マイナス金利導入後2ヶ月経過、その影響と弊害とは!?

日銀が2016年1月29日にマイナス金利を突然発表して以来、その効果について様々な評価が登場しましたが、発表から2ヶ月が経過してマイナスの側面のほうがはるかに大きいことが見え始めており、とくに金融市場が引き続き大きく混乱していることが明確になってきていることがわかり始めています。

国民にとっては無金利は形を変えた増税

マイナス金利導入で実際に住宅ローンなどの金利が一斉に引き下げられ、多くの利用者が掛け替えに走り始めているといった報道が目につくようになりました。

たしかにローンを借りる人にとっては潜在一隅のチャンスが到来しているともいえますが、マクロ的に見ますと国内のこうした個人の債務需要の総額は400兆円であり、1600兆円ある貯蓄関連の資産に比べればたった4分の1しかない点が見過ごされているといえます。殆どの国民はローン金利の減少よりも保有金融資産の利息がまったく無くなったことのほうがはるかに大きなマイナス要因となっているわけです。そもそもこの国は20年以上前からゼロ金利に近い市場金利が継続しており、1000兆円を超えた国の発行国債の金利を抑えるために政府が行っている国民への金利負担付け替えにも見えるのがこうした低金利政策の実態であるという指摘も高まっています。

消費税の増税には多くの国民が不快感を持ちますが、ゼロ金利政策は見かけ上、増税と感じないところが大きな問題で、実は長期に渡って本来もらえる金利分を国民が国の代わりに負担し続けている不誠実な社会が継続していることを改めて認識させられます。

ファンド勢はQE主要国の株式を積極的に売る動きに

こうした国内でのマイナス金利政策は株式投資を行うファンド勢にも決して心よく思われていないようで、特にゼロ金利で国民に負担を強いる構造がさらに強化される中にあってはGDPの6割以上を個人消費に依存する国内経済が伸びるわけがないというのが海外ファンドの日本に対する見方で、アベノミクススタート時の国策への相乗りとは大きく異なり、日本株売りは一時期よりも金額が減少してはいるものの引き続き継続していることが投資主体別売買動向でも明確に現れ始めています。

今年度末、大きく損失がつみ上がってGPIFの運用成績を少しでも改善するためにPKO軍団がしきりに株式購入で価格の引き戻しを行っているようですが、1万8000円近くまで戻すかと思われた日経平均は1万7200円を長らく越えることができずにいよいよ月末を迎えようとしており、海外勢の国内株に対する投資意欲が決して高くないことを改めて示唆する状況となっています。

そもそも海外系ファンドは日本やドイツなど積極的にQEを実施している主要国の株を2月ごろからせっせと売り始めており、中央銀行が金融緩和をすれば株価が上がり、自国通貨安となるこれまでの動きがそのまま通用しないのがかなり明確になりつつあります。

金融機関と機関投資家は今後の投資先選定に困惑

これまで名ばかりの量的金融緩和を行っても、民間の金融機関からの国債買取で各金融機関の手元に入った資金はすべて日銀の当座預金にただ単にブタ積みされてきただけですから、ここにマイナス金利が導入されれば少しは市中に資金が出回ることが予想されましたが、国内金融機関の預金額と貸与の比率は8割以下に留まっており、多くの金融機関がこれまで日銀からの付利によるインセンティブだけに依存していた運用を行ってきただけに、この先余剰資金をどこに投資するのかが想像以上の大問題に発展しつつあります。

そのひとつの表れが当面のイールドハンティング狙いの長期国債の買い付けであり、すでにかなりの長期国債の金利が大幅に下落し、10年ものがマイナスに沈むといった極めて特別な状況が展開しているのが足元の動きとなっています。

※10年もの国債推移
2016032802

金利のつかない長期国債にとりあえず資金をシフトしてみても儲かるわけではありませんから生保などの機関投資家は4月以降の投資先を海外に振り向けるのか、株式比率を高めるのか、様々なシュミレーションを実施することを余儀無くされているようですが、今のところしっかりとした結論が出ないままに年度末を迎えようとしているようで、4月以降各社がどのように投資戦略を変更してくることになるのかが大きく注目されるところです。

大掛かりな海外債券投資の場合、当初から為替でフルヘッジは不可能

昨年から大きくポートフォリオを変化させたGPIFがここへ来て海外の債券価格が下落し、しかも円高になっていることか大きく含み損を出し始めていることが注目されていますが、こうした大規模なファンドの場合、フルに為替でヘッジをかけるのは金額的にもかなり難しく、しかもフルヘッジに近づけば近づくほどコストが高くなることから利益が下がり、何のために海外投資をしているかわからないことになるという問題がGPIFのみならず多くの機関投資家の直面する問題になりはじめています。

これまで過去3年間は一貫して円安が継続してきたことから為替による差損というものはほとんど気にせずに済んだわけですが、円高局面が示現すれば、つねにこうした問題が浮上することになり、為替市場にとってもこうした機関投資家の海外投資に伴う為替のオペレーションに大きく影響を受ける可能性がでてきているといえるのです。

ドル円の下落局面では売りに回る機関投資家も登場か

多くの本邦機関投資家がポートフォリオを変更して海外債券への投資比率を高めても、コスト上の問題や物理的なボリュームの問題などからフルヘッジができていないことを考えますと、為替の大幅な下落局面、特にドル安円高進行の状況でこうした本邦投資家が一時的なヘッジのために円買いを大量に持ち込んでくる可能性が今後益々高まることが予想されます。

現状ではドル円は115円と110円にダブルノータッチオプションがあるといわれていますが、こうした110円ラインといった節目を割り込みだすと、機関投資家が一斉に円買いを仕掛けてくるといった動きにはかなり注意が必要で、為替相場の下落局面で主要投資家自ら円高に油を注ぎかねない事態が起こることも想定しておく必要がありそうです。

マイナス金利は確実に銀行収益を悪化させる見込

BIS、国際決済銀行がECBや日銀のマイナス金利政策に対し、主要な銀行の利益圧迫に大きく影響を与えるものとしてかなり強い懸念を表目しはじめていますが、国内でも主要銀行の収益を圧迫することは間違いない状況で、株価の低迷も気になるところです。リーマンショックで世界的に金融機関が大きなダメージを受け、やっと時間をかけて回復してきている途上の現在のマイナス金利導入ですから、さらなるネガティブなインパクトが示現してくれば、市場が嫌気するのはほぼ間違いなく、主要国のマイナス金利政策は既に限界に近づいていることがわかります。

ECBの金融政策は既に打ち止め、日銀も次のバズーカで最後を見透かされる

2016年1月29日の日銀のマイナス金利決定以降ECBはドラギ総裁の事前予告どおり、現時点では最大点とも思える追加緩和を実施しました。
しかし、会見がはじまって10分後にこれ以上は行わないことを示唆した同氏の発言から一転、打ち止め間が高まり、12月に次いでまたしても400PIPS近いユーロの買戻しを引き起こす結果となってしまいました。

消費増税を予定通り実行するための最後のバズーカとして温存するため、黒田日銀は3月15日には追加緩和を見送る形をとりましたが、4月以降量的なものを含めた追加緩和を実施すればすでに材料出つくしを見られる可能性は高く、かりに更なるマイナス金利の深堀を実施しても、1月同様市場からは逆の反応をもって迎えられる可能性も高まっています。

金融業界では将来的な日銀の出口戦略が事実上ないことへの不安も

※5分で読めるマイナス金利
2016032803

日銀は、さきごろ5分で読めるマイナス金利という小冊子を公表して、マイナス金利に対する国民の誤解を払拭するために必死の状況ですが、国会でも導入はしないと言い切ったマイナス金利を黒田総裁がさっさと導入したことや、資金運用のプロで構成されているはずの国内金融機関がこの政策変更後、投資戦略の変更をめぐって右往左往している状況に、業界内からもかなり不安視する声が高まりつつあります。

とくにさしたる効果もないままに次々と追加緩和を行ってしまい、株も為替も思い通りにコントロールできなくなった最終局面で、日銀は一体どのような出口戦略をとるのかについても注目が集まりつつあるのは事実で、現実的には既に出口はなくなったのではないかとの指摘も出始めています。

為替を行っている個人投資家にとってはマイナス金利の具体的インパクトを完全に掌握することは極めて難しいここ2ヶ月の動きでしたが、金融業界自体が日銀の政策に揺れ続けていることだけは間違いなく、専門の経済学者がどう評価しどのように賞賛しようとも、現実の金融相場ではどうもプラスに働くことを想定するよりもマイナスに出ることのほうに注意を払うことが必要になってきているようです。

\ついに完成/
FX三種の神器

「なぜこれが無料?」という声多数。
一撃100pipsは当たり前、初心者が迷わない唯一のツール&トレードマニュアル(PDF 32P)

さらにコアな情報をゲット
ブログ公式LINE@

ブログでは言えない稼げる投資情報を複数持っています。ご興味のある方はLINEで♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

PN 今市 太郎

外資系コンサルティングファーム、外資系生命保険会社を経て独立ビジネスコンサルタントとしてビジネスプロセスコンサルティング、クラウドコンピューティングのリプレイスメントや海外のファンドのM&A投資コンサルティングなどに従事。 そのため、株の売買はインサイダーにならないようにFXだけに特化し2007年から本格的に売買をスタートし、9年の実績。 現在は月間5000PIPSから8000PIPS程度をコンスタントに獲得できるように日々精進している。