国内でシストレは絶滅の危機~仕組み売買へとシフト

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去る10月22日、FXプライムbyGMOが提供してきたミラートレーダーがひっそりとそのサービスを終了しました。

オーダーメイドでシストレが設定できるチョイトレFXだけがかろうじて残っているだけで、より簡単に戦略を選択してシストレができるミラートレーダーサービスはインヴァスト証券とアヴァトレードなど限られたFX業者しか提供しないサービスとなってしまいました。

また気がつくと自動売買の出来るプラットフォームで一時注目を浴びたMT4のサービスを提供する国内業者も減少しており、こちらもシストレブームが完全に去ってしまったことを明確に示す状況となりました。

それとは対照的にトラリピに代表されるような仕組み売買のほうに人気は完全に移行することとなっている点が非常に注目されるところです。今回はこのシストレがなぜ国内で定着しなかったのか?また個人投資家はこの領域に何を求めているのかについてまとめてみることにします。

自前のサーバーを持たずに簡単にシストレができたミラートレーダー

※ミラートレーダー操作プラットフォーム
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ミラートレーダーは、もともとイスラエルのソフトウエアメーカーであるトレーデンシー社が開発したもので、業者が提供するサーバー上で戦略を複数選択して履行すればパソコンの電源を切っていてもサーバーが勝手に自動売買を行ってくれるのが大きなメリットとして人気を集めました。

このサービスではインヴァスト証券が非常に力を入れることとなり、トレーデンシー社に資本参加までして影響力を高め、国内外で比較しても莫大な数の戦略を顧客に提供するサービスとなっています。

その後を追う形でビジネスを行ってきたのがFXプライムbyGMOでしたが、今回あえなくサービス終了ということで、日本国内ではアヴァトレードを含めて2社のみが引き続きサービスを提供するといったさびしい状況になっています。

2015年の2月段階では世界で40社以上、国内でも実に6社がこのサービスを導入していましたが、間違いなく下火になってしまっていることが窺えます。

MT4も今では提供業者はきわめて限定的に

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このシストレによる自動売買ではもうひとつMT4と呼ばれるロシアのソフトウエア会社が製作したシェアウエアも大きく注目されました。海外ではプラットフォームが無償で利用できることから自動売買以前の問題として非常に利用する業者が多くなり、いまでもほとんどの業者がMT4ないしは更なる進化版のMT5を顧客に提供している状況にあります。

国内でもMT4は注目され多くの店頭FX業者が導入を決めましたが、先行導入をはかったYJFXやマネックス証券はすでにサービス提供から撤退し、今年FXCMを買収した楽天証券も9月でMT4の利用から撤退しており、いまや国内ではFXTFかオアンダぐらいしか利用できる業者はなくなってしまいました。

このMT4は国内でシストレを行おうとすると2つの大きな問題をかかえていました。ひとつはノンストップで稼動するサーバーをユーザー自身が確保しなくてはならず、自宅のPCにインストールして稼動させていたのでは停電やまさかのシステムトラブル、回線の不能状態に陥るとまったくコントロールできないところがシストレ利用にあたっての大変なハードルとなってしまったのわけです。

FXの取引だけでも頭をつかうのに、仮想化されたサーバーをレンタルで借りてソフトをインストールして自前でサーバー管理をするほど熱心なユーザーは国内にはほとんど存在しなかったというのが現実のところではないかと思います。

また、国内の金融庁のMT4の戦略ソフト売買に関する厳しい姿勢も大きな障害となりました。戦略ソフトのEA,エキスパートアドバイザーの有償販売は投資助言業の資格をもつもの以外は違法であるとした金融庁からのお触れは、マネックスなど大手の証券会社や店頭FX業者がMT4から撤退する大きな原因となってしまいました。

もちろんこのEAは無償でネットで配布されているものもありますが、多くは有償品が多かったことから、これを投資助言業の資格をもたないと売れないとされてしまいますと、FX業界の実体とはかなり異なるものになってしまいます。したがって先行して導入した業者ほど諦めることになってしまったのです。

人工知能が行うアルゴリズムからは程遠い存在

シストレを利用するユーザーのほうにもかなり誤解があったようです。
一般的なシストレのストラテジーというのは複数のテクニカルチャートにおける売買シグナルを利用することで売ったり買ったりをするものに、いくつかの追加条件をつけていくようなつくりになっていますが、最新鋭の人工知能のアルゴリズムは確かに経済指標の発表から要人の発言まで様々な内容を受けて即座に売買に反映するようなビビッドなものではないことから、それなりにドローダウンを抱える事になり、とくに経済指標の発表や中央銀行の政策決定などで大きく流れが変わる場合にはそれにあわせて動きが変わるまでに1日以上時間がかかることも多いことになります。

このあたりも個人投資家の期待値とかなり異なるものになってしまったようで、もっと最初から打ち出し方を考えるべきだったのかも知れません。実際には簡単にEAを作ることもできて個人でもMT4を使って一定の自動売買ができるわけですから、このあたりを中心に訴求すべきであったのだろうと思います。

過度な期待が結局普及を邪魔する形になってしまったようです。

人気はイフダン繰り返しの仕組み取引へ

こうしたシストレに代わって非常に人気になっているのが、いわゆるイフダンをベースにした仕組み売買の存在です。相場が上がるか下がるかを考えてリピート方式で利益を積み上げていくというやり方はサービスを提供する各社で少しずつ内容が異なりますが、わけのわからない戦略を入れて大きな損を出すことがないという点で非常に安心感を高めてくれているようで、利用者も増えているようです。

この領域での草分け的存在はなんといってもマネースクエアジャパンのトラリピで口座開設者の7割近くはこのトラリピだけを利用して売買しているということですから非常に仕組み売買に特化した会社だといえます。

また外為どっとコムのiサイクル注文はレンジ相場の値幅をアルゴリズムが勝手に設定してくれますので、無駄のない刈り取りができます。さらに上げても下げても両方刈り取りができるのがYJFXのリピトレとなっていますが、こちらは複数設定ができないという違いがあります。
ループイフダンという商標をもっているのはアイネット証券で、刈り取れる値幅があらかじめ決まったものから選ぶことにはなりますが、もっとも簡単にはじめられる仕組みとなっています。

現状でもっとも設定精度の高いのがインヴァスト証券のトライオートFXで自動売買としてはかなり完成度の高いモデルになっていることがわかります。
同社はシストレ24でミラートレーダーも諦めずに顧客に提供していますが、シストレでは実現できない部分をかなりうまくトライオートFXに織り込んでおり、FXに詳しいプロが使っても満足度の高い内容になってきているのです。

このように仕組み売買はもはや自動売買の中心的存在となっていることがわかります。

海外では人気トレーダーをトレースするトレードも流行中

一方海外ではミラートレードといえば戦略を走らせるのではなく、特定のプロのトレーダーのトレードをまったく真似て売買できる仕組みが流行しており、儲かったらその中から一部をコミッションとして支払うというなかなか画期的な方法が採用されています。

もちろんお任せで同じトレードをしても失敗することは考えられますが、ミラートレードは鏡のように真似するというところまで来ているというわけです。

国内でもこれに似たしくみをトレーダーズ証券がみんなのシストレとして導入しましたが、国内では規制も多く、真似できるトレーダーは結局プロの投資助言業の数人だけしか設定されないため広がりがでずに、あまり盛況にはなっていません。

またMT4の導入を取り下げたYJFXでは、個人が作った売買戦略を一端YJFXが取り込み、YJFXから提供されるトレード法としてカード化して利用できるようにしたトレードコレクターという仕組みを導入しています。
これもシストレが国内でうまく流通しないところをなんとか補うように苦心して作られた仕組みですが、普及はまだまだこれからといったところです。

このように国内の個人投資家のシストレへのニーズや興味はこの5~6年で大きく変化しており、日本では独特の仕組み売買が中心になってきているのです。これはしっかり理解するとFX売買ではかなり強い見方になってくれそうなツールへと成長しているのです。


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