9月雇用統計後のドル円は逆張りに本格的リスクが到来

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いよいよ10月で今年もあと3ヶ月となりましたが、2日に発表された9月の雇用統計は非農業部門雇用者数が14万2000人増と市場の予想の20万3,000人増を大きく下回ることとなり、8月分も13万6,000人増に下方修正されたことから、ドル円は大きく売られて一時119円台を割り込むこととなりました。

その後、株価の上昇につれてなんとか119円台後半で10月第一週の週末を終えることとなりましたが、相場の動きは上方向ではなく下方向により注意が必要な10月となってきている印象です。

とくに、これまでアベノミクスが叫ばれてきてから一度も割らなかった200日移動平均をいとも簡単に割り込む状況が続いており、これがもはやサポートラインとして機能しなくなっているところが非常に気になるところとなっています。

これまでのように、下げたところは買っておけば必ず利益にありつける相場と様子が変わってきているところが非常に気になる状況です。
本来落ち着きを取り戻すまでは、相場に触らないというのもひとつの発想となりますが、とにかく相場に向かうときにはこれまで以上に取引に注意が必要となってきていることがわかります。

その中でも特に注意したいのが逆張りの手法です。

1.200日移動平均を割り込み始めたドル円

8月24日ドル円が200日移動平均線を割り込む大幅な下落状況となって以来、何度かこの線を越えたレベルに戻りましたが、結局日足ではこのレベルの下に沈みこむようになってきており、ドル円はこれまでとは必ずしも同じ相場状況ではなくなってきていることが示唆されるようになっています。

この200日移動平均線はほぼ1年間の相場参加者のコストのラインになっていることから、これを割り始めるとそれなりの損きりが増えることが予想されます。

また、200日移動平均線以上に戻るとやれやれ売りも多くでることから上昇が覚束なくなるラインでもあり、相場の動きを大きく変える可能性があるラインともいえるのです。
特に、2日の雇用統計でこのラインを上抜けずに10月第一週を終えられなかったことから、週明け以降のドル円の動きが非常に気になる状況になってきているのです。

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2.官製相場でワークしてきた逆張りが効かなくなる可能性も

2013年からほぼ1年半近く、日銀と準公的機関による相場の下支えが続いたことから、ボリンジャーバンドにしてもエンベロープにしても一定の下押しレベルで逆張りにしておけば、かなりの確率で利益を継続的に得ることができた相場が続きました。

しかし、8月24日の大暴落以降このスキームがかなり崩れてきてしまい、現状では単純移動平均の200日MAでは完全にドル円の日足はこのラインの下に位置しており、指数平滑移動平均の200日MAではかろうじてその上に位置する程度になっています。

米国のダウや日経平均でも、この200日移動平均を割れてからは意味なく乱高下するボラティリティの高い相場展開が続いており、比較的痛みが少なかったドル円も10月については安易な逆張りやナンピンを繰り返していると大きく下落に持っていかれて損失が膨らむ可能性がでてきているのです。

日本人の個人投資家は通常でも逆張りがお得意で、上でも下でも逆張りから入るトレーダーは非常に多くなっています。

また、これが官製相場の動きにより大きな成功体験となっているので、ちょっと大きく下げればチャートの形状からして逆張りで参入したくなるものですが、レベル感やチャートのこれまで利用していたシグナルだけで逆張りをするのはかなり危険な時期にさしかかってきているようで、これまで慣れてきた売買手法をそのまま継続するのは一旦見合わせたほうがいい状況になってきているといえます。

これまで機能してきた9日のRSIで30レベルまで下がった買いというシグナルも既に下抜けることが確認されていますから、これまで通り使うことには慎重にならざるを得ません。

3.今年利益の出ていないファンド勢は10月、11月に大仕掛けをしてくる可能性も

ブルームバーグが最近報道した内容によりますと、2015年の金融市場は、株式や商品、為替いずれもマイナス状況で、若干プラスとなっている唯一の債券市場もインフレ率で打ち消されてしまうというかなり結果になってしまっています。

日本国内の市場だけ見て、ドル円での為替取引のみ行っているとあまりそう感じないのですが、実はコモディティを筆頭に株も為替もまったく儲けがでていない深刻な状況に陥っていることがわかります。

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儲けが出ていないのはヘッジファンドも同様で、今年のパフォーマンスは3,7%程度という厳しい数字も関連機関から発表されていることから、多くのヘッジファンドが決算となる11月末までに思い切った形で相場に仕掛けをおこなうファンドも登場することが考えられ、注意が必要な状況となっています。

9月29日の日経平均大幅下落も、CTA・コモディティトレーディングアドバイザーの仕業のようで、1万7,000円を割れてもそれ以上落ちないとみたところでしっかり買い戻しをかけているようで、作為的な下落を狙っていることはどうやら間違いないようです。
このCTAはほぼ全体取引の8割弱をアルゴリズムによる自動売買で行っており、相場を荒らす大きな元凶となっているのです。

また、イベントドリブンのヘッジファンドは10月に2回予定されている日銀の政策決定会合に向けて日経平均の買い上げを行おうとしているようで、10月はこれまでと異なる仕掛け売買が矢継ぎ早に登場する可能性がきわめて高くなっています。

儲かっていないだけにヘッジファンドの担当者は自分のクビをかけた戦いを挑んでくることが予想され、決して侮れない状況となってきています。

ドル円の場合は、ほかの金融商品や通貨ペアに比べてまだそれほど痛んでいない状況であるため、とくにヘッジファンドなど下げで大きな利益を獲得しようとする向きには絶好の通貨として狙われやすくなっています。

このまま100円方向にまで円高が加速するとは想定しづらいですが、116円から113円程度までは十分下落の視野に入るポジションであるだけに事前想定を超えた下落がありうることは、しっかり意識すべき状況となってきています。

4.200日移動平均を割れたら迂闊に逆張りしないのが下げ相場に巻き込まれない鉄則

市場を継続してご覧になっている方は気づかれているように、ドル円は三角もちあいを上に抜けるのか下に抜けるのかが大きなポイントになりつつあります。
しかし、上方向に抜けるにはよほどの材料がないと動かないのが現状で、三角持合は上から降りてきているだけに、通常ならば下方向に抜ける可能性が高くなってきているといえます。

とくに、FRBの利上げも不明確になっている中では買い上げる材料が極めて少なくなっている状況です。
これで日銀がETFの買い入れを主体とした追加緩和に動かない場合、想像以上に下押しすることを相当意識しておく必要がありそうです。

11月以降、相場が一定の戻り局面に乗る10月末まで買いを待つのか、あるいは下落局面でレバレッジを下げ、枚数を減らして慎重に買い下がるかを考える必要がありそうですが、株式相場のVIX指数がかなり高い状態で継続しているだけに、10月中に大きな下げに直面した段階を起点にして買い向かうことを考えるのもひとつの方法といえそうです。

米国の株式相場も、通常大統領選挙の前年秋口は大きく上昇するのがアノマリーになっているのですが、今年はほとんど上に上がらないまま年末が近づいています。

すでにリーマンショックから7年継続して株価が上昇しているだけに、暴落はいつあってもおかしくはないといえますが、今回の下落ではすでに中国の景気減速も表面にでてきていますので、材料は表面に出尽くしている可能性もあり、よほどのテールリスクが出ない限りは10月に暴落になるとは予想しにくいのも実情です。

ただ、8月24日以降S&PのVIX指数がまったく下がらない、日経ボラティリティインデックスも高い数値に張り付いているというのも非常に気になるところです。
もっとも注意すべきなのは10月末日までとなりますが、とにかく甘く見ずにタイトストップロスをしっかり入れて底値で買いなおすぐらいの気分で相場の望むべき時間帯がやってきているといえます。


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