コンビニが小売業再編の柱になる可能性

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コンビニ3位のファミリーマートと、総合スーパーのユニーグループ・ホールディングスが経営統合交渉に入りました。
コンビニ首位のセブンイレブンを抱えているセブンアイ・ホールディングスは地域スーパーへの出資を加速しています。

次の小売業の成長モデルを模索している各社がコンビニを軸として、再生する動きを始めている現状です。

1、コンビニ統合は難しい

なぜ、コンビニ統合が難しいかというと、コンビニ統合の行き先が不透明だからです。
ファミリーマートとサンクスの事業を一本化という話も出ていますが、両社のコンビニ店舗数の合計は17465店(2014,11月時点)その数は、業界1位のセブンイレブンの数を上回ります。

しかし、セブンイレブンの販売額とファミリーマートとサンクスの販売額を合計した総売り上げでも1兆円近く差が出来てしまっているのが現実です。

ファミマとサークルKサンクスの2014年2月期の売上高(フランチャイズを含む全店ベース)の合計は約2兆6700億円。約1兆9500億円のローソンを抜き、セブンイレブンの約3兆7800億円に次ぐ規模になる。
(http://www.asahi.com/articles/ASH357TC5H35ULFA032.html より引用)

2、コンビニによってシステムで差が出る

コンビニはチェーンごとに、商品の物流、情報システムなどが異なっています。フランチャイズオーナーの理解を深めて、経営方針を統合させ売り上げアップに向かって行動することも大切なのですが、それだけではうまくいきません。サンクスを例に挙げるとサンクスとサークルKサンクスと言われると、同じ会社なのか、違う会社なのか迷ってしまう名称で、2007年に取引先を集約してはいるものの、いまだに屋号が統一されていない現状です。

コンビニ業界では絶対的なブランドを築きあげているセブンイレブンがあり、
いまだに「俺は、セブンイレブン以外では買わない主義なんだよ。セブンがやっぱり一番信用できるよな」といている人は、意外と多く存在している現状です。

このような現状を打破するためにも、コンビニ業界では、妥当セブンイレブンを掲げブランド価値の向上に努める必要があります。

3、ブランド価値の必要性

コンビニ業界では一種のコーヒーブームが訪れました。この仕掛けを起こしたコンビニもセブンイレブンです。

ファミリーマートやサンクスや他のコンビニも後から参入していますが、今現在でも、セブンカフェと言うコンビニコーヒーのイメージは多くの人が持っていると言われています。絶対的なブランド価値を誇っているセブンイレブンが更なる戦略を練るのが今の状況で、コーヒーの売り上げでも他社に圧倒的な売り上げを誇っています。

■年間4.5億杯を販売

2013年1月の導入から販売量はうなぎのぼり。16,000のセブン全店へマシン設置完了した9月には、2億杯を突破。当初の目標は、1日あたり1店舗60杯で年間3億杯でしたが、直近では約95杯。年間4.5億杯の販売を見込んでいるとのこと。(*1)ちなみに1日1店舗あたりの損益分岐点は40杯。(*2) 95杯ということはその2.5倍近いわけで、店側にとってセブンカフェは商品単体で見ても高収益になっています。またネスレ日本によると、日本の年間コーヒー消費量は480億杯。セブンカフェは登場わずか1年で、日本のコーヒー消費量の1%弱を占めたことになります。

(http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2014/01/post-1dff.htmlより引用)

セブンイレブンのほかに、圧倒的なブランドを誇っているコンビニはミニストップです。
デザートと言ったらミニストップと言うイメージは多くの人に印象ついているんではないでしょうか。「ハロハロ」というフィリピンのデザートを取り入れ、店内で気軽にパフェが食べれるようにしたミニストップの取り組みは大きくブランド価値を向上させました。

このような取り組みに比べて、ファミリーマートとサンクスで買い物をするメリットを、使用者にインタビューして確認をすると、「Tポイントが貯まるからファミマを利用しています。楽天ポイントが貯まるから利用しています。」との声が多く聞かれ、楽天ポイントやTカードの需要の変化で利用者の大幅減がある可能性があるとも考えられます。

4、流通再編に絡む商社の思惑

ファミリーマートと、ユニーグループ・ホールディングスの経営統合入りには、両者の株主である伊藤忠商事の思惑もあると考えられています。

伊藤忠商事は生活・消費産業分野に強みがあると言われ、そのようなことからコンビニ業界の事業に強みを入れるのは必然と考えられます。伊藤忠商事は、昨年12月にファミリーマートへの出資比率を31.7%から37%に引き上げ、出資比率が3分の1を超え株主総会の特別決議で拒否権を持ったことにより、今回のユニーグループ・ホールディングスとの経営統合もやりやすくなったと言われています。

この経営統合が実現することによって食品卸の日本アクセスなどのグループ会社も含め、より安定に商品供給を増やせる可能性が高まります。

今のコンビニは食料品から洗剤等の生活必需品、文房具や雑誌等取り揃えを豊富にし、近所にあるコンビニエンスストアに行けば必要なものは、ほとんど手に入ると言う状況を作り上げています。共働きが増え、世帯収入が増加している現在の日本では、値段が安いドラックストアにわざわざ行くよりも、少し高くても近くにあるコンビニですませてしまった方が良いと考えるようになる可能性も大いにあります。

このようなことも見透かして商社は前面にコンビニ業界の再編を望んでいます。しかし、小売業者は今の現状では、大手に飲み込まれるのを警戒している現状です。そのため商社は機が熟すのを待っています。

5、セブンイレブン一本化を恐れる現状

今のセブンイレブンの特徴は、売り上げが上がりにくい地方にも積極的に出店しているということがあげられます。

なぜ、ここが特徴として挙げられるかというと、セブンイレブンが流通の基点になる日があるのではないか。との声が最近、業界内では聞こえるようになっているからです。

宅配をするときに、受取人が留守で再配達になるケースが共働きの増加と共に増えています。そのため、今までと同じように配達を続けていると、留守に対して再配達の損失が徐々に多くなってしまい、宅配にかかる費用は増し価格は向上する一方です。その対策として、流通業界とセブンイレブンが手をとり、セブンイレブンにその地域の郵便物を受け取るスペースを作れば、再配達を防げます。

時間を限定して滞在員を置き対応してもらえば、全国にこのペースでセブンイレブンが出店をしていけばこの計画も不可能ではないと考えられます。

このような動きが、セブンイレブンから始まってしまうと、他社はもう手の付けようがない可能性が出てきます。

宅配便の配達時、受取人が留守で「再配達」になったケースが取り扱いの2割にのぼることが、国土交通省の調査でわかった。インターネットなどの通信販売利用者の広がりとともに、再配達も増えている。再配達はルート変更などで運送会社の負担となる。値上げにもつながりかねないと、国交省は5日、検討会を立ち上げて対策に乗り出すことにした。
宅配業者3社とともに昨年12月、都市部、都市郊外、地方の3地域に配達された宅配便計約413万個について、再配達の発生率を調べた。1回目の配達時に再配達となったのは約80万個に上った。3回以上の再配達も約3万個強(全体の約1%)に上った。
再配達される比率は、時間指定サービスでもほぼ変わらなかった。検討会には宅配業者のほか、通販業者にも加わってもらい、対策を練る。(野口陽)
(http://www.asahi.com/articles/ASH653QY5H65ULFA00B.htmlより引用)

6、コンビニとスーパーと言う業種の違い

都市部への多様化から「強いコンビニを持つ」と言うことが次世代流通の鍵になることは大手小売の共通認識になっています。
しかし、最高益の更新を続けているセブンアイ・ホールディングスでさえ、コンビニとスーパーと言う業種の垣根を越えた相乗効果をあげることに苦戦しています。現在でも苦戦が目立っているイトーヨーカ堂などのスーパーは分離し、好調なコンビニに集中するべきという話が多く出ている現状です。

コンビニ事業が好調で、売上高と営業利益が過去最高を更新したセブン&アイ・ホールディングスだが、同社もイトーヨーカ堂は減収減益。
苦戦する理由を村田紀敏社長は、「時代変化のパラダイムシフトに対応し切れていなかったという反省がある」と振り返った。
(http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150415/280000/?rt=nocntより引用)

まとめ

コンビニは時代を重ねるに連れて、どんどん身近な存在になっています。

セブンイレブンでは、現地のニーズに応じた現地限定商品の販売を拡大する方針を打ち出しました。そのため、地域の特徴を熟知している地域スーパーとの連携はより重要になってきます。

店舗数をただ単に増やすだけでは、今の世の中戦えない状況です。
「個店」の底上げ強化が今後のコンビニ業界を左右し、各社は新たな挑戦をしていかなければ残っていけない現状と言えるでしょう。


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