FOMC後の動きと日銀の政策決定会合を受けた動きについて想定してみる

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
※この記事は540で読むことが出来ます

20160126_01

年初から大荒れに荒れた株と為替の相場ですが、ECBの追加緩和示唆をきっかけにして大きくショートカバーをすることとなり、一旦はセリングクライマックスを経過したように見える相場状況が続いています。

そして1月最終週は、またしてもFOMCの結果声明日銀の政策決定会合の結果に注目が集まる市場の動きとなってきています。

中国市場の懸念も原油市場の下落もなんら状況が改善していない中にあって、中央銀行による追加緩和期待だけに依存しようとする市場参加者の動きにはかなり危ういものを感じさせられますが、市場のセンチメントがこうしたものを色濃く反映している以上、ついていかざるを得ないのが実情であり、今回はFOMC後の動きと日銀の政策決定会合を受けた動きについて想定してみることにしたいと思います。

1.1月FOMC後の動きについて

1月26,27日のFOMCは声明のみの発表でイエレン議長の会見はありませんから、あくまで声明内容次第で相場が動くことが想定されています。

2016年は1月からFOMCの投票メンバーが交代しています。地区連銀の投票権のあるメンバーについては、ニューヨーク連銀のダドリー総裁だけが理事と同様に常に投票権を有していますが、ほかの連銀総裁は年ごとに交代制となるため新メンバーは、セントルイス連銀のブラード総裁、カンザスシティ連銀のジョージ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、ボストン連銀総裁のローゼングレン総裁となり、昨年と違ってタカ派が断然増えていることから、声明の文書上に他国に対する配慮は出ない可能性も高くなっている状況です。

20160126_02

市場の利上げ折込度を示すCMEのFedWatchによりますと、1月27日のFOMCでは政策金利は0.5%に留まると88%以上が見込んでいることから、この結果発表自体にはサプライズは起こらないと考えられますが、足元の世界情勢をほとんど配慮しない声明内容になれば株価が売られることも想定され、それにあわせてドル円が下落しリスクオフに陥る可能性も考えられます。

また、先行きの利上げタイミングをあくまで市場状況次第とするようなハト派的内容であれば、当座はドル円が売られることになっても株価が維持、もしくは上昇することからドル円も戻る可能性がでてくることになります。

金融市場では米国が今年このまま1%まで利上げすれば新興国の経済はもはや持たないという悲観的な見方もあるため、今後この声明の内容に一喜一憂する相場展開が継続しそうです。

また、このFOMCの結果を受けたドル円のレベルが、翌日に控える日銀の政策決定会合以降の相場の動きにも影響を与えることになりそうです。

特に注意が必要なのは、利上げ継続でドル高になってもドル円だけはかならずしも同様の動きをしないということです。

新興国通貨などではこうしたFOMCのタカ派的な発言を受ければ当然ドル高になりますが、FRBが金融政策の正常化を継続強調し、3月以降の利上げ継続姿勢を示した場合には、対円以外ではドル高が加速されても、世界株安と原油安から、リスク・オフの円全面高という波乱相場も想定されることになります。

FOMC声明ひとつとってみても上にも下にも動きそうなクリティカルな相場状況となっていることがわかります。

2.日銀政策決定会合への期待はFOMCを上回る状況に

1月21日のECB理事会後のドラギ総裁の3月追加緩和示唆の発言を受けて、急激に期待が高まっているのが日銀による黒田バズーカ3の発表です。

昨年12月18日の政策決定時には、補完措置などというわかりにくい内容が示されたことから株も為替もこっぴどい下落の洗礼を受けることとなりましたが、確かに追加緩和ができる準備は整っているとはいうものの、
参議院選挙を睨んで現政権が迂闊に消費増税を再度先送りしたりしないようにするために株価維持上昇策としてとっておきたいのがバズーカ3ですから、まだ半年あまりあるこの時期に、しかも1万7000円台まで回復して決定的な危機的状況にはない株と為替の状況下で、今闇雲に追加緩和をするというのはかなり考えにくいのが現状です。

また黒田総裁自身参議院の議会においても足元での緩和を考えていないと発言していますし、1月22日にオンエアされたブルームバーグのダボス会議でのインタビューでも中国経済に比較的明るい見通しをもっていると発言しており、今が追加緩和のタイミングだとは認識していない可能性が高まっています。

しかし市場の期待はこうした黒田総裁の発言とは裏腹に異常に高まりを見せており、ドル円でいえば29日の政策決定会合前に119円を突き抜けてしまう可能性すらでてきている状況です。

したがって、大きなリスクとなるのは29日が無風で何も起こらなかったときということになります。

前回の決定会合のドル円の動きをドル円研究所がYouTubeにアップしていますが、直後の上下の動きに加え、黒田総裁の会見でさらに下落が加速し、往復でなんと350PIPSも動いた最悪の状況を改めて思い起こすことができます。

22日のブルームバーグのインタービューオンエア時でも黒田総裁の中国経済についての楽観論が飛び出した途端にドル円は40銭以上下落していますから、今回の決定会合でなにも緩和措置がでないと119円レベルが発射台のドル円は117円以下まで下落することは容易に想定されることになります。

そもそも22日の相場の大きなショートカバーは中国経済についても原油価格についてもなんら状況が改善されていないなかでセンチメントの変化だけで戻してきているだけに、逆戻りも早い状況が想定されます。

今回はとにかく事前にポジションをもつことだけは避け、上方向と下方向で逆指値の買いと売りを入れるようにしてとっていくといった工夫が必要になりそうですが、動くことだけは間違いなさそうなのでうまく対応する方法を事前によく検討されることがお勧めとなります。

3.中央銀行の追加緩和はもはやその効果も限界に

ドラギECBの追加緩和と黒田日銀のバズーカ3は事実上、両国中央銀行が仕掛けられる最後の追加緩和であるという見方が投機筋を中心に出回り始めており、この手が実行されてしまうと、おそらくその効果の賞味期限は3ヶ月持たないとも予測されています。

特に日銀の緩和に関しては、今実施してしまうと桜が咲く前に相場は大きく下落に転じてしまうことも想定しておくべき状況といえます。

タマ切れの状態が明確になれば投機筋は大きく売り浴びせを行う可能性も高まっており、キャリートレードで需要の高いユーロは上昇し、ドル円は明確な円高に向かうことを想定しておく必要もではじめています。

したがって、こうした日欧の中央銀行の緩和措置の結果の高値は絶好の反対売買のチャンスになることも頭に入れてディールを行うことが重要です。

毎月中央銀行の政策決定にあわせて相場が揺れ動くのもいかがなものかとは思いますが、相場のセンチメントを個人投資家が変えることはできませんので、とにかく慎重に相場についていき、確実に利益確定をして突然の流れの変化に巻き込まれないようにすることが肝要といえそうです。

ドル円は日銀の政策決定会合を経て1月末に月足で20ヶ月移動平均を明確に割込んで1月を終えるようなことがあれば、円ロングで待ち構えている投機筋が猛烈な円買いドル売りを仕掛けてくる可能性が高まっています。

それだけのこの29日の日銀政策決定会合は相場の流れを転換するかどうかの大きなポイントとなってきているのです。

何が起こるかは判らないのが相場ですから、いくつかの想定イメージは事前にかためつつも、実際の相場状況に応じてフレキシブルに対応できる柔軟な投資姿勢というものが強く求められそうです。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*