米国の利上げ加速で懸念される相場の暴落タイミングを考える

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トランプ政権がスタートしてから異様に好調な動きとなっているのが米国の株式市場で、連日史上最高値を更新する動きになってきています。

年明けからの相場はほとんど押しもなく、金利の上昇などもお構いなしでさらに上値を目指しそうな状況です。

しかし、この相場はトランプ政権のスタートだけでここまできているわけではないこともよく認識しておかなくてはならず、市場環境に大きな変化が現れると決して株高は続かない可能性が高まります。

足もとで懸念されるこうしたリスクの最大要因はFRBによる利上げであり、いよいよ利上げタイミングが加速するこの時期、相場の下落タイミングをよく考えておかなくてはならなくなってきているといえます。

ゼロ金利だからこそ上昇したNY株式相場

14日に開催された米国上院委員会でのイエレン議長の議会証言は、利上げの実施時期や回数といった具体的なことにはさすがに触れなかったものの、昨年のチキンぶりとは大きな宗旨替えで積極的に利上げを行うことを前面に打ち出した内容となり、ドル円は瞬間的に大きく上昇することとなりました。

今のところ3月利上げを市場はほとんど織り込んではいませんが、その可能性も否定していないことから、市場予想より早く利上げが進むことも十分に考えられるようになってきています。

これまでFRBは米国S&Pの株価を見ながら利上げ政策を決めてきたのではないかといわれるほど、株価の推移にイエレン議長が神経質になってきたのは紛れもない事実ですが、いまや2万ドルを超えたNYダウは連日市場最高値を更新しており、しかも完全雇用が実現した中で平均時給も上昇を始めていますから、どんなに臆病者のFRB議長であってもこのタイミングに利上げを行わない理由はないところにさしかかっているのは事実です。

しかし、この株式相場の活況は昨年11月から突如としてトランプ期待が起因したものへとシフトしてしまいましたが、やはりベースにあるのは限りなくゼロに近い米国の金利が大きく影響してきたことは間違いありません。

米系のシンクタンクが調査したところによりますと、過去米国で利上げが行われたあとは、確実に企業業績が悪化していることがわかっていますし、ここ数年流行となった企業の自社株買いも低金利がその流れの原資となったことは明らかで、金利の上昇は業績、自社株買い両方に大きな影響を及ぼすことは間違いないところとなっています。

このあたりをFRBはどれだけ真剣に理解しているのかが大きなポイントとなりそうで、経済状況がいいからという判断で利上げを急ぐことになればとんだ相場下落の引き金を引きかねない状況となってきているわけです。

10年もの国債金利が3%を超え始めると米株は耐え切れなくなる

こうした状況については新債券の帝王の異名を持つダブルラインキャピタルのジェフリーガンドラックCIOも警鐘を年明けからかなり強く警鐘を鳴らしており、10年もの国債の金利が3%を超えるレベルまで上昇するようなことになった場合、株式市場はその金利に耐えきれず大きく下落する可能性があり、むしろ下落相場に備えるべきであるとも語っています。

最近市場予測で非常に人気が高まっているラリーウイリアムズも自らが発行しているウイークリーレポートにおいて2017年は暴落が起きる可能性が高いことをほのめかしています。

ただ、ピンポイントで下落を予測することほど難しいものはなく、しかも最近はアルゴリズムが相互に連動してとんでもない引き金を押すこともあるため、この週、この日が危ないとはなかなか予測できないのが実情です。

しかし、確実なのは利上げが加速した後に相場の大幅下落が起きることで、もちろん利上げ当日に下落するといった稚拙な判断はできませんが、6月に利上げがあるとすれば、相当注意が必要になってきています。

日経新聞の解説でも利上げ三回目まで、つまり2015年末から数えて次回の利上げまではなんとか相場も持ちこたえられるのが常となっているようですが、それ以上の回数の実施は利率の問題ではなく回数的に大きなリスクとなると警告しています。

我々個人投資家も米国の利上げはそうした相場下落のリスクを並行して持ち合わせているという点についてはしっかり理解しておかなくてはなりません。

現状の、金利も上がるが株価も関係なくあがるという特殊な相場状況には必ず修正が入る時期がやってくるわけです。

これを当たり前の状況と認識していると結構手痛いしっぺ返しを受けることになりそうです。

相場の最後は思い切り走って終わる

上昇相場の終焉というのは決まって最後に思い切り走って上昇することが確認されており、とくに株式市場はそうした傾向が強まります。

市場参加者がみな強気になり、普段株に関心もない主婦などが八百屋の店先で株価の話しをし始めたらいよいよお仕舞いだという話しもありますが、それが本当かどうかはさておいても、相場が走り始めていないかどうかは常にチェックしておく必要がありそうです。

見方によっては今のNYダウもかなり走っているようにも見えますが、最後はもっと大きく上昇して終わるはずで、現状のチャートを見ているかぎり大幅下落のスイッチが押されるのはもう少し先の話になりそうです。

FRBの利上げが6月とすれば今年の夏場から秋口にかけてはかなり危険が高まりそうともいえます。

とにかく2008年のリーマンショックから丸8年を経過し今年の9月15日で9年となるわけですから、ここからはいつ暴落しても決しておかしくない時間帯に差し掛かっているといえます。

巨大地震ではないですが、暴落には必ず兆候が現れることになりますから、それをどうとらえるかも個人投資家としては非常に気になることといえます。

※NYダウ推移

株に連動しないドル円も下落にはついていくことに

足もとの相場ではドル円は必ずしも株式市場と連動した動きをとっているわけではなく、むしろ債券金利に異常なほど連動した動きを示現させていますが、株価が大きく崩れるときは残念ながら為替もリスクオフとなりドル円ならば確実に円高方向に動くことになりますので、株と関係ないとはいえないのが実情です。

したがって、株取引をしていないFXトレーダーでも株価の推移だけは注意しておくことが望まれます。

具体的にいつ大きな相場下落が起きるのかは依然として誰にも判りませんが、ここまで書きましたように、米国の利上げ時期と回数が加速した段階と、それに呼応するように妙に株をはじめとする相場が走り始めて想定以上の株価が上がってしまうというクライマックスを迎えたときにはかなり真剣に相場から批難することを考えなくてはならなくなりそうです。

為替の場合には上昇よりはるかに早いスピードで相場が下落することになりますから、売り場探しをしながら日々売買をしていくことも必要になりそうです。

トランプ相場は、既に史上最高値をつけたNYダウと、完全雇用、低金利といったこれ以上好条件のないところからスタートしているだけに減税や、財政政策を大きく打ち出してもさらにこの状況を凌駕するような好景気がやってくるかどうかは正直なところわからない状態です。

むしろ何かが起こるとすれば状況が悪くなることのほうが先ともいえますから、あまりトランプ政策を妄信していくのも危ない状況です。

ゼロサムゲームが基本のFX取引ですから、多くの投資家が上方向を見ているときにあえて下方向を早めに確認しておくというのもFX投資家に与えられた戦略ともいえる状況です。


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