米国利上げをきっかけに異常におびえだした相場 中国は世界株価大暴落のトリガーになるのか

8月21日の中国相場の大幅下落を受けてのNY市場での株価下落は、週明けの東京市場でも大きな下落を引き起こし、株も為替も大方の事前予想通り窓空けでスタートしましたが、中国上海市場がさらに下落して週明けを迎えたことが下落に拍車をかけ、東京株式市場で日経平均は前営業日比895円安と急落する展開となっています。

下げ幅は2013年5月23日にQE終焉を示唆して大幅下落となったバーナンキ・ショック(1143円安)以来の大きさとなっています。

中国景気の減速懸念などを背景とする世界的な株安連鎖に歯止めがかからない状況ですが、東証では4割が空売りということで投機筋による下落に輪をかけた売り仕掛けが相場暴落を増幅している感もあります。

さらにそれを受けた米国市場では下げが下げを呼び大幅安が続き、ダウ工業株30種平均.DJIが1000ドル超下落して、昨年2月以来初の1万6000ドルをあっさり割れたほか、ナスダック総合指数.IXIC、S&P総合500種指数.SPXも急落し、市場のパニックぶりが窺える状態となっています。

1.7年から10年に1度は訪れる米国の株価大暴落~中国懸念はその引き金なのかどうかが最大の問題

米国の株式市場は、ほぼ7年から10年ごとに大暴落を繰り返して今日に至っています。

これはすでにアノマリーを超えた規定の事実になりつつあるもので、リーマンショックから丁度7年にあたる今年に暴落が起こってもなにも不思議ではない状況です。

しかし今回の一連の中国の問題がこうした暴落の引き金になるのかというところが大きなポイントとなりそうです。

リーマンショックを思い出し見ますと、2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻し、ダウ平均は前営業日比で 504ドル安 と、4.4% もの大幅下落となりました。これが世界的な金融危機へと連鎖し、半年後の2009年3月9日には、ダウ平均は 6,547ドル まで下落することになります。

これはリーマン破綻直後から更に 40% もの下落という計算になります。立ち上がりで落ちてその後ずるずる下落して結果底値でみたら4割安という形がリーマン後の暴落の特徴です。

したがって今回の中国起因の暴落が呼び水のようにリスクオフ相場を継続させトレンドが激変するのかどうかが注目されるところです。
既に24日のダウの下落だけでもリーマンショック時の倍を超える規模であり、この先の市場動向を暗澹とさせる状況になりつつあります。

2.過剰反応とも思える相場の怯えの背景はやはり米国の利上げ

米国の利上げが行われても、その利上げ規模は非常に軽微で大きな影響はないとする見方が市場に広がってきましたが、ゼロ金利がゼロでなくなるというリスクを相場が異常に感じていることは確かのようです。

今回の米国の利上げは2004年のグリーンスパン議長のときの利上げプロセスとよく比較されますが、実はこのときと大きく違うのは、既に過剰とも言えるほど量的金融緩和で市場に資金が有り余るほど投入された後の金融政策の変更であり、この金の大幅な流れの変化に市場は想像以上にナーバスになっていることがわかります。

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(ジャンク債ETFチャート)

今回の世界株価大幅安と米国ダウの大幅下落が起こる前に、米国の金融市場ではハイイールドボンド(ジャンク債)のボラティリティが全くなくなってしまい、ハイリスクなのにローリターンという極めて異常な状況が示現しましたし、CRB指数というアメリカの商品先物取引所等で売買されている価格から算出される国際商品先物指数は、これまでも世界的な物価や景気の先行指標、特にインフレ動向の先行指標として利用されてきましたが、8月にはこの指数がリーマンショック後の最安値レベルにまで下落することとなっており、明らかに市場に変化の兆候をもたらし始めてきていたことも注目されます。

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(CRBチャート)

このように米国の利上げを前に市場が想像をはるかに超える形で怯え始めていることはどうやら間違いないようです。

中国のリスクも以前から語られていたことにもかかわらず、形が見えて差し出されたことによりオーバーシュート気味に相場を下落させることになっている印象が強い状況です。

3.NYダウはそう簡単にもとには戻らない

NYダウは今年に入ってからほとんど押し目らしい押し目も作らず高値水準で推移してきました。

ヘッジファンドですら高値圏推移では買っても儲からない相場状況の中でいったい誰が株を買い支えているのかという疑問が市場を覆ってきました。

実は上場企業の自社株買いがそのひとつの答えといえるのです。

最近米国のメディアでも公表されはじめていますが、米国企業は2015年3月末までの約1年間に5,000億ドル以上(60兆円)の自社株買いを実施してきたことがわかっています。
米国の異常低金利を背景にしたM&Aの実施や自社株買いがその主力であり、これが株価を支えてきたことに他ならないのです。

ロイターの記事によると、ソシエテ・ジェネラルのクォンツアナリストが700社を対象に調査したところ、今年第2四半期の自社株買いの金額は前期比20%減少、前年同期も当然大きく下回ってきていることが判明しています。

S&Pダウ指数の構成企業では、第2四半期の自社株買いは第1・四半期より30%近く下落しているという結果がでています。
米国のゼロ金利の終焉はこうした莫大な企業の自社株買いを終焉させることになり、暴落が起きれば完全にそのニーズは市場から消えることになりゼロ金利政策の終了は自社株買いという大きな株価の下支えを失う格好となるわけです。

4.金融市場で目を見張るほど利益を上げてきた著名人がこぞって市場を警戒

この米国の利上げをめぐっては、これまで金融市場で目覚しい利益を上げてきた著名投資ファンドのCEOクラスが注意喚起を始めていることも顕著な状況となっています。

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(ガンドラック Photo: Bloomberg)

ビルグロスに代わる新債券の帝王として注目されるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラックは、ロイターのインタビューに答え、ジャンク債価格が4年ぶり低水準近辺で推移している時に利上げを実施することはかなり危ないとしています。

また中国は大きな懸念材料となり、FRBが9月に利上げに踏み切れば引き締めサイクルという名のパンドラの箱を開けることになると強く警告を発しています。

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(レイダリオ Photo: Bloomberg)

またブリッジ・ウォーター・アソシエイツ・CEOのレイ・ダリオは今年のはじめから

「現在は1937年頃と同じ状況で米国は利上げを急ぐべきではない」

との見解を自社の投資家宛のレターなどで頻繁に示しており、利上げをすれば1937年~1938年の再来になる可能性があると警告しています。

レイ・ダリオはまた、

「金融緩和する余地がなくなったときに起き得る市況悪化のリスクに十分な注意が払われていない」

と厳しい指摘を繰り返しており、ブリッジ・ウォーター・アソシエイツはこの秋口に向けての投資を大幅に絞る形で市場の動きを見守る体制に入っているといわれています。

5.すっかり9月利上げは遠のいた感があるもののFRBはやる気満々だった?

今回、8月11日に突如断行された中国人民元の切り下げは、実は米中合意のもとに行われたもので、切り下げの3週間前までに中国人民銀行・PBOCと米国FRBの周到な話し合いがされた内容だという憶測も飛び交っています。
実際中国側の関係筋からの証言も出ているようです。

今回の元切り下げが事前合意であるとすれば、米国の9月利上げを前提とした中国人民銀行の前倒し政策の実施が4.6%程度の切り下げとなって現れていた可能性は高くなります。

中国はこれまで人民元高を一貫して維持する政策を行ってきましたが、過剰生産、過剰設備、過剰在庫、過剰雇用には耐えかねる状況で、潜在成長率の低下を避けるためにも元の切り下げを必要としており、このまま米国の利上げでドルの上昇についていかれない事情が前倒しでの元の切り下げという形で示現したと見るのは納得のいく話です。
さらなる切り下げはFRBの利上げ後に行われる可能性が高いことも容易に想像される状況です。

中国起因の今回の株価暴落が起こるまではFRBは9月利上げのアリバイ的実施を目論んでいたことは間違いないようで、さすがにこの状況で断行するわけにはいかないと思われますが、米中の金融当局同士になんらかのコンセンサスポイントがあることだけは間違いないようです。

相場の下落がどこで底打ちすることになるのかなどが注目されることになりそうです。これがはっきり見えてこない限り迂闊なレベル感での買い向かいは大怪我のもととなるため注意が必要です。

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ABOUTこの記事をかいた人

PN 今市 太郎

外資系コンサルティングファーム、外資系生命保険会社を経て独立ビジネスコンサルタントとしてビジネスプロセスコンサルティング、クラウドコンピューティングのリプレイスメントや海外のファンドのM&A投資コンサルティングなどに従事。 そのため、株の売買はインサイダーにならないようにFXだけに特化し2007年から本格的に売買をスタートし、9年の実績。 現在は月間5000PIPSから8000PIPS程度をコンスタントに獲得できるように日々精進している。