FX相場が円高に動かざるを得ない理由

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中国のバブル崩壊疑惑ギリシャ問題等によって、マーケットが乱高下しています。

これらの問題は経済の大原則に従って経済行動をしていないことで起こっています。
ここでは、そういった事象を検証して巷間に流れる円安期待論に水を差していきたいと思います。

ギリシャ問題の根幹

ギリシャ問題が右往左往しています。
この問題の根幹には民主主義への偏重がこの問題を長引かせていることにも問題があります。

基本的には東西冷戦終了後、アメリカの民主主義が世界の正義となっています。
つまり、旧ソビエト連邦の社会主義や中国や北朝鮮の共産党による一党独裁は世界的にみて時代遅れの代物という風潮があります。

実際に2年前ほどに起こったアラブの春では、一党独裁ないしは独裁国家が次々に崩壊し、民主的な選挙で選ばれた指導者が国家を運営する形が「いいこと」という潮流があります。
もちろん、その背景にはアメリカがそれを「よし」とする政策理念がありからだと思います。

こういう民主主義を悪用しているのがギリシャになります。

通常、あなたが借金をしてそれを返せなかったら生活をきりつめて出来るだけ早く返済をしようとするのが共産国家であれ、独裁国家であれ当たり前の話になります。

それをギリシャは国民投票によって、緊縮財政を否定してしまったのです。
誰がどうみてもおかしな結論なのですが、民主主義は正義という錦の御旗のもとにEU、ECBはそれを受け入れざるを得ません。

また、ギリシャ問題のトロイカ、IMF、EU、ECBはギリシャをEU設立の概念からはユーロから離脱をさせたくはありません。
これも、EU設立の際に国民投票や国会の承認を得ていますのでギリシャは離脱させることができません。
EU設立の際は一つの落後者も出さないということが設立の概念だからです。

しかし、設立、加入の際、ギリシャは国家財政に「ウソ」をついていたのです。
でも離脱させることはできません。

これが、ある意味民主主義の正体でもあります。
民主主義は20世紀の最大の発明品でもあると思いますが、これを21世紀に入って悪用をする輩、ギリシャ出てきたのが最大の問題でしょう。

この民主主義の偏重がこのギリシャ問題をこじらせている根幹になります。

ギリシャ問題の解決方法

ギリシャの問題を解決させるのは、実は簡単なのです。

ギリシャに単一通貨ユーロを離脱させ、旧通貨ドラクマを国家の金融の要にすれば簡単に解決をします。

ところが、各種世論調査を行うとギリシャ国民はユーロを離脱したくない、と出ます。
そんなに都合のいい話は、ないと笑い話になってしまうくらいの話ですけどね。

話を元に戻すと、ギリシャの通貨ユーロを離脱しドラクマを採用した場合、何が起こるかを想像してください。

ユーロは当然急騰し、ドラクマは急落をします。

経済の原理原則では、当たり前の話になります。
ギリシャは自分で借りたお金も返せないくらいの国家です。
この変動為替相場制度、フロート制ともいいますが、通貨の価値イコール国家の信用になります。

ですから、新生ドラクマはめちゃくちゃに売られて当然になります。
借りたおカネも返せない国家の通貨が高く成り様がありません。

そして同時にギリシャ国内では物価がものすごく上昇します。
つまり、インフレになります。
一方、ギリシャ国外からみたらギリシャの物価は異常なほど安く映ります。
また、ギリシャの不動産等の資産価値もバーゲンセールになります。

国民は、インフレによって生活は苦しくなりますが、逆に海外からみたらバーゲンセールの資産等が海外の資本家に買収をされます。
それによって、ギリシャへの直接投資が増えます。
それによって、今まで国家財政難であったギリシャ政府ができなかったインフラが整備されてくることになります。
そこで、生産の効率化や革新が起こり景気が回復してくるのです。

これをやればギリシャの債務超過などは5-6年で解消をすると思います。

同じことをやっているアベノミクス

結局、アベノミクスも同じことをやっているのです。

安倍首相が首相の座についてまずやったことは、金融緩和です。
金融緩和をすれば、通貨の流通量が増えるのですから、当然、円安になります。

そうすると、日本の物価上昇が始まります。
今、政府、日銀が声高に叫ぶ物価上昇というのはなぜか、といえば簡単な話デフレを放逐するためです。
さきほどのギリシャの話を思い出せば、物価上昇をすればするほど、海外からみれば日本の物価は安いと映り、またそれに伴い、株式市場、不動産市場等に資本市場も安く見えるのです。

ですから日本への直接投資が増えてくるのです。

今、一番てき面に効果が出ているのは外国人旅行者の増加になります。
実際に、フランスなどの先進国は観光客によって経済を支えている側面がありますので、この効果は侮れません。
ただ、海外の大手企業による日本企業の買収等はあまり出ていないので直接投資においては疑問符が残るところですが、株式市場や不動産市場においては海外の投資家が買い漁っている現状があります。

そこで、民主党政権時よりもある程度、景気が上向いているというのは政府も確認しているのが現状の日本の景気になります。

つまり、ギリシャは単一通貨を離脱することによって通貨安を示現すれば簡単に経済は回復をします。
安倍首相は金融緩和によって通貨安を示現し、景気を回復軌道に乗せようとしているのです。
方法論は違いますが、根幹の方法は同じなのです。

ギリシャは単一通貨ユーロを離脱出来ない!?

ギリシャのまともな経済学者や政治家は、おそらく単一通貨を離脱すれば簡単に経済は回復軌道に乗ることはわかっていると思います。
しかし、現状は国民が民主主義によって、緊縮財政はイヤ、ユーロは離脱したくないと結論を出しています。

ですから、ユーロからの離脱はできません。

では、どうやってギリシャを救済すればいいのか、という議論に変わってきます。
これも非常に簡単な方法です。

支援している側も民主主義の選挙で選ばれている指導者になります。

誰がどう見ても、ギリシャの態度はおかしいのです。
そこにお金を貸すとは何事か!と言って国民の審判を次の選挙で受けます。

それは、国民感情からすれば自分たちが一生懸命働いているのに、怠惰でわがままなギリシャ国民を我々がなんで助けなければいけないのか!と有権者が思って当然になります。
ですから、支援するお金をいっぱい出せば、ギリシャ問題は解決するということはドイツ、フランス、ECB,EUはわかっているのです。

しかも、今回、借金を返せません、とギリシャ政府が宣言しているのに、さらにお金を貸すという行為は自分の政治家運命を短命に終わらせることになります。
自分の国家の運命であれば、政治家生命をなげうつ覚悟の政治家さんはたくさんいると思いますが他国の放蕩によって自分たちの税金をいっぱい使う覚悟の政治家はいないでしょう。

ですから、今までの支援も今後の支援も簡単な話、ギリシャがなんとかやっていける程度の資金しか支援をしません。
今までのギリシャの借金返済は、簡単な話、自転車操業です。
このお金を借りたら、このお金の返済に充当し、の繰り返しです。
結局、支援をしても次の返済に充当する、の繰り返しでまさしく自転車操業になります。

だから、ユーロを離脱できないのなら、もっとギリシャが大胆に使える資金を提供すればいいのです。
今のように、今借りれば、ほかの返済に回すようなことをやっていても永遠に解決などしません。

今度の合意もみなくてもわかるでしょう。
少し、ヘアカットをしてたぶん、また「少額」の資金を貸し出す行為でお茶をEU、ECB、IMFは解決を図ることになるでしょう。

中国の問題

中国の問題も結局は為替相場の問題になります。

中国は北京オリンピック近辺までは異常な経済成長を遂げました。
リーマンショックも政府の緩和策によって上手に乗り切りました。

しかし、異常な成長の反動が今来ているだけの話なのです。
ですから、天安門事件以降の経済成長のとがめが今来ているだけの話であって、経済学の常識ではキチンサイクルやジュグラーサイクルのように、景気低迷期に来ているだけの話なのです。

景気が悪いときは、どうすればいいのかということは簡単なことです。
自国通貨安に導けばいいのです。

日本が世界の批判を浴びて行ったように、円安を加速させればいいのです。

しかし、中国共産党は全く逆のことをやっています。
ご存じのように、中国の人民元は一応、フロート制、変動為替相場制度を取っていますが、完全ではありません。
ましてや、今の中国の人民元は世界情勢がこれだけ動いているのに全くといっていいほど動いていません。
つまり、為替を操作しているのです。
アメリカが中国を為替操作国と認定するのは、そのためでもあります。

上海株がこれだけ暴落をしているにも関わらず、実は中国共産党は人民元高に誘導しているという間抜けな政策をとっているのです。

また、中国の力の源泉は経済学上は世界第二位の経済力になりますが、マーケットにおいての中国の力の源泉は外貨準備高です。

この外貨準備が少ないことでかつて東南アジア通貨危機が起こりました。
未だに中国には外貨の持ち出し制限があります。
つまり、中国は戦後日本が外貨の持ち出しを制限をしたように、未だに外貨の持ち出しを制限して外貨を積み増しているのです。
AIIBの設立も簡単ですよね。
この説明を聞けば。

AIIBは簡単な話、外貨稼ぎの手段です。
中国が後進国のころ、日本やアメリカは途上国支援として円借款等を行いましたが、今は経済大国になりましたのでその貸したおカネを返せと言われているのです。
ですが広大な国家の中国はまだまだインフラ整備が必要なので、援助に変わる国際銀行を設立してその資金集めを肩代わりしようとしているのにすぎません。
ギリシャをAIIBによって援助しようとしていますが、あくまでもカモフラージュであって本音は中国国内整備に回したいのが本音でしょう。

かつての東南アジア通貨危機によって韓国がIMFの管理下に入りましたがこれも結局、外貨準備が少ないことが原因です。

この外貨準備は他国から資本の攻撃を受けたときにそれを防衛する手段、現金になります。
たとえば、ソロスが中国資本を全部撤収するときには、逆にソロスが資金を還流している国に資本を買って自国の資本を減らさないようにします。

そうすることによって、海外から投資を受けたお金を外貨準備によって買い戻す力の源泉になります。
東南アジア通貨危機が起こった際、東南アジア各国はほとんど外貨準備を持っていなかったので、資本が逆流し自国の経済インフラがめちゃくちゃになったことが危機が起こった原因になります。

つまり、投資をしてくれた資本に見合うお金がないと自分の国さえも守れないということになります。

今の中国をみれば、尖閣の問題を筆頭に国際紛争を多発させています。
そのときに人民元を市場に任せて、人民元安になっていけば当然、外貨準備が減ります。
国際的に非難の声が上がっているので、資本の流出が止まらないでしょう。
それを防ぐために人民元高を誘導しているのです。

しかし、5月の銀行融資が前年同月比で80パーセント減、電力消費量が30パーセント減で今まで中国株が上昇していたのが摩訶不思議な話になります。
実質、この数字は経済活動が止まっていることになります。

今、中国共産党がやらなければいけないのは人民元を切り下げて、外貨、直接投資を増やさなければいけないのですが、逆に人民元高に誘導しているのです。
なぜなら、国際的な非難が集まっているときに人民元に投資をしようとする投資家は奇特な方という評価しか与えられませんから人民元高に誘導するしかないのです。

しかし、いくら中国株で稼いでも、外貨の持ち出しは制限され、そのうえ、人民元は高いままなのですから無理に持ち出そうとする人はあまりいない、ということになります。
そういう効果を中国共産党は狙っているだけです。

電力使用量や、銀行融資額がこの数字でもPMIや消費者物価指数は好調なので、投資家からすれば無理に株式市場から撤退する必要もありません。
ましてや、人民元がどんどん安くなると思えるなら有無を言わさず撤退になるのでしょうが。
事業家にしても同じ発想です。

つまり、中国共産党は、外貨を国内にとどめるためであればどんなことでもこれからやってくるでしょう。

このように、ギリシャ、中国問題は大なり小なり、結局は為替の問題になるということはおわかりいただけましたでしょうか?

結局、自国通貨は景気の低迷期には必ず安く誘導をしなくてはいけないのに、この両国は事情により自国通貨高に誘導をしているのです。
ですから危機になって当たり前の話なのです。

日本の通貨安政策

日本は東日本大震災や、民主党の失政でかなりの景気低迷期を経験しました。

しかし、安倍首相が始めたアベノミクスによって通貨安によって、1ドル80円だったレートが120円になりました。
これで直接投資や資本市場が活況を呈しています。

しかし、国内では、これから行われるアメリカの利上げで金利差に着目し、まだまだ円安が続くと思われます。

日銀は国家財政の破たんや円の価値を守るのが第一義の仕事になります。
これはみなさんも義務教育で習ったと思いますが、日銀は通貨の番人です。
つまり、円の価値を守ることが一番、大事な仕事なのです。

その方法論として、円の価値を上げるために金融緩和を実施したのです。
しかし、本来、日銀の仕事は円の価値を上げるために仕事なのです。
つまり、円高にすることが日銀の一番大事な仕事なのです。

つまり、昨今、景気がよくなったと実感できる人はほとんど今はいませんが、今の日本経済は数字上は好景気循環サイクルに入っています。

そのときにアメリカの金利上昇に伴ってまだまだ円安を認める方向に、行かないと思います。
つまり、緩和を実施しながらも、徐々に円高方向に舵を切っていくと思います。

人間というのは3年間も円安にいくと、永遠に円安方向にいくと思いがちです。
しかし、それはバブルが永遠に続くと思うのと一緒です。

その証拠に浜田内閣府参与や黒田総裁は、円高容認発言をところどころに織り交ぜるようになってきました。
また、円を売る背景である金利もマーケット金利も上昇をし始め、その低金利で業績低迷をつづけてきた銀行も金利上昇に伴い、業績の上昇傾向を続けます。

海外のファンドは大手銀行を中心に買いを集めている現象も起こっています。

小泉内閣時に起こった円キャリー取引も日本円にある程度、金利がつけばリスクを冒しても海外に投資することを控えるでしょう。

と、なると円高方向に行く日も近いと思っています。

3年間円安が続くと、誰しも、バブルが永遠に続くと思うように永遠に円安が続くと思いがちです。
しかし、そのサイクルが永遠に続いたことは歴史上ありません。

1971年から円高が続いてたのが、たった3年円安になっただけの話です。

1971年から日本は成長を続けているのですから、円高に行く理由はあっても、円安に行く理由はここからはあまりないと思います。
日本の成長が止まればこの限りではないと思いますが、信じたくはない話ですね。


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