世界同時中央銀行バブルの崩壊?今後の市場はどうなってしまうのか

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ドル円相場はこのコラムでも再三大幅下落の可能性をしてきましたが、予想よりかなり早く110円台を下抜けて下落のプロセスに突入してしまいました。

年初の段階では1ドル105円とか100円といったレベルはかなり遠く、こうした指摘をする向きの発言の信憑性が問われた時期もありましたが、いざ107円台半ばまで下落してみると、100円まで下落の現実性を改めて感じさせられる次第です。

果たしてドル円はどこまで下落するのかが気になるところですが、それとともに市場に漂い始めているのが中央銀行バブル崩壊の本格的な足音です。

リーマンショックに至るまでの米国の金融市場の混乱は民間企業が招いたものであり、それを中央銀行が制御しようとして量的金融緩和に踏み切るなどの大胆な措置を講じてきたのはご存知のとおりで、なんとか大きな下落から立ち直ったわけですが、足元の状況は中央銀行自体がバブルを煽動する役割を果たしている状況であり、しかもそれをほとんど制御できない状況にまで追い詰められているように見えます。

米国は幸か不幸か7~8年に1回必ず株式相場の暴落を経験しながら成長してきていますが、中央銀行バブル主体で相場がおかしくなった場合、一体どのような状況に陥ってしまうのか、我々はだれも経験したことがなく、しかもかなりよろしくないのはこのバブル崩壊はFRBのみならずECB,日銀も同様のスキームを引きずっているという世界同時中央銀行バブルの崩壊に直面していることです。

マイナス金利を持ち出したECBと日銀は既に為替の制御不能に

本来中央銀行の政策は為替の水準管理ではなく、あくまでも金融政策全般にありますが、現在多くの中央銀行が自国の利益のために為替水準を操作しようとする動きにでています。おおっぴらには為替は目標ではないとしていますが、オーストラリアRBAのスティーブンス総裁などは具体的な水準にまで言及してIMFから怒られる始末で、とにかく通貨安というのは中央銀行が履行しようとする大きな戦略の一つになってきています。

しかし、昨年の12月あたりの中央銀行政策決定会合の結果から、相場は中央銀行の期待どおりに動かなくなりはじめています。
大方のメディアやアナリストなどの事前予想では追加の量的緩和が行われれば為替は通貨安に動くことされていましたが、12月3日と3月10日の両理事会後の政策決定を受けては結果として大きくユーロが買われドルが売られる展開になっており、ECBが暗に意図した方向には動いていないことがわかります。

※ユーロドル日足
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ECBは昨年3月からマイナス金利を導入していますが、一時銀行の融資額が増えるなどの動きはあったものの、結果的には金融機関の利益圧迫が続きヘッジファンド勢に銀行株が思い切り売り浴びせを受けるなどマイナス金利が劇的に市場を改善するには至っていない状況です。

一方、日本の日銀の場合はECBとは比較にならないほど制御不能が進んでいます。
こちらも昨年12月の政策決定会合で補完措置と呼ばれる国債の買いつけ対象の拡大などを盛り込んだ、市場には極めて判りづらい政策を発表して不評を買い、年末株も為替も大きく下落して終わるという不甲斐ない結果になっています。

また、1月29日にはまさかのマイナス金利導入を行い一時的に株も為替も上昇しましたが、明智光秀もびっくりの3日上昇に終わりその後は今日に至るまで日経平均、為替ともに下落が進み、足元の株は日銀とGPIF以外買い手はおらず、為替も介入不能の状態の中でとうとう107円台まで下落する結果となっているのはご存知のとおりです。

※ドル円日足
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4月末の日銀政策決定会合では、また追加の金融緩和を望む声が市場で出はじめていますが、昨年12月の補完措置にのっとって長期国債まで含めた債券購入枠拡大とさらなるマイナス金利の深堀を行った場合に、果たして市場は素直にドル買い円売りと株買いに回帰するのかどうかが大きな問題です。
少なくともマイナス金利の深堀はかなり市場から嫌われている状況にありますし、国債も買い入れ可能領域が広がったとは言うものの既に10年金利までマイナスに落ち込む特異な状況に陥っており、本来的な効果を発揮するかどうかも疑わしくなっているのが実情です。

中央銀行バブルの崩壊は気がつきにくい

とにかく人類史上はじめて直面することになるのが中央銀行バブル崩壊ですから、リーマンショックのような華々しい下落一発で崩壊がすぐにわかるとは限らないようで、中央銀行主体で作られた相場を形成していることに大きな疑義を感じているNY大学のヌリエル・ルービニ教授は、

「中央銀行が短期変動率を抑制しようとする流動性創出が長引けば長引くほど、中央銀行は株式、債券そしてその他資産市場の価格バブルを煽ってしまう。より多くの投資家が、過大評価された、債券のような一段と非流動的な資産を積み上げるにつれて、長期的なクラッシュのリスクが増加する。これは金融危機への政策対応の皮肉な結果である。マクロ流動性はブームとバブルを煽っている。だが、市場の非流動性が、究極的には暴落と崩壊の引き金を引くだろう」

といった発言をしています。

また、長く債券王としてその発言が注目されてきたビル・グロスは、

「中央銀行バブルに慣れきって、投資家は長い間試練を与えられてこなかった」

と指摘しており、

「長期停滞でゼロ金利、債務危機回避が困難なことから、資産市場では終わりの予感を感じにくい。理性的な投資家は、リーマン危機再来とは言わないまでも、中央銀行バブルの終わりの予感を感じている」

と語っています。

確かに金融市場に深く関与し多くの利益を獲得している投資関係者ほど今の状況に警鐘を鳴らしており、中央銀行バブルの終焉時にはなんらかの形で相場が崩壊することを示唆している状況にあります。

米国は再利下げやQEの再開に追い込まれる可能性も

もっともその動きが注目されるのはなんといってもFRBということになります。

2015年12月にたった0.25%の利上げを行ってから市場は急に変調をきたすようになっており、FOMCで利上げが見送られれば株式相場は上昇するものの、各連銀のタカ派総裁が4月利上げを口にすればドルが上昇、さらにイエレン議長が議会ですべてを払拭するようなハト派発言をすると株は上げ、ドルは下げるの繰り返しを行っています。

しかしNYダウも徐々に勢いを失ってきていることから、この株式相場が崩れだすと各国ともに連鎖的に相場が下向きになる可能性が高くなりそうです。

イエレン議長のハト派発言以来、新興国の相場は驚いたように息を吹き返していますが、これも本質的な景気回復の裏打ちがあっておきていることではありませんから、米国次第でどのような状態にも陥ってしまうのが実際のところです。

今後の経済動向次第ではFRBが政策の逆戻りを余儀なくされることもあり、本格的な中央銀行バブル崩壊の最終局面に至るまでにはまだ時間が稼げそうではあるようです。ただ、安心できる望ましい状況でないことだけは確かで、市場にはだんだんと影響が顕在化してくることが心配されます。

一番の問題は日本の状況

米国も欧州も心配の種は尽きませんが、4月に入ってからの日本国内の株と為替の状況は既に流れが大きく変化していることを感じざるを得ない状況です。

特に外国人投資家の日本株売りは現物株主体で5兆1000億を超えており、4月に入ってからもこの動きは粛々と続いている状況です。

もはや日本株買いは日銀のETFとGPIFしかいないのではないかとさえ思われるほど薄商いが続いていますし、完全に国外からの日本株への投資意欲は減退しており、これが簡単に元に戻るとは到底思えない状況です。

為替も4月に入ってからは売られ放題であり、サポートラインを見てもどこで本当に止まるのかがよくわからないといったところが本音です。

恐らく伊勢志摩サミットに向けては大規模な財政出動や増税の延期、あるいは一時的に消費税5%へ引き戻しなどという案が登場する可能性もありますが、20年前から公共事業は年間20兆円以上行ってきた経緯があり、財政出動だけで景気がよくなるなら今のようなことにはなっていないはずで、市場の一時的な反応の後が一体どうなるのか非常に気になるところです。

まとめ〜すべては戻り売りで相場に臨む〜

こうした状況ですから、株も為替も戻り売りが大原則となりそうな今年夏に向けての相場です。

為替はドル円で当面110円~105円、さらに戻しても115円はかなり厚いレジスタンスレベルで株価もここから1万6500円に戻れば相当いい線なのではないかと思われます。

予想はいつも当たるわけではありませんが、政府の政策発表により想定以上に戻すことがあっても一旦は戻り売りから市場に参入したいところです。

個人的には本格的な中央銀行バブルの崩壊が起こらないことを望みたいところですが、日経平均とドル円に関しては今年のどこかで大きな下落を経験することになるのではないかと非常に心配しています。

結論として日本では株も為替もあきらかに様子がおかしくなってきており、もはや日銀頼みでは相場を戻すことはできなくなっていることだけは事実です。

政権の選挙睨みの政策発表で一時的に相場が戻ることがあってもしっかり売り向かうことで利益を確保したいものです。


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