株式トレーダーのための証券分析に必要な情報源まとめ

証券分析を行うに際には、情報収集が何より重要になる。
また、情報量は多ければ多いほどよく、また情報の質は高ければ高いほどよい。

では、どこに情報を求めるべきなのであろうか。全ての情報源を把握することは困難であるが、重要な情報源となりうるものを知っておくことが有益である。また、当サイトにおける私の文章はベンジャミン・グレアムの思想に依っているが、情報源となるとグレアムの記述に完全に依存することはできない。グレアムがそれぞれの情報源に求める意味に学ぶところは多いが、『証券分析』が書かれたのは80年以上も前であるし、アメリカにおける証券投資が軸になっているからである。そのため、現代に合わせて考えていくべき点も多いと思う。

ここでは、グレアムの時代から今に至るまで変わらない情報源と同時に、現代の日本における情報源にはどのような物があるかを考えていきたい。後者については、主に私が情報源としているものを紹介してみることとする。

企業が公表する情報

最初に考えられるものであり、尚且つ証券分析の中核をなす情報源は企業が公表している情報である。

以下に紹介する様々な情報は、インターネットで企業のホームページにアクセスすれば自由に閲覧することができる。この情報に関しては、それほど詳しく述べる必要はあまりないだろうから、簡単に述べるだけにする。

四半期報告

四半期報告書には、損益計算書やバランスシートなどの経理情報のこと、事業内容やリスク、契約、財政状態、経営成績、株式に関する情報などの情報が網羅されている。

年次報告

年次報告は、四半期報告よりも詳細にわたっているのが一般的である。過去の業績や将来の見通しなどに関する情報も多い。年単位での生産量や受注量なども重要な情報となる。

損益計算書

損益計算書は四半期報告や年次報告にも含まれている資料であるが、証券分析において非常に重要な情報となる。損益計算書には売上高、営業利益、純利益、支払利息、営業外収益、税金、支払配当額、剰余金などが記載されている。これによって企業の業績を知ることができ、株式購入の際のいいヒントが得られる。また、純利益や支払利息の関係を見れば社債を購入する際の安全性を知ることもできる。

バランスシート(貸借対照表)

バランスシートの重要性はこれまでの記事でも述べてきたことである。バランスシートは、その企業の財務状態を知るための重要な資料となる。この資料には流動資産、売掛金、棚卸資産、流動負債、短期借入金、固定資産、株主資本などが盛り込まれている。これらの資料によって、財務の健全性だけではなく、その企業が割安かどうかも知ることができる。
 

IR説明会資料

上記の様々な情報はもちろん見ておきたいが、より手軽に、分かりやすく書かれているのがIR説明会資料である。この資料はパワーポイント形式となっていることが多く、色付けや図・表などによるビジュアル化によって分かりやすく表示されている。多くの図や表が何ページにもわたって記載されていることは、私には合わない。私は、図や表で示されるよりも、数字をそのまま見せられた方がピンとくることが多いからだ。そのため、10年分の様々な情報を1枚の紙にまとめたものを利用している。もちろん、図や表の方が分かり良いことも多いと思うので、自分の好みに応じてこの資料を利用すると良いと思う。

情報が公開されている刊行物

会社四季報

これは、言わずと知れた重要な資料である。
会社四季報を利用しなければ証券分析は非常に困難になる。グレアアムはスタンダード・アンド・プアーズの『ストックガイド』を愛用していたが、これの日本版が四季報にあたると考えてよいだろう。
年に4回刊行され、2500円くらいであるからコストパフォーマンスも良い。通常版は文字が小さく、目が疲れる。割安株にあたりを付けていくときには、長時間四季報とにらめっこをすることになるため、ワイド版が良い。500円ほど高いが、文字が大きいため目に優しく、見落としも少なくなる。書き込みのための余白も十分である。

以前も書いたことであるが、四季報を利用することで、投資適格になりそうなものと、ならないものを選別することができる。時価総額と総資産を見比べ、時価総額の方が高いものと、時価総額が大幅に下回っていないものを除外していけばいいからだ。また、PER・PBRや過去数年分の業績も掲載されており、これも投資適格の判断に役立つ。

統計関連資料

統計データも非常に参考になるものである。各企業がIR情報の中で業界に関する統計データを公開していることがあるが、それ以上に政府が刊行した統計データは信用性が高い。インターネットでも探すことができるだろうが、まとまりが悪かったり、見にくかったりすることが多いため、あまりお勧めできない。

統計データを見るためには、刊行物として提供される統計資料がいいだろう。例えば、総務省統計局が刊行する『日本統計年鑑』がそれにあたる。経済全般の動きを知ることができる統計のほか、業界別の統計も網羅されている。しかし、いかんせん『日本統計年鑑』は高いし(約15000円)、情報量が膨大であるため取りつきにくさもある。そのように感じる場合には、これまた総務省統計局が刊行する『日本の統計』がおすすめである。これは2000円くらいであるし、その年を中心として統計データが簡潔にまとめられている。

投資を行う際、統計データを無視するか、検討の材料とするかでは大きな差が生まれるだろう。例えば、四季報を利用して割安株に当たりをつけ、企業情報を詳細に調べた結果、割安であると判断したとしても、それが斜陽産業ゆえに割安であったならば、投資すべきではないと判断できる。統計データを見れば、その産業が全体的に落ち目であることや、その企業が生産する物がすでに時代遅れになりつつありことを知ることができる。割安株の中には、そういった理由で市場から見放され、割安になっているものもあるのだ。

逆に、自分が見つけた割安株の属する産業や生産品に関する統計を見たとき、順調に推移していることを確認できれば、一層自信を持って投資することができるだろう。

このほか、政府が刊行する全体的な統計資料ではなくとも、特定の業界のみを対象とした統計資料もある。例えば、石油通信社の『石油資料』などがこれに当たる。自分が特に興味を抱いている業界があり、より多くの情報を得たいと思っているならば、このような資料を参考にするのも有益だろう(もっとも、政府が特定の業界に関する統計資料を刊行することもある。経済産業省大臣官房調査統計グループの『石油等消費動態統計年報』、通商産業大臣官房調査統計部の『エネルギー生産・需要統計年報』など)。

証券分析を行うのに良い雑誌

投資関連雑誌や経済関連雑誌、またはそれ以外でも自分が興味を持って投資している業界に関する雑誌を読むことは、情報収集のために大変有益である。雑誌を多いに活用して大成功を収めた投資家の代表はジム・ロジャーズであろう。

彼はアナリストの情報に一切頼らず、とにかく自分で資料を読み込み、自分で考えることを大切にした。彼は最低5か国の日刊紙のほか、40種類の一般誌と80種類の業界誌に必ず目を通していた。雑誌類にはつまらない情報も多いが、時にはキラリと光る情報を得られることもある。それを求めて、とにかくたくさんの雑誌を読んだのである。

おそらく、多くの投資家はジム・ロジャーズほど雑誌を読むことはできないだろう。それほどの勤勉さを持っている人はほとんどいないだろうからだ。しかし、良い雑誌を選んで月に10冊でも20冊でも読んだほうがいいことは間違いない。

基本的と言える雑誌が週刊誌の『東洋経済』『ダイヤモンド』『日経ビジネス』であろう。中には『エコノミスト』を読む人もいると思う。『東洋経済』と『ダイヤモンド』はコンビニでも取り扱っているので入手しやすく重宝する。これらの週刊誌を読めば、最近話題となっている様々な情報を得ることができる。もちろん、複数の週刊誌を読んでいれば、重複する情報もたくさん出てくる。しかし、すべてが被っていることはあり得ないし、重複しない部分から情報を得られればそれでよい。

このほか、手前みそになってしまうが、私は『投資手帖』『投資経済』『実業界』『財界』『経済界』などを読んでいる。『投資手帖』や『投資経済』は、どのような株式に注目が集まっているかを知ったり、株式市場の大まかな動きを知るのにちょうどよい。また、『実業界』『財界』『経済界』は大きな動きがあった企業や注目に値する企業に目を向けるのに役立つ。

世の中には色々な企業にそれなりに動きがあるものだが、週刊誌では非常に大きな動きばかりが取り上げられ、それ以外の動きは少ししか取り上げない傾向がある。例えば、最近ではセブンイレブンの人事のこと、シャープの買収のこと、総合商社の大赤字のことなどがよく取り上げられている。しかし、注目すべき企業は他にもたくさんある。それを知るためには、月刊の経済誌が役に立つ。

なお、『財界』『経済界』に比べて、『実業界』はそれほど役に立たないと感じている。全体的に内容が浅く、興味深いと感じる記事が少ないのだ。誤字脱字も多く、ネット記事でもあるまいしどんな神経でやっているのかと思うこともある。しかし、それだけにサラリと読めるし、一応読んでいるという感覚である。

ちなみに、一般誌はほとんど読んでいない。なぜ読んでいないかと言えば、単純に何を読めばよいかよくわからないからだ。たまに気になることを取り上げているものを買って読む程度である。広く読んだ方がよいに違いはないのだが、今はまだその余裕はない。

証券分析を行うのに良くない雑誌

私ごときが良くないと断罪するのも気が引けるが、刊行数が多い投資雑誌の中には、ほとんど価値がない雑誌もある。『ダイヤモンド・ザイ』と『日経マネー』がその筆頭であろう。『日経マネー』はいくらかマシに感じるが、五十歩百歩である。

なにが良くないのかというと、まずテーマが良くない。少し投資に興味を持ったくらいの人から大人気のようだが、そのような人たちが飛びつきそうな話題をテーマとしている。
「スゴ腕の投資家大集合」としてどこの馬の骨かわからないAさんやBさんにインタビューをしたり、「割安株を大公開」としてPERが100倍以上の企業もそこに含んでみたりと、まさにやりたい放題なのである。ほかにも、投資哲学など微塵も持たないアイドルを集めて投資をやらせてみたり、ちょっと株をかじって失敗したお笑い芸人にインタビューをしたりと、もはやなんでもありの状態である。アイドルやお笑い芸人を批判するわけではないが、間違いなく場違いであると思う。

おそらくは、表紙に映えるテーマ(しかし中身は充実しておらず、時にでたらめとさえ思える)をバーンと出すことで、株式投資に対して安易な妄想を抱く投資家をターゲットにしたり、アイドルなどを利用してアイドルファンを囲い込もうとしているのであろう。

このような雑誌にはほとんど意味はもたない。強いて言えば、刊行数が多いだけに影響力もそれなりにあるため、その雑誌に掲載されている投資理論や狙い目とされている企業を把握する意味では、多少の価値があると言えるかもしれない。しかし、なんにせよファッション的な感覚が強すぎて受け付けない。投資はもっと厳しいものである。秋霜烈日の世界である。ファッション投資家がファッション的な投資雑誌を読んで生き残れる世界ではないのだ。

その点、『投資手帖』や『投資経済』は良い。アイドルも芸人も登場せず、株式に関する情報を淡々と提供してくれる。一度、『ダイヤモンド・ザイ』や『日経マネー』と『投資手帖』や『投資経済』を見比べてみてほしい。表紙を見比べると、前者は華やかであり、後者は華やかではない。中身をパラパラとめくってみると、前者はワイワイガヤガヤとうるさいが、後者は関係のないことはほとんどやっていない。

投資雑誌に求められるのは質実剛健さであると思っている。これは、ベンジャミン・グレアムの世界が質実剛健であり、私がそこにどっぷりと浸かっているから、そう思うのかもしれないが。

まとめ

投資の参考になる情報には、色々なものがある。インターネットにもたくさんの情報があるし、書店に行けばたくさんの本がある。投資スタイルよって、「これはよさそうだ」と感じられる資料は異なると思う。一旦深く学ぶと、本屋などで資料になりそうな書籍や雑誌を立ち読みした時、感覚的に「これはよさそうだ」と分かるものなのだ。

もし、本稿で挙げた資料が参考になれば幸いである。しかし、何よりも自分で投資を深く学び、自分に合う資料を揃えていくのがベストである。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人株式投資家、兼フリーライター ゴーストライターとして株式投資の短期売買の書籍を執筆したことから株式投資に興味を持ち、独学で勉強を始める。ベンジャミン・グレアムの投資理論に傾倒するようになり、グレアムの理論を習得すべく『賢明なる投資家』を全文手書きで筆写した。その後株式投資を再開、成績は良好。真のグレアム学派になるべく、日々研鑽を積み重ねている。