2016年ドル円の方向感について

年末の為替相場は12月28日以降、外人勢が事実上新年相場に突入していることから2016年相場が事実上スタートしている状況にあります。

しかし2016年は前年とはかなり様子の異なる相場になりそうな気配であり、ドル円にも大きな転機が訪れそうな様相を呈し始めています。そこで2015年ラストの記事はドル円の2016年の方向感についてまとめてみたいと思います。

1.2015年は結果として10円足らずの値幅に終始

1971年のドル円変動相場制になってから2015年は史上初の10円足らずの値幅で年間推移するというきわめて異例の動きになってしまいました。1月15日のスイス中銀ショック、ならびに8月24日の中国起因の暴落でも116円台近辺で下値は抑えられることとなります。

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値幅が10円に留まった最大の原因は準公的機関がこぞってドル円の下落局面で下値を拾ったPKOにあるといえます。

とにかく自律的に値幅調整のできなくなったドル円相場は日柄調整を長期間行うことを余儀なくされ、幅の狭いレンジ相場を続けることとなってしまいました。しかし2016年はこうした狭い動きではすまない状況が示現しようとしているのです。

ドル円で見ますと、10円の値幅ではあるものの、円安が進みましたが、他の通貨との組み合わせによるクロス円では大きく円が買われた円高であったことがわかります。

ユーロ円をはじめ、豪ドル円やトルコリラ円、南アランド円などでも年間を通じては円高が進行しています。

※ユーロ円
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※豪ドル円
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2.2016年は政治的にドル円の上限が制限される年に

皆さんご存知のとおり2016年は米国の大統領選挙が行われることから、過度なドル高に対して政治的に横槍が入りやすい年となるのは間違いない状況です。

とくに対日政策の厳しさでは他の候補者よりも群を抜く存在であるクリントン女史が日本の円安に矛先を向けてくることが容易に考えられ、ドル円の上限はかなり限られることになりそうです。

また国内では7月に参議院選挙を控えていることから地方対策として円安を進めたくないという政権の思惑も微妙に働くこととなります。金融市場のアナリスト予想では130円は140円を口にする向きもいますが、政治的には125円を超えるラインは必ずしも青天井ではないことがわかります。

3.円のサイクル8年説にあたるのが2016年

ドルで見るとわかりにくいものですが円ベースで見たときには過去8年ごとに流れが変わっており、その流れが変わるのがちょうど2016年ということになります。

すでに125.86円で高値を打ってしまっている可能性もあり、エリオット波動でも2016年は円高方向に動くことが示唆されており、上よりは下方向を気にしたほうがよさそうな状況といえます。

例年の20円ほどの値幅があるとして、上値が125円レベルで抑えられた場合には106円方向に下落する可能性もまったく否定はできない状況といえるのです。

通貨ペアの周期説は最近はなかなか当たらないとされてきていますが、ドル円に関してはかなり信憑性が高く、侮れないものとなっていることは忘れてはなりません。

4.ドル円の下落支援材料は豊富な2016年

現状でドル円の下落リスクとしては次のようなものがあげられます。

4−1.原油価格の下落は株と為替の大きなリスクとして継続中

原油価格はクリスマス前にWTI先物で34ドル台まで下落して一旦下げ渋っていますが、需給のバランス、米国議会による原油輸出の再開、市場での在庫のダブつき気味状態を加味すれば、上昇する可能性は極めて低く、投機筋が仕掛け売りをすれば20ドル台に下落する可能性すらある状況です。

原油価格の下落はそれ自体で株や為替の下落要因になりますが、日本市場ではOPEC関連の産油国のソブリンファンドが多く日本の大手企業株を保有していたものの、ここへ来て換金処分売りも相次いでおり日経平均が集中して下落する可能性も高まっています。

実際サウジアラビア通貨庁(SAMA)が投資資金を引き上げはじめており、12月に入ってからはNYダウが上昇しても日経平均だけが下落するといった不可解な動きも示現しはじめている状況です。

4−2.債券相場の流動性枯渇パニックが株価にも影響か

FOMCを前に12月14日債券市場には大きな衝撃が走りました。米サード・アベニュー・マネジメントによる高利回りファンドの償還凍結(解約停止)に加え、ストーン・ライオン・キャピタル・パートナーズも顧客の解約請求が殺到したことで、運用資産額4億ドルのクレジットヘッジファンドの換金を停止する事態に追い込まれ、14日のクレジット市場では一段の損失への懸念が広がり、債券リスクが世界的に急上昇することになったのです。

サード・アベニューは運用資産額7億8850万ドルの社債ミューチュアルファンドを清算し、損失の拡大を避けるために投資家への資金の分配を遅らせると発表しています。今のところクリスマスが間に入ったことや名前も知られていない小さな会社の2社に限定された事態なので大きな混乱にはなっていませんが、2007年のときもファンドの破綻からパリバショックへと進行し、その後本格的に債券の解約停止が進み、サブプライムローンイシューへとつながって行っただけに、非常に雰囲気が似ているとする業界関係者が多いのも事実であり、年明けに本格的な騒ぎに発展する可能性が危惧されています。

しかしながら、なぜか債券市場の混乱を横目に見て株式市場は何事もなかったかのように振舞っており、こうした動きも2007年に酷似しているところが気になるところです。債券市場で参加者が不安から一気に売りに殺到すると流動性が無くなる、いわゆる流動性枯渇パニックが起きることになり、必要以上に債券価格が暴落することから金融市場全体にその影響が波及することが心配されています。

4−3.中国の突然の人民元再切下げリスク

IMFのSDR入りを果たした中国人民元は当面おとなしい動きをするという見方もされていますが、米国の利上げを受けては依然として10%近く高いのが実情であり、中国人民銀行は12月11日に、13通貨で構成される貿易加重バスケットに対する人民元の基準レートの発表を開始すると公表し市場の注目が集まっています。

ドルペッグ制をとっていた人民元がこの新たな基準レートにより、対ドル相場から変化するという重要な内容を示唆しており人民元のレートが今後市場を利用して徐々に切り下げを行っていくつもりがあるのではないかという憶測が高まっています。

労働コストも高まっている中国市場では再度輸出の競争力を高めるためには人民元の切り下げは必須のものとなりますが、今年8月24日起きた市場の暴落のように、金融相場に与える人民元切り下げの動きのインパクトはきわめて大きく、8月暴落の再来も視野に入れておく必要がでてきているのです。

4−4.新興国での同時多発的金融危機の示現

一方新興国市場は米国利上げが正式に決定して以降、株安、債券安、通貨安というトリプル安相場に苦戦中です。

トルコリラや南アランドなども大幅に下落中であり、年明けに本格的な米国の利上げによる資金の引き上げが現実のものになるのではないかという危惧の念も高まっているのが実情です。新興国通貨の下落は円高にもつながりやすく、ドル円の上値を大きく抑えるネガティブファクターとなりうる可能性が高いだけにこうした通貨の動きにも目を配る必要がでてきているのです。

まとめ

このように、2016年ドル円をめぐる動きは上昇よりもはるかに下落要素が多いことがわかります。

また暴落は3ヶ月かけて上昇してきた相場を3分で下落させてしまう破壊力がありますので、ロングポジションの持ち方とストップロスの置き方には細心の注意が必要となるのが2016年のドル円相場となりそうです。

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ABOUTこの記事をかいた人

PN 今市 太郎

外資系コンサルティングファーム、外資系生命保険会社を経て独立ビジネスコンサルタントとしてビジネスプロセスコンサルティング、クラウドコンピューティングのリプレイスメントや海外のファンドのM&A投資コンサルティングなどに従事。 そのため、株の売買はインサイダーにならないようにFXだけに特化し2007年から本格的に売買をスタートし、9年の実績。 現在は月間5000PIPSから8000PIPS程度をコンスタントに獲得できるように日々精進している。