プラザ合意に似た上海合意でドル安は世界的合意の可能性

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2016年3月18日に掲載されたブルームバーグのニュース報道によりますと、先月行われたG20 上海の首脳会議の席上で、プラザ合意にも似た、きわめてゆるやかな暗黙の合意がなされた可能性を一部のアナリストが指摘しており、市場の話題になり始めています。

プラザ合意(プラザごうい、英: Plaza Accord)とは、1985年9月22日、G5(先進5か国蔵相・中央銀行総裁会議)により発表された、為替レート安定化に関する合意。 呼び名は、会場となったアメリカ・ニューヨーク市のプラザホテルにちなむ。
Wikipediaより引用

これまで多くのアナリストがこうした暗黙の合意の存在に対してかなり懐疑的でしたが、プラザ合意ほどのかっちりした内容ではないものの、主要中銀がドルの安定化に動くことで、中国を大幅な通貨切り下げに追い込む圧力は緩和する狙いがあるのではないかという見方が強まっているわけです。もしこれが主要国の了解事項となっているのであればドル安は当分続くことになり、主要国の中央銀行の政策決定会合を経てもドルが全般的に上昇しない動きとなってきている市場状況とも符号するものといえます。

中国がドルの過度な上昇と利上げをしないことを約束することで人民元の切り下げをむやみに行わないことを約束した可能性もあり、これが事実であれば、当分ドル円は上がらず、ユーロドルも下落しない相場が示現することになりそうで、非常に注目される内容となってきていることがわかります。

密約の有無に関わらず為替市場はドル安が鮮明

昨年12月に次いで矢継ぎ早に展開されたECB,BOJ,FOMCといった中央銀行の政策決定ですが、一巡してみれば、結果的に一貫してドル安という動きになってしまい、特にドル円はその中でもドル安が加速する状況になってきてしまっています。
年度末はGPIFの決算対策を含めて株高、円安へとシフトすることが期待されてきていますが、相場状況はまったく逆さまの状況であり、案の定黒田日銀総裁は3月追加緩和を見送り、最終バズーカを温存した形となったまま、円高へとシフトが進んでいます。

ドル円と日経平均の連関性は最近かなり薄れつつありますが、それでも為替が円安に振れなければなかなか日経平均も上がらないのが実情ですから、3月の残り2週間弱相場がどのように戻ることになるのか、はたまた戻らずに終わるのか、非常に関心の高まる状況が続きます。

※ドルインデックス
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消費増税延期、財政支出論が全面にではじめた安倍内閣

市場ではFOMCの結果が大きく注目されましたが、安倍内閣はこの間にサミットに向け内外の有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」を開いており、22日にはノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン米プリンストン大名誉教授が出席して、外部の有識者の口から消費税延期を現実の動きにしようとしているように見受けられます。

一方、増税命の財務省はほとんど連日首相に増税予定通りを働きかけているといわれ、黒田最終バズーカも4月以降に増税確約の条件化で実行される可能性も残されています。ただ、政策出尽くしを市場が判断すれば、ECBドラギ総裁の二の舞になりかねず、マイナス金利以外の金融緩和が本当にドル円をドル高に押し上げることになるかどうかはわからないのもまた事実です。しかも上述のように世界的に暗黙のドル安了解があるとすれば、日銀は簡単に追加緩和を使ってドル高円安には持ち込めないことになり、消費税延期策を押し切られる可能性もでてきているわけです。

いずれにしても株価が様々な手段で上昇してもドル円がこれまでのような水準感でついていく可能性はかなり低くなってきており、ドル円が昨年のように大きく再上昇することを期待するのには既に無理がでてきていることだけは事実のようです。

ドル安前提で市場に向きあうことが重要になりそうな3月末~4月相場

G20の密約については個人投資家レベルのトレーダーがいくら詮索してみても事実に触れることはできませんが、チャートを見ているだけでもドルは下落傾向にあり、とくにドル円については1月29日のマイナス金利直後に上げた121.687円レベルが今年の高値になってしまったことはどうやら間違いなさそうな動きになってきています。

しかも上値も下値も切り下げてきているのが現状ですから、4月を待たずに110円を切って、108円、106円、105円レベルへと下落を加速させる可能性はかなり高くなりそうです。

※ ドル円1時間足
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ドル円は110円以下では下値のサポートラインが大幅に減少

17日のロンドンタイムに前回を下抜けたドル円は、110.659円まで下落していますから、この下のサポートということになりますと、110円33銭(2014年安値-2015年高値フィボナッチ61.8%押し),110円08銭(2014年10月1日高値),109円16銭(2014年10月31日安値)あたりが直近でめぼしいポイントとなりますが、109円を抜けてしまいますと、2011年の75.35円から2015年6月の125.86円までの38.2%戻しとなる106.300円レベルを目指す可能性が高まります。

また、アルゴリズムによるオーバーシュート気味の下落の動きがでれば105円に届いてします可能性も高まります。ただ、トレーディング相場ですから一気に突っ込まずにジグザグ上下する可能性も高くなりますから、戻りはしっかり売りから入り、下がらなくなったら一旦は利益確定をして積み上げるといったこまめな売買方針が必要になりそうです。

75円台から50円上げた相場だけに100円へ調整しても不思議ではない

ここ3年間上昇と停滞、そしてさらに追加緩和で上昇を続けてきたドル円だけにほとんどの個人投資家は下落水準では買いを入れることが習慣化してしまっていますが、トレンドが転換しつつある以上、上げたところを売り向かう下落の逆張り相場になれることが必要になりそうです。

全般的に上昇よりも下落のほうがはるかに早く、しかも大きなPIPSを取ることができるわけですから、ディールの方法をしっかり変えていくことをトレンド転換時には意識することが重要です。

ユーロは対ドルで上昇もUK離脱問題やギリシャ問題再燃のリスク

ユーロドルもECBの金融政策があったにも関わらず大きく戻して1.12を示現したあと、FOMCでさらにドルの下落が鮮明になったことから1.13台中盤も回復する大きな動きとなってきてきており、さらなる上昇も期待できそうな状況となってきています。ただし、ユーロは6月実施予定のUKのユーロ圏離脱問題がくすぶっている上に7月にはまたしてもギリシャの巨額債務返済問題が顕在化してくることから青天井の上昇が期待できるわけではなく、戻り高値は十分に注意しながら取引していくことが求められそうです。

このあたりはドル円と異なりかなり難しさをともなうディールになりそうです。

※ユーロドル1時間足
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資源国通貨は対ドルでは上昇もクロス円では下落の可能性に注意

ドルの下落、WTI原油が40ドル以上を回復し、コモディティ価格の水準もかなり回復してきたことから、ここから夏にかけて資源国通貨、とくに豪ドル、カナダドルが対ドルでは強含む可能性がでてきています。とくに原油価格は40ドルを超えたことから45ドル程度まで戻すことになりそうであることから、ここから乗っても資源国通貨はそれなりに戻すことが期待できそうです。

ただし、円も上昇しようとしていますから、クロス円で資源国通貨を購入するのはドルストレートほどの利益獲得が望めないことも考えられ、通貨ペアの選択をよく考えることが必要となります。

まとめとして

ドル安がG20のコンセンサスだとすれば明らかに売買方法を変えるべき時期が到来してきているといえます。噂は噂としても、ドル安という視点でチャートを分析しながらベストなエントリーポイントを探していく努力が必要な春の為替相場が到来しているようです。

相場の転換状況をしっかり理解してこれまでの取引習慣に固執しないことがこの時期の相場の勝利への分かれ道となりそうです。


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