ギリシャ問題をどこよりもわかりやすく解説

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公式ライターの角野(PN)です。
ギリシャの債務危機問題が市場を席巻しています。
週末、6/28(2015年)にはEUが流動性危機に対して支援をしないということを決定したことを受け、6/30(2015年)の東京市場は下振れの展開を示しました。

今回のEU支援の停止について

今回のEUの支援の停止というのはどういうことなのか、という解説が各報道を拝見していて思うのですが、詳細にきちんと解説をしているものは無いに等しいと思います。
そこで、簡単に私のほうでどういうことなのか、ということを解説をしていきたいと思います。

まず、今回の流動性支援の停止というのはどういう意味なのかを解説していきます。

ギリシャが破たん、デフォルトをするかもしれないというのはギリシャ国民もよく承知していることと思います。
そこで、あなたがギリシャ国民であればどうするか、ということを考えてみて下さい。

ギリシャという国がつぶれるかもしれない、という報道を受けたらあなたはどうしますか?
国がつぶれるということは、自分たちの生活を支えるお金もなくなるということになります。

昔のお金というのは、兌換紙幣といいまして、ニクソンショックの前まではゴールドがそのお金の裏打ちをしていたのです。
すなわち、ギリシャがつぶれてその国の通貨が紙きれになっても、ゴールドに変えることができたのです。
つまり、お金はどこまで行ってもお金であってそれ以外の何物でもなかったのです。

しかし、ニクソンショック以降は、お金というのはその発行主体、今回の場合はギリシャになりますがギリシャ政府の信用によって流通をしていたものになります。
そのギリシャ政府が破産、ないしはデフォルトすればそのギリシャ政府の発行する通貨は無価値、ないしは紙きれに等しい価値になってしまうことはご理解できると思います。

つまり、みなさんが一生懸命、働いてためたお金はギリシャ政府がつぶれたためにその価値は無価値になってしまうのでギリシャの国民はみな、預金を引きだそうとしたのです。

そういった行為を防ぐために、EUはギリシャ政府に対して預金者が口座からお金を引き出す際には税金を課税することを提案したり、資産に対して課税をすることを提案したのですがことごとくギリシャ政府はその要求をしたのです。

この交渉経過をみても、実際につぶれそうな銀行、政府のお金をもっている国民は不安にかられるのは想像に難くはないはずです。

ですから、国民は一斉に自分の預金口座から現金を引き出しにかかり、それをユーロ圏やスイス圏に送金をするのです。
そうなると、ギリシャの市中の銀行に現金が不足をして取り付け騒ぎが起こります。
その取り付け騒ぎを防ぐために、EUはギリシャの市中の銀行が取り付け騒ぎを起こさないように支援をしたのです。

これが、今回、ギリシャの市中銀行に対する支援の打ち切りの内容になります。
つまり、EUは土壇場までギリシャが破たんをしないように支援をし続けたのです。

銀行業の本来の意味は?

銀行というのは世界のどの国にもあり、経済の中心になる業態になります。

どの国も銀行はあるのですが、その基本的な業務は同じになります。
簡単なことは、みなさんから預金を募り、それを企業に貸すという行為を行っている形態の業種はすべて銀行といいます。

つまり、銀行はみなさんの預金を資金にして、資金が必要な個人や会社に貸出を行っているのです。
その貸すときに貸出金利をつけて、また、預金をしてくれた人には預金金利を支払っているのです。
銀行はその貸出金利と預金金利の差の利ザヤで商売を行っている業態になります。
参考までに、日本の銀行は長らくゼロ金利と公的資金の返済によって長らく不況業種の一つになりますが、最近の国際的な長期金利の上昇によって貸出金利が上昇することによってリスク許容度が上がっていますので、業績は上がってくると思います。

話を元に戻すと、ギリシャの銀行は預金者がお金を集めて企業や国家にお金を貸していることによって利ザヤを稼いでいるのです。
しかし、昨今の状況は預金の流出が拡大し、また大口の貸出先の国家は返済不能になる可能性が高いのです。
ですから、銀行には手元資金がなくなり取り付け騒ぎが起こる可能性があったので、EUは流動性支援策によって銀行の取り付け騒ぎによって暴動等が起こらないように支援をしていたのです。

ギリシャから流出した預金はどこに行く?

ここら辺の報道が、私からみるときちんと解説がなされていませんので私の中では少し不満になってくるのです。

まず、ギリシャの国民が自分のお金が紙クズになる可能性があると聞いて、何をするかといえば簡単な話ですよね。

まず、自分の預金をしてある預貯金を崩します。
ただし、それだけでは意味がありません。
なぜなら、そのお金を持っていてもそのお金が無くなってしまう可能性があるのですから。
その選択肢は2つあります。

ひとつは、他の国の通貨に変えます。
また、ギリシャ国内で流通している裏にギリシャ政府発行のユーロをもっていても意味がないため、他の政府が発行したユーロにします。

この場合、遠く離れた日本円やアメリカのドルに変える可能性は少ないです。
もし、自分がその立場であったら馴染みが深い国で、ある程度知っている国の通貨に変えますよね。

ですので、ドイツとかフランス、スイス等の通貨に変えてしまうのです。
ただ、単一通貨ユーロになりますので、もちろんギリシャ政府の発行したユーロをもっていてもフランスやドイツに行っても使えます。
しかし、本当にギリシャがデフォルトになってしまうとギリシャ政府発行のユーロは紙きれになる可能性も少なくはないので、他政府発行のユーロに変えます。

そして、もうひとつの場合はゴールドのような世界的に普遍的価値をもっている、商品を買うという方法もあります。
ただし、前述したようにゴールドなどは世界中に現在の通貨発行量に見合う量のゴールドはこの世の中に存在をしませんので、選択肢は限られてしまいます。
ギリシャ政府が破産、デフォルトしてしまった場合、その財産権を保障するのはその国の政府になりますので、当然ながらギリシャの不動産は選択肢になりません。
ギリシャが破産した場合、その破産管財人が国民の持っている不動産を担保として差し押さえてしまう可能性がありますので、海外の不動産となってしまいます。
そのほか、車等もありますが、車は耐久性の消費財となり長く保有すればするほどその価値は減りますので買う意味はあまりないと思います。

ですから、世界的な普遍的価値をもつゴールドがそれに見合う量がないので他国の通貨を一生懸命買うしかないのです。

しかし、考えてみてください。
たとえばドイツの銀行が、ギリシャ国民のお金を預金として預かった場合、そのお金をまた貸し出すのが銀行業本来の姿になります。
その融資先はおそらく、それだけの巨額のお金になるとまたギリシャになってしまうのです。

民主主義の弊害

ですから、EUの流動性支援の打ち切りというのは、ギリシャはもう立ちゆかなくなるよ、という意味にもなるのです。
反対にギリシャの銀行は預金が流出して、政府という大口の債権者はお金を返さない可能性は非常に高いのです。
つまり、何れギリシャの市中銀行は全部つぶれてしまう可能性が高いのです。

一方で、ギリシャを支援するEUというのは、ギリシャの預金者をみな預かり、それをまた貸し出すのですから返済する見込みがあればいくらでも貸しますよ、という姿勢になるのに他なりません。

これを貸し出して、債務が返せませんよということになったら現政権はもちません。
なぜなら、そのお金は税金を充当してそれを返済させるのですから。
ギリシャのような国に貸した現政権はけしからん、と言って次の選挙では必ず落選することになります。

ギリシャ政府も似たようなものでして、EUの緊縮策を受け入れると自分たちが次の選挙で落とされます。
また、銀行の国民預金に対して資本課税や資本規制を導入しても選挙に落とされます。
ですから、国民に対していい顔をしなければいけません。
誰がどう見ても、資本規制や資産課税、増税は現状のギリシャ国民は受け入れなくてはいけませんが、それを選挙で拒否したのはギリシャ国民なのです。

日本も増税反対の民主党が政権についたのはつい最近のことになりますが、そのアホさ加減に国民も呆れ、また民主党政権もそんなバラ色のことを言っても現実性が全くないということですぐに政策転換をしました。
日本人はギリシャのことなどは笑えませんよね。
参考までにドイツ人は日本のことは好きではありません。
理由は簡単です、国の借金がGDPの200パーセントなんて狂気の沙汰としか思っていません。
無駄使いの怠惰な国民性とみられています。
無駄使いをしているのは政治家と公務員なのですけどね、我々からみるとね。
その辺の見方は日本人もギリシャ国民と一緒です。。

つまり、EUは何を待っているのかといえば、日本のように増税を受け入れるしかない、という判断をするしかないのですが、何年たっても民主主義が国家の破綻を先行させているのです。
ですから、民主主義や民族自決主義というのは20世紀の最大の発明品になりますが、それによって人間の英知を後退させているというなんとも皮肉な話になっているのです。

ギリシャをデフォルトさせられないEU

民主主義は、EUの各国をも苦悩させています。
どちらにしろ、いつかはギリシャの債務状況を考えれば、ギリシャがデフォルトするのは時間の問題です。
しかし、デフォルトをさせたら、日本の自民党のように税金で銀行を救済しやがってといって、過去の細川政権や鳩山政権のように、その政権与党が政権の座を追われます。

今のドイツも似たような状況にあります。
ドイツはかつて東ドイツを冷戦終了後に救済をしました。
それによって国民生活は困窮の度合いを深めましたが、それを乗り越えて現在のドイツが成立をしているのです。

ここで、同じ地域にあるというだけで他民族のギリシャを税金によって救済をするというのはどう国民に説明をするのか、ということが政府の悩みの種になります。

ドイツを筆頭としてフランスもイタリアもどのEU各国もギリシャには借金を返してほしいというのが本音です。
債務の一部カットなどの方針をもって、全額をEUがギリシャの借金を全部肩代わりするのは避けたいのが本音でしょう。

しかし、そんなことをすれば次の選挙で自分たちの役職は全部追放される可能性があります。
EUとしては7/5に国民投票をやるらしいですが、現状ではギリシャ国民はまたEUに甘えてEUに残留したいという結論が出るのではないでしょうか。

IMFはそんなことは一切お構いなし

IMF、国際通貨基金というのはアメリカが背後にあるのは皆さんご存じの通りです。
アメリカの国益には、ギリシャがデフォルトをしようがしまいが、ほとんど関係がありません。
アメリカの次期大統領選挙に、ギリシャのデフォルトが関係あるのかといえば直接的なことはありません。
ただ、アメリカの国家予算でIMFの出資金というのは必ずありますので、関係なくはないでしょう。

しかし、実際にはアメリカの国家予算からギリシャの債務不能によるその肩代わりという項目は予算教書にはありませんので、国民は受け入れをしやすいと思います。

ですから、アメリカはギリシャのデフォルトには積極的に賛成です。
が、しかし、アメリカが一番困るのはギリシャがデフォルトすることによってマーケットが機能不全に陥ることが一番の頭痛の種になります。

よく考えてみれば、このギリシャ問題は結局、2011年から発生しているものですから、万が一のギリシャの破綻に備えて各金融機関は万全の準備体制を備えていても全然不思議ではないです。
なので、自分の都合しか考えていないギリシャ国民には怒り心頭になっているのも想像に難くはありません。
もう、アメリカ系の金融機関、日本も含めた金融機関はギリシャの債務不履行に対しての引当金は十分に積んでいますので、どうでもいいというのが本音になると思います。

この姿勢が日本の報道につながります。
つまり、ギリシャがデフォルトしても何の影響もありません、というのが各日本の金融機関の本音ですからあまり興味がないということになりますし、また、その被害も高々知れているという態度なのです。

ですから連休明け以降から日本で報道されていたのでは結局、IMFの御用機関に日本の報道はなり下がっていただけの話です。
しかしながらここまでこじれると思っていなかったのは日本の報道の怠慢とも考えられます。

結論

ギリシャで何が起ころうと、結局、市場には軽微な影響しかないと思われます。
ユーロが下落するというバカな議論がありますが、ギリシャがデフォルト、ユーロ離脱になれば、ユーロは買いです。

ドラクマが一斉に売られて、ユーロ、スイスフラン、ポンド、ドル高になるだけの話です。
日本円は三極通貨が一斉に上昇をするのですから円安になる可能性が高いです。
これを書いている現在(2015/06/30)、ドル円相場は円高になります。
各社のコメントはリスク回避の円高と報道しているようですが、ユーロ安だからという側面もあります。
リスク回避の円高では本質的にはないと思います。

ギリシャが本当に破綻をしたら、きっと6か月後に私はギリシャの株価指数を買いなさい、というでしょう。
なんでこんな当たり前のことがみなさんわからないのであろうか、と思いますが。

以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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