誕生から100日のトランプ政権の政策履行状況が相場に与える影響について

トランプ政権は2017年4月30日で発足からいよいよ100日を迎えることとなります。

どの政権でもこの100日はハネムーン期間と呼ばれてメディアも厳しい追求は行わない時間帯でしたが、これからは様々な政策の内容に対して厳しい指摘が起きる可能性が高まる時期です。

株式相場のほうは年末から年始にかけても期待相場が続き、その後一旦反落もありましたが米国景気の堅調さと企業決算を好感してトランプの政策とは関係なく相場が高値水準で推移する状況が続いています。

ただ、為替、とくにドル円は年末と年初早々の118.600円レベルを高値としてすでにトランプ相場がスタートした101.900円レベルから上昇の半値分まで値を下げる結果となっており、トランプ政権の政策がドル円を押し上げるといった楽観的な状況にはなっていないことがわかります。

国内はゴールデンウイークに突入するため一旦お休みモードが強くなりますが、この連休明けから相場がどうなっていくのかが注目されるところです。

そこで今回はトランプ政権が掲げた政策の100日目における履行状況について確認しておくことにしたいと思います。

税制改革は絵に描いた餅状態

税制改革についてはトランプ政権発足後、未だかつてない大規模なものを実施する旨の発言がトランプ大統領からも何度と無く発せられましたが、4月26日に発表された税制改革案はほぼ公約時の内容がそのまま織り込まれており、特別目新しいものが登場したわけではないところが市場の評価を下げる形になっています。

とくに未だかつてないと驚くほどではないものを何度となくすごい内容であるといったように告知すること自体に市場は飽き始めている状況で、そもそも減税の原資が全く見当たらないのに本当に実施できるのかという点のほうが大きな問題になろうとしています。

減税問題は米国民の関心が非常に高いだけに、絵に描いた餅になった場合には政権支持率を大きく下げる原因になりかねないだけにここからの実現度に注目が集まります。

国境税、メキシコとの国境の壁は完全に政策から脱落

そもそもこの大規模減税案の実施に向けては、大統領選挙前にピーターナヴァロウィルバーロスが共同で作成したレポートに国境税を創設することで歳入を増やし、向こう10年間の減税の原資を獲得することが青写真となっていたわけですが、この国境税に関しては国内の小売業者の団体から猛烈な反発を食らう結果となっており、既に政権の要人はこれを口にすることすら出来なくなっている状況です。

またトランプが選挙時から吼えまくっていたメキシコとの国境の万里の長城もまったく実現の可能性は高まっておらず、この超保護主義的な政策は、政権内でグローバリストのいわゆるネオコン一派が主導権を握ってからはすっかり影を潜める状況になってしまいました。

ただ、ここへきて減税原資の一助となるといわれてきたオバマケアの廃止と改案については下院でもアンダーグラウンドの交渉が実を結びつつあるようで、どうやらなんらかの改定案が議会を通過する見込みとなったことから多少減税に近づくことができそうな状況に変化しつつあるようです。

NAFTAは離脱回避

トランプが大統領就任以来離脱をこわもてに叫んできたNAFTからの離脱もどうやら実施はしないような動きになってきており、カナダドルは米ドルに対しても円に対しても大きく買い戻される動きがではじめています。

最初に最大限脅しておいて、あとから緩和することで落としどころを探るトランプの不動産屋的交渉術は市場から見透かされるようになっており、もはやそれほど驚かれなくなりつつあるようで、極端なトランプの発言は徐々に信用性を失ってきていることがわかります。

NAFTAの中身については見直す話も残っているようですが、国境税とともに過度な保護主義を打ち出すことはトランプ政権発足から100日にして後退することが見えてきています。

ある意味では普通の政権へと逆戻りをし始めていることがわかります。

ドッドフランク法は廃止ならずか

トランプ政権発足後非常に期待が高まった銀行経営を圧迫するドッドフランク法の廃止も、当初は非常に注目され、銀行株上昇のトリガーとしても機能したわけですが、どうもこちらも廃止のめどはたたないようで、一部修正などは出るのかもしれませんが、サブプライムで世界経済を大きく毀損した銀行が再度野放しになることはなさそうな状況です。

こちらも株価上昇に歯止めをかける要素になりかねず、典型的なトランプ相場の話半部のネタになってきています。

1兆円インフラ投資は具体的な話にならず停滞状況に

この100日間の中でも何度も数字だけは登場して一人歩きしている1兆ドルに及ぶ巨額のインフラン投資ですが、こちらもどの週にどのように振り分けるのか、また原資として債券と発行するのかといった細かな問題は議会で詳細を議論して承認を得る必要があることから、実現にむけては想像以上に時間がかかりそうです。現実的には来年にすべてが承認されるかどうかも危うい状況であり、将来的には実施にこぎつけることができたとしても米国経済はそう短期的にこうした投資を受けてインフレが示現するとは思えないのが実情です。

トランプ政権は今後より現実的な方向に政策の軸足を移す可能性

米国財務省が4月14日に発表した為替報告書は殆どサプライズもなく、それまでのトランプ発言からすればかなり拍子抜けな内容になったことは事実でしたが、ここへきて重要なキーワードが盛り込まれていることに市場の専門家がえらく気をもむ状況となりはじめています。

それがmisalignments、為替相場のズレという言葉です。

今回の報告書でも永続的な為替相場のズレを回避しなければ、自由で公正な貿易は広がらないといった表記が登場し、それ以降商務長官のウィルバーロスをはじめとする政権の関係者がことあるごとにこの言葉を使い始めていることから、80年代のプラザ合意に至る経緯に詳しい業界関係者は1985年のプラザ合意が実施される前にも頻繁に使われたこの言葉の登場に非常に警戒感を強めているといわれます。

これまで見てきたように、政権発足から100日を経過してもまともに公約どおりの実現ができたのはTPPからの脱退だけというかなりお寒い状況のトランプの政策運営ですが、ドル高に対するけん制はトランプの持ち札としては議会の承認を得ることもなく、しかも金がかからない方法であることから、本気でドル高是正に動くことになれば、第二のプラザ合意のような形で強引にドルを引き下げにかかる可能性は十分にありえるといえそうで、政権発足当初に掲げた公約がほとんど実現の可能性を持たないいま、こうした為替に係わる部分で各国を巻き込む動きが出る可能性は高くなってきているのではないでしょうか?

当初の希望的トランプ政策期待相場はほぼ完全終了

ここまでトランプ政策期待相場はなんとか継続してきている感がありますが、このようにひとつひとつの政策の履行の可否を見てきますと、この先トランプ政権で急激に経済が変化していくとは俄かには思えない状況です。

インフレもいきなり進んでしまうことが危惧されましたが、どうもそうした心配はご無用の状況で、むしろ何も政策が履行される前から勢い込んで利上げだけしてしまったFRBの金融政策のほうが失敗になるリスクを心配すべき状況にもなってきているといえます。

オバマの大統領就任の際も多くの期待が順次剥落することとなりましたが、どうもトランプ政権はそのスピードがさらに速まっているようで、結果的にはよりポピュリズム政治へとシフトすることが予想されることから、過激な政策はほとんど実現されずに終わりそうな雰囲気です。

こうした状況にどこまで相場が失望するのかが問題ですが、足元でもかなり期待は剥落していることは事実であり、為替についてはやはりトランプ相場の基点となった100円台の前半を意識して逆戻りするリスクを考えておく必要がありそうです。

\ついに完成/
FX三種の神器

「なぜこれが無料?」という声多数。
一撃100pipsは当たり前、初心者が迷わない唯一のツール&トレードマニュアル(PDF 32P)

さらにコアな情報をゲット
ブログ公式LINE@

ブログでは言えない稼げる投資情報を複数持っています。ご興味のある方はLINEで♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

PN 今市 太郎

外資系コンサルティングファーム、外資系生命保険会社を経て独立ビジネスコンサルタントとしてビジネスプロセスコンサルティング、クラウドコンピューティングのリプレイスメントや海外のファンドのM&A投資コンサルティングなどに従事。 そのため、株の売買はインサイダーにならないようにFXだけに特化し2007年から本格的に売買をスタートし、9年の実績。 現在は月間5000PIPSから8000PIPS程度をコンスタントに獲得できるように日々精進している。