギリシャはアウトになると思います。

中国

上海株があれだけ下落をしても、現状維持になります。
ADBは成長予測を減らしましたが、IMFは現状維持になります。

これは簡単なことで、前にも触れた通り、中国は景気が後退しているのに人民元は高め誘導、外貨は持ち出し禁止になっています。
つまり、中国で稼いだお金が中国国外へは実質持ち出し禁止ということになりますので、バブルの資金は次は何が高騰するだろうと、虎視眈々と中国国内で狙っているだけの話になります。

以前に中国ではニンニクバブルという、19世紀型のバブルも起こりましたが、意地でも共産党は現在の国内に滞留している資金を逃さない限りバブルは続きます。

ですから中国はまだバブル経済ということになります。

まとめ

いかがでしょうか。
この7-10月までの投資行動がある程度予測がたってくるのではないのでしょうか。
この記事では触れていませんが、スイスはユーロに不安があるうちがまだ買いです。

将来的にユーロは金融の脆弱性は再び露見すると思います。

このIMFの発表をきちんと整理することによって投資行動は簡単に策定されるのですが、日本の報道はこの発表をほとんど報道しません。
このような、個人投資家の間ではあまり注目をされない発表に宝の山が落ちている可能性がありますので参考にしてみて下さい。


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