イギリスのメイ首相6月8日総選挙発言で大激震のポンド

マーケットが北朝鮮起因の地政学リスクに気をとられているうちに、英国のメイ首相がこれまで否定していた議会の総選挙を6月8日に実施すると発言したことからポンドは大揺れとなり、初動は大きく下げたものの、その後一気に買い戻されて、ポンドドルもポンド円も大きな上昇を示現することとなりました。

メディアの第一報では18日の日本時間午後11時過ぎにメイ首相が何か声明を発表するという内容で、事前の情報を何も持たないマーケットは、もしや辞任か?と疑ってポンドは大きく売り込まれることとなりました。

しかしその後6月に議会を解散する意向であることが伝わると、相場は一転し買戻しが進み久々にポンド主体で相場が大きく荒れることとなったのです。

※GBP USD 1時間足


※GBPJPY 1時間足

本邦個人投資家が多く取り組んでいるポンド円でも短期間に3円近い上昇を示現することとなり、日ごろでも大きな動きを見せるポンド円が久々に火を噴くような上昇を見せることとなりました。

しかし、なぜ今、この時期に総選挙を実施する必要があるのか、海外の投資家にとってはいまひとつ理解しにくいところがあるのもまた事実です。

そこで今回は、メイ首相の発言の背後にあるものと、ここからの動きについてまとめてみたいと思います。

そもそもメイ首相とは・・

メイ首相はキャメロン首相の後釜として突如として登場した人物で、サッチャー以来の女性首相ということぐらいしか目立った特徴がない存在からいきなりEU離脱交渉の責任者として機能するようになった人物です。

もともとメイ首相は、BREXITの投票まではEU残留を支持していたため今回は国民の総意ということで仕方なく交渉にあたる実務派とみられていましたが、いざ、首相に任命されてみますと、結構自分と限られた内閣の人間だけで様々なことを即断で決めてしまう予想以上に強引な存在であることが明らかになってきており、これまでも英国内では様々な摩擦が起きています。

メイ氏は1956年生まれの59歳で、英国南部の教会の神父の娘として育ち、教区の信者を助ける父の影響で政治家を志したのは12歳の時だったといわれています。

オックスフォード大学卒業後はイングランド銀行を手始めとして金融市場で働いた経験を持つメイ首相ですが、1997年から下院議員に初当選して国政に進出しています。

メイ氏はかねてからEUの支配を快く思っていない人物のひとりであり、特に移民に関しては政界入りした当初からEUの政策に異論を唱えてきた人物だっただけに、今回のBREXITの交渉でも移民数については決して妥協しない姿勢を貫いており、ややもすればハードBREXITの道を選択しようとするタイプであることが非常に注目されています。

前評判では、メイ首相は控えめで無理な交渉は行わないタイプとみられていましたが実際に首相としてEUとの交渉をスタートさせると、重要なことをさっさと決めて前に進めるタイプであることが明らかになってきており、これまでも議会との対立を繰り返してきたという経緯があります。

見かけ以上に何も考えていなかったキャメロン前首相

イギリスのEU離脱投票で離脱が多数を占めたことからさっさと首相を辞した前任のキャメロン氏ですが、やはり選挙公約で安易に国民投票を実施してしまったツケを後任のメイ首相が払わされていることがわかります。

そもそもこうした国民投票は英国内ではなんら法的な拘束力をもたなかったわけですが、万が一EU離脱優位になった場合に、その後どのようなプロセスを経て、国として何を優先し、何を捨てることになるのかをまったく国民に事前告知することもしておらず、国内的なEU離脱正式決定についても今回議会承認を得るとメイ首相が明言したことではじめて明確になったわけですから、いかに何の枠組みもないままに拙速に投票だけを行ってしまったことは大きな問題として残っている状況です。

また、BREXITといっても移民の問題と単一市場へのアクセス権の問題があることをよりフォーカスして国民に投票を訴えれば、本来この投票においてもEU離脱といった判断にはならなかった可能性もあったわけですが、実際には単なる気分や乗りだけで参加できる国民投票を安易に実施してしまったキャメロンの責任はいまさらながらに大きなものだったといえます。

後任者であるメイ首相ににどれだけ負担が重くのしかかっているかが窺い知れる状況で、とにかくメイ首相は議会と国民の支持をしっかりと確保してここから2年あまりのEUとの離脱交渉に臨みたいと考えているのはどうやら間違いないようです。

これまで英国は2020年まで総選挙を行わない日程であり、メイ首相も解散総選挙を聞かれても早々の実施には踏み切らない旨を国民に説明してきたわけですから、今回いきななり「我々には総選挙が必要だ。そして、総選挙は今まさに必要だ」と述べて6月8日に総選挙を行う意向を表明したことに相場が驚くのも無理はない状況といえます。

しかし議会との関係がしっくり行っておらず、何かにつけてハードBREXITにケチをつけられる議会を一気に封じ込めて強い国民的支持を基盤にして交渉を進めたいと思うメイ首相の思惑はよく理解できる状況といえます。

まさかの保守党敗北なら事態はさらに急展開の可能性も

調査会社であるユーガブが発表したところによりますと、英国の総選挙は定数650に対し与党保守党が382議席、労働党が179議席、自由民主党が10議席、スコットランド民族党(SNP)が56議席、その他が23議席となると予想しており、現状の保守党の330議席から圧倒的に現政府が勝利を収めることになるとの予想がでています。

昨年のBREXIT投票でも11月のトランプ勝利でもそうであったように、選挙ほど事前の予想が当てにならないものはないですから、この予測を鵜呑みにはできませんが、国民はメイ首相のやり方にかなり支持するようになっており、これで与党が圧勝すればよりEUとの交渉もしやすい状況となることは間違いなさそうです。

ただ、まさかの保守党敗北という事態になれば、そもそもEU離脱自体が揺れ動くことになりかねず、今更離脱交渉中止にはできないでしょうが、相当大きな問題になることは間違いなさそうです。

これでメイ首相辞任などというありえない状況になれば英国は危機的な状況に陥るリスクに直面することになります。

ポンドは下落リスクを抱えながら大きく戻りを試す展開か

ポンドドルは昨年6月24日のEU離脱投票の結果を受けて大きく売り込まれ、年が明けてからやっと投票直後の下落レベルまで戻す展開となっていますが、ここからも依然として下落リスクを払拭することはできず、不安を抱えながも、EUと英国の交渉次第では逆にかなりの戻りを試す展開になる可能性も残されています。

これはポンド円でもまったく同様であり、予想以上に経済状況がしっかりしており、インフレ率も日本とは比べものにならないほど進んでいることから、ポンドが大きく買い戻される可能性も十分に残されている状況です。

特に慢性的にショートがたまりすぎた相場状況は必ず自律的にもとに戻る動きを見せることがあるため、注意が必要な時期にさしかかってきているといえます。

とにかくEU離脱交渉というのは前人未到のものであり、どのような問題が待ち受けているのか事前段階で明確には把握できないことから、為替における先行きも簡単には断言できない状況ではありますが、昨年来、必要以上に売り込まれた感があることは事実であり、今後のメイ首相の政権運営と対EU交渉の中身次第ではポンド高が再来することも視野に入れて売買していくことが必要になりそうです。

※ポンドドル日足チャート

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ABOUTこの記事をかいた人

PN 今市 太郎

外資系コンサルティングファーム、外資系生命保険会社を経て独立ビジネスコンサルタントとしてビジネスプロセスコンサルティング、クラウドコンピューティングのリプレイスメントや海外のファンドのM&A投資コンサルティングなどに従事。 そのため、株の売買はインサイダーにならないようにFXだけに特化し2007年から本格的に売買をスタートし、9年の実績。 現在は月間5000PIPSから8000PIPS程度をコンスタントに獲得できるように日々精進している。