UKのEU離脱問題を受け、中央銀行の介入、金融緩和はあるのか

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UKの国民投票の結果から暴落した相場は一週間以上の時を経てひとまず落ち着きを取り戻すこととなりました。

当のUKは9月9日までに新首相を選択することになり、リスボン条約の第50条の履行はそこからになりますので、意外にもこの夏の暑い期間中は様々な憶測は流れても事態は何も進展しないことになります。

しかし日本株の戻りは遅く、しかもドル円も下げたまま大きなショートカバーもなく、参議院選挙前には大きく株も為替も上昇すると考えていた市場の期待は見事に破られることとなり、ここへ来てまたしても日銀による金融政策対応に大きな期待が高まる状況になってきています。

しかし本当にここから日銀が金融緩和をすることで市場は上昇トレンドに乗ることができるのでしょうか?

今回はその点について考えてみたいと思います。

気がつけば一番下げて元に戻らない日本株

驚いたことに24日には一時的に10%近く値を下げた当の英国のFTSE100ですが、一週間を経過してみると、元に戻りさらに高くなるという回復振りを示しています。

もちろんBOEが緩和を示唆したことが株価の支援材料になったことは間違いありませんが、まだ緩和は実施されたわけでもなく、何の関係もないのに5連騰でもどの水準にすら戻らない日経平均とは大違いの状況が展開されています。

そもそも6月24日の世界の株価騰落率を見てみますと、日本は終値ベースでは7.92%の下落で英米をはるかにしのぐ大きな下落を示現していることがわかります。

※24日世界の株価騰落率(終値ベース) 出典ブルームバーグ
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もちろん市場が開いている時間に大きく相場が下落したわけですから影響が大きかったことは確かですが、何でUK起因のリスクイベントで日本株がここまで徹底的に売られることになるのかについてはやはり釈然としないものがあることは事実で、最近では相場のリスクが高まるととにかくヘッジで売られるのがいわば定石化しているのが日本株であることを改めて認識させられる次第です。

しかも外人が買いにきませんから裁定買い残もつみあがらず、ここ2~3年の相場状況とは大きく様変わりしていることは誰しもが感じているはずです。

大きくショートカバーもしないドル円

ドル円は24日結果として107円に近い水準から一気8円以上値を下げることとなりましたが、24日前の103.547円レベルに戻ることもできずに7月第一週を終えることとなりました。
フィボナッチリトレースメントでいうと61.8%に届かないレベルで頭を抑えられており、一旦大きく下落すると支援要因も殆ど無いことから元には戻らない相場展開がずっと続いていることがわかります。

市場で囁かれているのは、円キャリートレードの巻きもどしが起こっているということで、円ベースで資金調達して投資をしたものをリスクオフで巻きもどすと結局円買いが大量に起きることを明確に示唆した動きといえるわけです。

恐らくこれからもリスクイベントが起こるたびに同様の動きが示現することになると思われ、ドル円は独特の動きに頭を抑えられることが予想されます。リスク回避で円か買われるというのはこうした裏があるからなのです。

※ドル円戻り水準
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ドル高から株安、円高への最悪ロジックが展開か

米国の株式価格もだいぶ元に戻ってきていますが、7月は例年米国の株価は堅調で8月になると下落するアノマリーがあります。ただ、ドル高が進んでしまうとやはり株価は低迷が予想され、ドル円は一旦ドル高でもどしても結局株安の影響を受けて円高に逆戻りするというネガティブな循環プロセスに組み入れられる可能性が高く、ここでも円高に対する注意が必要になってきます。

足元では米国の利上げ観測が著しく後退しており、一部には利下げ観測さえ登場しましたが、商業不動産の暴騰はあきらかに不動産バブルを示現しており、本来株価が戻したところではFRBはやはり利上げをしておきたいはずで、S&Pが2134を超えればこれからでも利上げの可能性は十分ありえるといえます。

こうなるとこのドル高から株安、円高ロジックがまたしても適用されることになりますから依然として注意が必要になるわけです。少なくとも現段階でUKのEU離脱に起因してFRBが利下げを行うといったことはまったく可能性が感じられない状況です。

またしても月末の日銀政策決定会合への期待上昇

市場は2013年にアベノミクスと呼ばれる人為的にレベルを上昇させ維持させる金融緩和政策が始まって以来、ちょっと雲行きが悪くなるたびに追加緩和を期待し強く催促する状況が続くようになってきています。
とくに黒田日銀総裁は市場との対話によるコンセンサス作りよりもサプライズで市場を押し上げることだけに終始するタイプであることから、バズーカを撃つたびにその効果は縮減状態に陥っており、特に昨年の12月の補完措置などという発表以降は政策決定が出るたびに株も為替も大幅な下落が示現するようになってしまっています。

年明けの1月29日のマイナス金利導入も上昇が維持できたのはたったの3日であり、4月28日はブルームバーグの虚偽観測報道で勝手に買いあがった相場は結果を受けて大きく下落、翌6月の政策決定会合も現状維持をきっかけにイベントドリブンのファンドに売り込まれて株、為替ともにさらに下落が続伸することとなっており、もはや緩和してもしなくてもいい売り場の転換点として政策決定会合が使われるようなってしまっているのが現実です。

7月末の政策決定会合はさすがに何か出してこないことにはさらに相場が下落する危険があるという見方が株式関係者を中心として市場に広がりつつありますが、マイナス金利はメガバンクをはじめとして金融機関から大きく反発を受けており、ここでマイナス金利の利率を深堀してみても市場にプラスに働くかどうかはまったく未知数となっています。

また、国債の買い入れ額を80兆円から100兆円にしてみても財政出動がセットになっていなくてはほとんどサプライズの要素を持っていませんし、ETFの増額は現実的に株価を支えることにはなりますが、日銀が繰り出す金融緩和政策としては材料出尽くし感のほうが醸成されやすくなり、果たしてこれまでの量的・質的金融緩和を凌駕する動きになるかどうかは甚だ疑問が残るところです。

多くの市場参加者が感じはじめている金融緩和の限界感

金融市場が日銀の追加緩和に対して高い期待をしていることも事実ですが、その一方で緩和をしてもほとんど相場にプラスに働かないのではないかと感じ始めていることもまた事実であり、これまでと同様の政策の延長線上で追加緩和を発表したところで大きく相場が動くことを期待できないとも多くの市場参加者が感じ始めている状況です。これはとどのつまり、上げたらそこが売り場と思っている層が多いことを示唆しており、結局市場に売り場を提供するだけなのではないかとも思われる状況で、中央銀行主体のバブル相場の終焉を口に出さずとも多くの市場参加者がだんだんと感じ始めているのです。

7月はなんとかもってもその先は?

もともと外人投機筋は参議院選挙ですべて材料出尽くしになると読んでいたところが多かったようですが、現実には財政出動などの政策対応は登場せず、消費増税だけが見送られ、挙句の果てのUK国民投票騒動で、参院選より先に相場が下落してしまうという惨事に見舞われてしまいました。ここからは、さらに相場を引き戻す上昇要因は完全に枯渇し、FRBの7月利上げもほぼ完全に無くなったとから、それこそ月末の日銀の政策決定会合ぐらいしか期待要因がないのが実情です。

ブルームバーグがまたしてもホラ吹きバズーカ報道を炸裂させるのかどうかは不明ですが、期待が高ければまたしても下落幅が大きくなりますし、緩和がでても材料出尽くし感が高まれば売り浴びせの材料となり、非常に先が思いやられるところにさしかかってきています。

何より月末の政策結滞会合まで持ちこたえられずに、参院選後に相場が先に下落することすら想定しておくべき状況であり、ここからは上げたら株も為替も売り持ちして様子を見ることが大きなヘッジ策として機能しそうです。


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