黒田バズーカ3の可能性は!?12月日銀政策決定会合から透けて見える思惑

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昨年12月18日の日銀政策決定会合における、まったく想定外の補完措置発表でドル円に日経平均株価も大きく下落したまま年越しを余儀なくされ、年明け以降の相場の変動でさらに大きな下落をお見舞いされる結果となり、イラついているトレーダーの方も多数いらっしゃることと思います。

ドル円はこの会合直後につけた123.500円が上限となってしまい、すでにこのレベルすらかなり遠い上限目標になりつつあります。

しかし、発表当初はなぜこんな意味不明な内容を発表したのかと思えた日銀の補完措置はよくよく見ていくと消費税完全実施のために黒田バズーカ3を日銀は想定していることが見えてきます。

今回はその構造についてまとめてみることにします。

1.黒田日銀の最大の目的は消費税率10%の完全実施

もともと日銀は財務省とは別の独立した組織ですが、黒田東彦なる人物は財務官僚から消費税上げのために日銀に送り込まれてきた特別な人物であると考えると、これまでの日銀の動きは非常によく理解することができます。

財務省はアベノミクスと称する現政権の荒唐無稽な経済活性化にのるかたちで消費税率を悲願の10%に引き上げることを画策し、その尖兵として日銀に乗りこみ、金融抑圧政策により財政規律を高めることもないままに量的金融緩和で株価を人為的に吊り上げ、為替を自ら切り下げて円安を示現させたのが黒田氏と見れば構図は非常に明解です。

2014年10月末の黒田バズーカ2も完全に消費税上げを目論んだ動きでしたから、まったくの無駄になってしまったというわけで、ここから先の黒田バズーカ3もあるとすれば、あきらかに消費税実施のために必要なときに実施したいと考えていることは間違いありません。

しかし、2014年10月末の金融緩和をめぐってはかなり安倍政権との対立も表面化したようで、今もその関係は決してうまくいっていないとの指摘もでてきています。

こうしたことも黒田バズーカ3の可否を判断するのにはかなり難しくなってきているといえます。

2.補完策は国債の買い入れ幅を広げるために実施

12月18日に発表された日銀による補完措置は、なんら目新しいものはないとして市場ではかなりぼろくそに叩かれてしまいましたが、国債に関しては今回のルール改訂で12年まで保有が延長されたため、従来のような短期国債だけではなく長期、超長期国債を購入することもできるようになったため、ECBのように買い付ける国債がないということはなくなったのが大きな特徴です。

また、銀行の担保の幅を国債以外のも広げたことから、銀行が保有国債をこれまで以上に手放しやすくするという画策もしっかり補完策に織り込むことに成功しています。

これにより、消費増税の完全実現とともに財務省、日銀が懸案にしている国債金利を低利に押さえ込むという方法も継続させることができるわけです。

つまり、財務省・日銀の思惑としてプライオリティが高いのは消費税上げ、金利の押さえ込みであり、株の上昇と為替の円安は副次的にでてきているメリットに過ぎず、最後は捨ててかかる可能性も高くなっているといえるのです。

3.株価大幅下落で現政権が消費税上げを止める可能性に日銀は注目中

本来消費税上げが2017年4月で完全決定するのであれば、日銀は金融緩和など行わないはずですが、株価が大幅下落すると現政権が消費税上げを再延期し、衆参同日選挙で国民に問うなどということをやりかねないために、この3月までで大きく株価下落が起きたり円高に動けば黒田バズーカ3が登場する可能性は否定できない状況といえます。

現在日経平均の一株利益は1215円であり、PERが最悪の13倍に落ち込んだ場合には1万5795円レベルに落ち込む可能性もでてきています。

このレベルが黒田バズーカ発射の位置になるのかどうかはよくわかりませんが、そのぐらいの下落ではありえそうな状況になってきています。

日銀は参議院選挙で現政権を支えるためにバズーカを実施するのかという揶揄中傷も巷では聞かれますが、黒田さんは消費税上げのためには仕方ないと考えている可能性も高いようです。

3.ドル円は20ヶ月移動平均を割り込む寸前まで下落

図1_ドル円20ヶ月移動平均線

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株価の下落もさることながら、為替の様子もすっかり年明け以降変化してきています。

年初、120.400円程度まであったドル円はあっさり117.300円まで下落しざっと300PIPSも下落してしまっています。

この記事を書いている時点では20ヶ月移動平均線が117円ぎりぎりのところに来ていますので、これを抜けてしまいますと、116円方向への下落トレンドがはじまり、アベノミクススターと以来の円高局面へと反転することが予想されます。

果たして黒田バズーカでこれをどこまで盛り返せるかですが、せいぜい長く影響がでても3ヶ月ですから123円程度までは盛り返してもそれ以上の上昇局面になるとは思えない状況です。

上場企業の為替想定レートは119.500円レベルが多いため、現状でも明らかにそれを下回り、企業業績にも影響を及ぼしかねない状況ではありますが、117円レベルで果たして日銀が金融緩和をするかといえば可能性はかなり少ないといわざるを得ません。

やはりあるとすれば110円や100円といった極端なレベルまで落ち込むことが前提となるのではないでしょうか?

4.金融緩和自体の効き目は明らかに低下中

しかし度重なる先進主要国のQEの発動で、毎回その賞味期限が短くなる傾向が顕著になってきており、それなりの効果はでてもせいぜい持って3ヶ月ということになります。

恐らくそのことは日銀自身もそれなりに理解しているはずですから、あまり早いタイミングに追加緩和をしてしまいますと消費税対策にならなくなる可能性もでてくるため、本来はできるだけ後ろのタイミングで実施したいと考えているはずです。

今年の日銀政策決定会合は1月28─29日、3月14─15日、4月27─28日、6月15─16日、7月28─29日、9月20─21日、10月31─11月1日、12月19─20日の8回開催すると発表していますので、1月になにもなければ3月の可能性が高まることになります。

また、消費税増税再延期などということが現政権で先に決まってしまうようですと、もはや日銀は簡単に追加緩和をしなくなる可能性が極めて高くなります。

逆に参院選が終われば同様に株価対策に翻弄しなくなることも考えられますから、どちらに転んでもそれほど息の長いものにはならないのが日銀の黒田バズーカ3ということになりそうです。

海外のファンド勢は3月にバズーカ3があると見る向きが多いようで、補完措置の内容はそれ以外のなにものでもないと分析しているようです。

したがって3月に投機筋の株の買い持ちが増えるようになればそうした思惑が強く働いていると言えそうです。

5.12月の教訓を考えれば政策決定会合前にポジションをもつのは危険

昨年12月の日銀政策決定会合の例を考えますと、迂闊にポジションをもったまま日銀の政策決定会合結果発表時間を迎えるのは上がるにしても下がるにしてもかなり危険です。

前回のように上がって激下げするという動きもでるからで、仕込むのであれば逆指値で上昇をセットしておくようなやり方が間違いないと思われます。

とにかく黒田バズーカ3の可能性が高まるとすれば想像以上に日経平均が崩れたときで、それが1万6000円なのか1万5000円なのかを見抜くのは難しい状況ですが、そのぐらいの大幅下落があったときには黒田バズーカ3の発動があるかもしれないことは想定してポジションをもつことが必要になりそうです。

まさかとは思いますが、1月29日からまず注意して対応していくことが望まれます。


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