ドル円は120円を目指すのか?米系ファンド・アルゴリズムの仕掛け

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今年は流行語大賞にもノミネートされたAI・人工知能ですが、そのAIを実装したアルゴリズムがFX市場でも猛威をふるい始めており、人が行う裁量取引では理解できないような動きも示現しはじめています。

またこれが米系ファンド勢の年末利益を視野に入れた一時的な、きわめてフェイクな動きと思われていましたが、ここまで相場が動いてしまうと過剰な動きが結果としてトレンドをも変えてしまいかねない状況に直面しつつあり、FXを行う我々個人投資家もその発想を大きく変化させなくてはならない時期にさしかかっているといえます。

11月9日の大統領選挙からここまでの動きを整理するとともに、ここから市場がどうなるのかについて今回はまとめてみたいと思います。

トランプ勝利の直後に動きはじめた買い上げアルゴリズム

まず、多くの市場関係者を驚かせたのは11月9日のトランプ大統領誕生を受けて株も為替も買いあがり始めたことです。確かに大型財政出動が行われれば国債を乱発することにつながりますから債券が売られるリスクを多くのトレーダーが認識していましたが、その資金が株に流れ込み、何の具体的な政策の発表もない段階から吹き上げて上昇する相場になるとはだれも思っていなかったというのが正直なところで、この初動を無理やり作り出したのがアルゴリズム相場であったということがいえます。

各ファンドが運用しているアルゴリズムは特段お互いに連携しているわけではありませんが、あるアルゴリズムが扇動して大きな動きがでればそれに乗る形になるのは当たり前で、一旦流れを作り出すことができてからは、その動きを大きく増幅させることに成功していることがまず驚かされます。

銀行がコンプライアンス上の問題から自己売買で流れを作るようなまねができなくなった今、マーケットメーカーのように市場の動きを司ることができるのはファンド勢へと完全に移行しており、今回はその動きに市場全体がついて行かざるを得ない状況になってしまっていることがわかります。

トランプの政権人事も株爆騰の火に油の様相

まだ何も政策が決まっていないトランプ政権ですが、着々と発表される政権の重要ポストも株爆騰の火に油を注ぐ結果となっています。

減税大好きな米国民は5兆ドル規模のトランプによる大型減税に懐疑的な部分もありましたが、13日、ホワイトハウスの首席補佐官に、共和党全国委員会のプリーバス委員長を充てるという正式発表があってから、減税の実現性の高さを再認識する形となり、NYダウの1万9000ドル超にこれが大きく寄与することとなりました。

このプリーバス氏はトランプと小競り合いをして険悪な関係といわれたライアン下院議長と同郷で大の親友であることから、もともと共和党がもっていた減税案を下敷きにして実施可能という見方が強まったため、これが株価に好影響を与えたことは間違いありません。

5兆ドルという規模は本邦の投資家にとってはあまりピンとこない数字ですが、現在の米国政府の赤字規模が20兆ドル弱ですからほぼ4分の1程度がそれに上乗せされることになるわけですから、相当な規模感であることは間違いありません。

この発表を受けて、さらに資金捻出のために債券を発行することが必要不可欠と見なされた国債市場では当然のように債券が売り込まれることとなり、米国債金利はすでに2.4%超のレベルまで大きく上昇することとなりました。

債券売りを余儀なくされたのも米系ファンド勢

ここで非常に興味深い動きとなっているのは、米国債を売らざるを得ない状況に追い込まれたのも米系ファンドであるということです。

おそらくここまで急な売りになるとは想定していなかったのでしょうが、価格の下落を嫌気して大量に処分をしたことから、彼らは自分自身の手で債券金利を上げることになり、ある意味ではドル円の爆騰による利益獲得はもっとも予見しやすい状況であったのかも知れません。一部のファンドはあきらかに債券の損失をドル円の買い上げで補填しているようにも見え、ドル円の上昇相場には複雑な背景が絡んでいることも見え隠れしてくる状況です。

ドル円は抵抗線の節目に現れた戻り売りをテコに上昇を継続

相場にはもうは未だなり、未だはもうなりという格言がありますが、今回のドル円の爆騰相場はまさにこれが当てはまる相場で、ドル円の上昇過程で存在した上値抵抗ラインにぶつかるたびに、そろそろ上値ではないかと感じた個人投資家を中心とした戻り売りをレバレッジにして、次々とそのストップロスをつけることにより暴力的に相場を巻き上げることに成功してしまっている点が非常に注目されます。

足元でもドル円相場は1日でほぼ1円以上の上昇を続けており、110円台にかなり多く見られた国内個人投資家の戻り売りもまた相場の上昇に寄与する形になってしまっていることがわかります。

しかし、この上昇相場も俄かロングを作って相場についていこうとすると、スキャルピングのようにすぐに逃げられれば別ですが、利益確定売りがではじめるといきなり70~80銭程度は簡単に下落することになるため、迂闊なロングも節々で切らされるというなかなか難しい動きをしています。

ずっと相場を見続けていますと、そろそろピークで売りがでるのではないかと思わせるようなチャート展開を形成することが何度も見られましたが、結局そこでまたショートが溜まるとそれを食い物にして一段上にのし上がるという方法を繰り返しており、日足の200日移動平均線を越えてからは、完全にテクニカル的にも戻り売りから押し目買いの世界へと切り替わってしまっているのが実情です。

二週間近くじり高相場が展開しているのもこうした背景があるからで、まだこの動きは終息していないのが現実です。

上昇の賞味期限は近いというが・・

この上昇相場もそろそろ終焉ではないかという見方が広がっていますが、一方で24日の米国の感謝祭で休場であった相場の中でもドル円はアルゴリズムが要所要所で買いを入れて相場を維持することになり、25日の東京タイムでは114円に迫るところまで買い上げる相場が示現しており、すでに感謝祭もクリスマスも関係なさそうな動きになりつつあります。

人がいない時間帯には少しでも相場を高いところにもって行きたいという意思がかなり強く感じられるような買いが続いており、限られた時間の中でとにかくどこまで買い上げられるかを試しているような相場の動きで、月末もしくは12月4日のイタリアの国民投票の前までに115円台近くまで持ち上げたいと思っているようにも見える展開となっています。

さらに、このコラムでも何回かご紹介していますように、ヘッジファンド勢も注目しているドル円の20ヶ月移動平均線が114.300円レベルに迫っており、これを月末の段階で明確に超えてきてしまいますと、すでに相場は下落から上昇トレンド相場へと大きく変換してしまう可能性さえでてきているのです。巷ではドル円120円を目指すなどと口走ったアナリストもいましたが、実はまんざら嘘でもない状況になりつつあることがわかります。

※ドル円20ヶ月移動平均線
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こうなると、短期投機筋の買いの動きはどこかで大量な反対売買を出すことになるとはいえ、ドル円相場のトレンドを大きく転換して終了することも十分に考えられ、一時的に調整下落は入るとしても大局的に下落相場の中の戻しと考えることが間違いになってくる可能性も出てきています。

そもそも買いすぎ、売りすぎの相場の先にでるのがトレンドですから、ここまで買いすぎの相場になればトレンドが形勢されることになっても仕方ありません。
すでに12月FOMCは利上げが確定的で、既にほとんど為替相場の材料にはなっていない状況です。

まかり間違えば、ほとんど大きな調整もないままにクリスマスを越えた年末までこの大相場が引っ張られることになりそうで、安易な戻り売りだけは避けたほうがよさそうな展開が引き続き継続されています。

最大賞味期限は来年1月20日まで

ほとんどの個人投資家はこのドル円相場がどのレベルまで上昇するかを気にしていますが、現在のような戻り売りをことごとく粉砕する買いあがり相場を考えますと、金額レベルではなく時間軸でどこまで戻れるかの勝負をしているようにも見えます。

たとえば11月末まで、もしくは12月第一週程度までの上昇なら115円台中盤が視野に入りますし、トランプの大統領就任までこの動きを引っ張ることができれば、まさかの120円に近いレベルまで押し上げてしまう可能性すら出始めているといえます。

個人的にはまったく納得のいかない相場展開ではありますが、そのように動こうとしている以上、逆らわずにうまくついていきどこかで大幅調整下落が出る前になんとか手仕舞う方法を考えなくてはならなくなっているのです。

ある意味では2012年末のアベノミクスがスタートした時点の米系ファンドの無闇な買い上げ状況を彷彿とさせるような相場展開ともいえそうです。


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