ギリシャ問題のまとめ-結局、また市場を混乱させるギリシャ

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これまで様々なことをギリシャ問題に関して書いてきましたが、内容が混乱してしまうのでまとめて書きたいと思います。

一応、ギリシャが緊縮財政を受け入れることを前提にトロイカ、EU、ECB、IMFとギリシャ政府は合意をみましたが、中身は何も変わっていません。
今までの援助と一緒で、またギリシャは同じことを繰り返すことになると思います。

前回、私はギリシャが忘れたころにつぶれるよ、と言いましたが結局はその通りになると思います。

ギリシャ問題の解決策

何度もギリシャ問題の解決策は書いてきましたが、2つしかありません。

1.旧通貨ドラクマの復活

単一通貨ユーロを離脱して旧通貨ドラクマを採用し、自国通貨安にしてインフレにすることによって債務を圧縮し、海外からは直接投資を呼び込む。

これは日本のアベノミクスのやり方と一緒のやり方になります。
現代経済学では自国通安から債務危機を乗り越える方法としては一番ポピュラーなやり方になります。

2.巨額の資金援助

自転車操業をやるような金額しか援助しないのではなく、もっと大きな金額を貸しつける。
今回の合意は再びギリシャに自転車操業の資金繰りをまた、やってくださいと要請しているようなもので根本的には何の解決策にもなっていません。

現代の経済学の知識ではこの二通りしか解決策はありません。
私より頭脳明晰なトロイカの方々がこんなことがわからないとは思いません。
ですから、やむにやむを得ない表面化出来ない事情がこの問題を悪化させているのだと思います。

ギリシャ問題の弊害は民主主義

20世紀最大の発明は政治においては、民主主義だと思います。
実際に国家間の戦争とはなくなり、今度はテロとの戦いになってきました。

アメリカの導入した民族自決主義や民主主義は世界を飛躍的に発展させ、人間が本来は争いを好まないということを証明したのが民主主義や民族自決主義になると思います。
19世紀に産業革命が起こったことも、世界の人を豊かにしましたが、民主主義を導入することによってより世界が平和で安定的になり、より一層豊かになったのは揺るぎない事実です。

一方で未だに独裁国家の中国や北朝鮮のやっていることは私たちからみれば理解不能です。
サウジアラビアは王政になりますが、やはりサウジアラビアは皇太子が若いころにアメリカに留学をしてどういう風にすれば国家を安定するかを学んでいるのであまり無茶な政策は取りません。
サウジを除けばほぼ、独裁国家というのはあまり人民が豊かになっているとは言えませんし、また、人民の支持を集めるために好戦的な国家になっているような気がします。

そういった意味では、主権在民の統治国家というのは独裁国家と比べれば本当に平和で豊かになっていると思いますし、政治においては最大の発明品になると思います。

しかし、これだけ民主主義が普及してくるとそれを悪用する輩がたくさんいるのも人間の性になります。

それは、日本人にも耳の痛い話になりますが、日本が選んだ政権交代の民主党、この結果責任というのは日本人、誰一人として責任をもっていません。
そういえば、そんなことがあったよな、という程度の認識の人がほとんどではないでしょうか?
税金を安くして、高速道路も無料にして、と訴え、政権与党になったら「予算がないからできません」って、あなたがた政治や予算のプロではないのですか?と言いたくなりますよね。

相場にはこういった現象には、格言があります。

「大衆は必ず間違える」

すなわち、大衆のポジションと逆のポジションをたいてい取っていれば経験上儲かります。
逆に、今のように円安に行くと信じて大衆が勝つ相場は大相場になります。
ですから、最初は円高に張って、大衆が大勝ちするのを確認してからド転買いに回っても十分におつりがくるくらいに儲かります。

国民、自分自身が自分たちの方針を自分で決めるのは素晴らしいことなのですが、間違えることも多々あるということになります。
ただ、正しいことを選択した場合のパワーというのは相場と同じですさまじいパワーとなるのです。

民主主義の基本原則というのは、多数決で賛成票が多い意見が通ります。
それを典型的に悪用をしているのがギリシャになります。

7/5に国民投票にすると表明したギリシャの首相にはびっくりしました。
それは、自分は緊縮財政をしないと表明をして首相になったのですから簡単に緊縮財政をトロイカの言うように受け入れることはできません。

ですからもう一度国民に真意を問う、というのは立派な大義名分です。
しかし、借りているお金を返せなくて、緊縮がいやだ!なんていうのは単なるわがままです。
誰がみてもそう思うと思います。

しかし、世界が民主主義の決定を重視するという、ルールがありますのでトロイカといえどもそれに従うしかありませんよね。

かくて、ギリシャは民主主義を悪用して極端な緊縮はせずにお金を借りるという暴挙に出ているのです。
ギリシャに利害関係のない、読者のみなさんや私からみれば、いい加減にしなさいよ、と思うのが当たり前ですよね。

一方で、支援するトロイカも、特にEUの各国で選ばれた元首も同じようなことをやっています。
特に、ドイツですよね。

ドイツの背景というのは、特に東西冷戦終了後に東ドイツを併合して新生ドイツが誕生したことになります。
もちろん、東側の国を吸収合併したのですから財政的にも、国家的には低迷期を迎えました。
その間にECが誕生し、EUになっていきます。
単一通貨を採用するので借金はGDPの30パーセントまでという縛りをかけられてもなんとしてもEUに加盟するため、財政規律を守り、財政や国家を立て直しを図りました。
そのときの苦労をみれば、今のギリシャは野放図にお金を使い、借金を重ねるギリシャは許せない気持ちになってもおかしくはありません。

そういう背景がある国に、簡単にメルケルさんやジョイブレさんがでは、貸しましょうと言って簡単には貸せないのは当たり前です。
気前良く貸せば、今度の選挙は落選の憂き目あいます。
ですから、こういった会合ではいつもドイツがギリギリまで解決をしないようなフリをするのです。
実際に目を真っ赤にはらした顔をみれば、フリとは思いませんが。

来年も国会議員をやりたいというエゴなのでしょうか、それとも日本のように仲間を守るためにギリシャには苦渋の決断でおカネを貸すという決断をしたのでしょうか。
何れにしても、あまり褒められた態度ではないとしか言いようがないと思います。

ここにきてだんだんとわかってきたドイツの苦しさ

みなさんはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という保険はご存じでしょうか。
このCDSはリーマンショックのころ盛んにマスコミで使われた保険になります。

たしか、日本では日本航空が民事再生送りになったり、オリンパスの粉飾決算が発覚したときに盛んに喧伝されました。
このCDSは実際に日本航空が倒産したときに、日本航空の社債や株券を保証するという保険です。
たとえば、日本航空が民事再生になった場合、株式やその債券は紙きれになります。
実際、日本航空は100パーセント減資になりました。
最近ではシャープが減資になりましたね。

その取得価格で保障をするのか、ないしは自分で提示した金額で保障をするのかはその契約内容や契約締結時に決まるのですが、倒産や国家の場合はデフォルトした場合に施行されます。

ギリシャの場合は、IMFやそのほかのトロイカがデフォルトを宣言した時点でそのCDSの契約は施行されます。

ですから、6月にIMFのラガルドさんがギリシャの返済が1秒でも遅れたらすぐにデフォルトを宣言するといったのに、未だに返済もされていないのですが、デフォルトと認定しません。
この背景には欧州の銀行、特に、ドイツやフランスの銀行が大量のギリシャのCDSを抱えているのです。

そのCDSを実行すると、まことしやかに、欧州の大手銀行が倒産すると言われています。

参考までに、アメリカの銀行はギリシャのCDS保有高を公表していますので掲載をしておきます。

JPモルガン 4兆2470億ドル
CITI 2兆4860億ドル
バンカメ 2兆1850億ドル
GS 2258億ドル

ドルで表示すればわかりにくいので、日本円を1ドル100円と考えればその巨額さはわかりますよね。
JPで1ドル100円とすれば、日本円で400兆円
日本の国家予算が75兆円ですから・・・。
GDPは500兆円。

つまりアメリカの銀行でさえこれだけギリシャがデフォルトすれば引当金を積まなければいけないのです。
しかし、アメリカの銀行はその当時者の銀行がその巨額のお金を支払に関して心配をしていないので換金売りなどがアメリカ市場では出ないのです。

アメリカ市場でもこれだけのCDSを抱えているのですからドイツやフランスの銀行が倒産しても全然おかしくないですし、現実に最近、ドイツ銀行が格下げをされています。

メルケルさんやジョイブレさんが必要以上にゴネているのはこのためかな、と思ったりもします。

結論

どちらにしろ、こんなことをやっているギリシャに未来はないです。
また、未だに引当金を積めない、南欧債務危機から4年を経ている欧州経済は根本的には信用ができない、と改めて思います。

つまり、ギリシャの債務問題というのはトロイカにも問題あり、ギリシャにはもっと問題ありということになります。

EU,IMF,ECBなどは、結局、自国の銀行に問題があるということがギリシャをデフォルトさせることができなく、結局支援をするほかがないという選択になります。

つまり、欧州の銀行はギリシャのほかにも多大な債務を抱えており、私の耳にもこの銀行とこの銀行がデフォルトするのではないか、という声を最近よく聞きます。
その中にはみなさんには馴染みはない銀行もありますが、欧州最大の銀行といっても過言ではないドでかい銀行も含まれています。
その銀行が民事再生や倒産をすれば再び、ユーロ危機になるであろうと思います。
ドイツ銀行のことは最近、個人的に知りました。

民主主義の弊害もありますが、結局、この債務を減らさない限りユーロに明るい未来はない、ということになります。

一方でギリシャは、緊縮財政はイヤだ、ユーロから離脱するのはイヤだ、という子供じみた主張をしています。
結局、お金を借りたのはギリシャなのですからそれは返済しなければいけないのは子供でもわかる理屈です。

それを、民主主義があることをいいことに悪用して逆にトロイカを恫喝しているとしか思えません。
こういうことをやっている国に明るい未来があるとはとてもではないですが、思えません。
そもそも、このギリシャ危機というのはギリシャ政府のウソが発端なのですから。

その解決方法はいったん、単一通貨ユーロを離脱して極度のインフレと通貨安にするしかありません。
今のトロイカに巨額の資金を貸し出す余力はないと思います。

しかし、民主主義、つまり国民の主張はユーロを離脱したくない、というのが現代社会の最大の結論になります。
日本のように、民主党という間違いの選択をして、その間違いの反省を踏まえて自民党政権を選ぶという国民の民意に期待するほかありません。
ギリシャは一時的にユーロを離脱するという選択をするほかありません。

あとは私が再三再四主張しているように、忘れたころにギリシャの債権やCDSを大量に抱える銀行が引当金を積むことができれば、忘れたころにギリシャはデフォルトするでしょう。
これは時間が解決する方法になります。

お金を借りているほうが、貸しているほうを恫喝同然の状態では解決するものも解決もしないでしょう。


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