相次ぐヘッジファンドの閉鎖、銀行の大幅減益・リストラは為替相場に何をもたらすのか?

すでに欧米系メディアが大々的に報道しはじめていますが、ヘッジファンド業界はこの7~9月期に米国の利上げ観測をめぐる不透明感に加え、中国経済関連での相場の乱高下の直撃を受けて多額の損失を出すこととなり、その額の縮小は2008年のリーマンショック以来最大の額に達していることがわかってきています。

ヘッジファンドリサーチによれば、資産運用額はこの第3四半期だけで950億ドル、役11兆4000億円ほど減少し2兆8700億ドルへと投資額を縮減させることになっています。これはリーマンショック直後の3144億ドル減に次ぐほどの減少規模となっています。

1.フォートレス・インベストメントは閉鎖へ

20151030_02

そんな中にあって、米大手ヘッジファンドのフォートレス・インベストメントが 13 日、23 億ドル規模のフォートレス・マクロファンドの閉鎖を発表し市場に波紋を投げかけています。
同ファンドの運用成績はこの2年間、マイナスが続いてきています。

フォートレスは向こう数日以内に閉鎖計画を投資家に伝える見込みとのことで、このファンドを運用してきたマイケル・ノボグラーツ氏もフォートレスを去る見通しと伝えられています。

2002年に創設された「フォートレス・マクロ」は、グローバルなマクロ経済的シフトに賭けるもので、株式、債券、商品(コモディティ)、通貨の各市場に投資していますが、今年初めから9月までに17.5%下落しており、業界のマクロ系ヘッジファンドの平均運用益0.6%に比べると一人負けの状況となっていることがわかります。

2.ベイン・キャピタルも22億ドルのマクロファンド清算

ベイン・キャピタルも、22億ドル規模のヘッジファンドを清算すると発表しています。
同社は投資家への書簡で、グローバルマクロのトレーディング環境が引き続き厳しいと説明しており、確実な回復時期を見通せない事実と合わせて考慮し、資金を返還するのが適切な時期だと判断したと続けた。

ベインキャピタルのアブソルート・リターン・キャピタル(ARC)のリターンは過去3年、年率マイナス8%。今年8月の投資家向け説明によれば、運用資産は約22億ドルだった。
国内では雪国まいたけへ出資をしたりして、それなりの知名度をもつ同社ですが、ヘッジファンド投資ではまったくうまくいっていなかったことが示現しています。

3.今年のヘッジファンド閉鎖額は160億ドル超

20151030_03

ブルームバーグのレポートによりますと、すでに今年は主要なヘッジファンドだけでも14社が閉鎖に追い込まれており、その資産は160億ドルにものぼるものになっているとのことで、金融市場から大幅にこうした投資資金が撤退していることが明確になってきています。

巷ではアルゴリズムが暗躍したり、高速売買で個人投資家では到底対応できないような売買を繰り返してきたヘッジファンドが多かったわけですが、蓋を開いてみればほとんどのところが儲かっておらず、金融相場が続いているにもかかわらず投資ファンドがまともに儲けられないというかなりパラドキシカルな状況に陥っていることがはっきりとしてきているのです。

4.欧米系銀行も大幅減益や大量リストラで様子がおかしい

欧州ではドイツ銀行やHSBCなどが夏前から大幅なリストラを繰り広げて、その変調ぶりが明確に市場に示現してきましたが、決算発表の進む米国ではモルガンスタンレーが第3四半期で42%の減益を発表しています。
また、ゴールドマンサックスも大幅減益となっており、世界経済の減速懸念を背景とする国際金融市場の混乱を背景に、債券トレーディング関連の収入が3割超減少したことが響いたとしています。

米国の大手銀行は、軒並みトレーディング収入の不振が目立ち、ウェルズ・ファーゴを除きすべてが減収となっており、資産の処分をおこなったシティだけが黒字をキープするという惨状になっています。
これにともない、大幅なリストラも進んでいるようで、失業率が下がり、雇用の需要が安定化して好景気になっているはずの米国では、足元で金融機関のほぼすべてが変調をきたしていることがかなり明確になってきているのです。

5.中央銀行がしかける金融抑圧バブルは金融機関の正常な投資を阻害か?

そもそも、日本の日銀に見られるように債券を購入し株式もETF買いで市場をコントロールすることで自律的な相場の上下を抑制するような金融抑圧バブルの生成は、これまでのような投機筋や銀行の投資スタイルを大きく阻害しているようで、そもそも儲けが出にくくなっていると指摘する声も多いのが現実です。

また、1月15日のスイス中央銀行による突然の介入ギブアップ宣言によるスイスフランの暴騰は、FX業者の破綻のみならず投資ファンドや銀行の投資業務にも大きな影響を与えることとなり、その損害は予想以上のものとなっていたことが示現しはじめています。

さらに、3月末から4月にかけてのドイツをはじめとする債券の暴落は、債券市場で利益を上げてきた金融機関にとっては莫大な含み損をかかえるきっかけとなっており、その後健全だった相場からの資金引き上げなどを余儀なくされたことも記憶に新しい状況です。
8月の中国経済の悪化報道に伴う暴落も、ヘッジファンドには大きな損失をもたらしているようで、こうしてみてきますと年間を通じて儲からない相場状況が継続してきていることがわかります。

6.ボルカールールの完全適用もじわりと影響

今年7月20日、日本が休日だった最中に、中国の投資筋が金を大売却し相場が大きく下落したことも記憶に新しいところですが、実は7月21日から米国ではボルカールールが完全適用となり、金融機関の自己売買や傘下の投資ファンドの運営などが大幅に制限されることになったこともこの金の売却には影響を与えたことは間違いないようで、金融市場では米社債やデリバティブ取引について市場の流動性がすでに低下しはじめちるとの声も聞かれ始めています。

金融機関の自己売買が減り、傘下のヘッジファンド取引が減少するというのは、あらゆる市場での取引流動性が低下することを意味し、それぞれの金融マーケットがシュリンクすることを示唆しています。
また、必要以上にボラティリティの大きな相場が形成される危険性が高まっており、市場関係者を心配させているのが、今の債券バブルが崩壊し暴落を開始したときの受け皿が不在となる状況です。
この状況は、ヘッジファンドの相次ぐ閉鎖で確実に現実のものになろうとしていることが窺われます。

7.金融市場から流動性が失われることは結局だれにも利益をもたらさない相場になる

世界の金融市場では、毎日ほぼ600兆円の為替の売買があると言われています。
もちろん、買ってその場で売れば取引額は実売買の2倍ですから、600兆円はかなり資金の重複的なカウントであることは間違いありませんが、こうした取引の6割近くは投機筋をはじめとする流動性のある資金であり、これがよくも悪くも主要通貨を中心とした為替市場に流動性をもたらしていることは間違いありません。
しかし、ヘッジファンドが大きく後退し、オイルマネーも金融市場から撤退した後に、投資家が儲けられる相場が一体残れるのかどうかが、一連のヘッジファンド撤退と銀行のトレーディング収入不振報道を見ていると、かなり心配になる状況がやってきているといえます。

金融市場の視点から見ると、米国経済も決して好景気とはいえず、特に実態経済よりも金融相場が経済をささえている感があるにもかかわらず、それにかかわるあらゆるプレーヤーが総じて損失を被っているというところは非常に注目すべきものであるといえそうです。

また、こうした変調をきたした市場が何を示唆しているのかも気になるところです。

\ついに完成/
FX三種の神器

「なぜこれが無料?」という声多数。
一撃100pipsは当たり前、初心者が迷わない唯一のツール&トレードマニュアル(PDF 32P)

さらにコアな情報をゲット
ブログ公式LINE@

ブログでは言えない稼げる投資情報を複数持っています。ご興味のある方はLINEで♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

PN 今市 太郎

外資系コンサルティングファーム、外資系生命保険会社を経て独立ビジネスコンサルタントとしてビジネスプロセスコンサルティング、クラウドコンピューティングのリプレイスメントや海外のファンドのM&A投資コンサルティングなどに従事。 そのため、株の売買はインサイダーにならないようにFXだけに特化し2007年から本格的に売買をスタートし、9年の実績。 現在は月間5000PIPSから8000PIPS程度をコンスタントに獲得できるように日々精進している。