止まらないポンド下落・・イギリス、メイ首相の下で高まるEU離脱リスクについて

BREXIT以降、意外に大きな影響が出ず、逆にポンド安でFTSE100なども大きく上昇し、EU離脱はたいした影響を及ぼさないのではと妙な楽観論も飛び出してきた英国ですが、BREXIT騒動から100日を経て、いよいよメイ首相が動き始めたことから、状況は大きく変化しはじめており、とくに為替市場には劇的な影響が出始めています。

日本にいては今ひとつよくわからない状況ですが、これをしっかり理解していませんとここからのポンド、ユーロの取引ではかなり痛い目をみてしまいそうです。

そもそもメイ首相とは

日本では首相に選ばれるまではほとんど知名度のなかったテリーザ・メイ首相は、1956年10月1日生まれですからちょうど60歳になったばかりで、イギリス南部にあるイーストボーンのイギリス国教会で働く牧師の一人娘として育ち、オックスフォード大学を卒業後はイングランド銀行など金融業界に従事し、1997年に政治の世界に入り下院議員に当選して以来政治家として国政にかかわる存在となっています。

所属する保守党内では徐々に頭角を表すようになり、野党時代には党の要職や「影の内閣」で閣僚を歴任した実績から、党内でも首相候補と目される存在となっていたようです。

今回キャメロン首相が責任をとって辞任したことからEUと互角に渡り合える冷静なネゴシエーターの存在として白羽の矢が立ち7月から首相として働き始めているわけです。

もともと感情を露骨に表すことも多くなく、目の前の仕事に取り組むだけの実務派を自認していた通り、あまり目立たぬ存在であり、EU離脱をどのように仕切っていくのかが注目されてきましたが、ここへ来て急に動き出したことでポンドに大きな影響が出始めているのです。

メイ首相が堅持するBREXITの要件は移民数

もともとメイ首相なBREXITの投票の際にもキャメロン首相をサポートする形で英国のEU残留を支持していた存在であったため、今回のEU離脱交渉はご本人の意に沿わないものの、国民のためにあえてタフネゴシエーターとして振舞うことになったと理解されていましたが、もともとメイ氏はEUに対して懐疑的な考えを強くもっていた存在で、とくに移民の問題については人一倍厳しい態度をとる人物とされていたようで、今回のEUとの交渉にあたっても絶対に妥協できないのが移民の数の問題とされています。

ただ、EUの当局者はこの問題にかなり神経質になっており、英国がEU単一市場の基盤である労働者の移動の自由を受け入れない限り、英国に単一市場へのアクセスを認めることはできないとの考えを表明していることから、英国とEU当局との交渉はかなり厳しいものになることがあらためて予想されはじめているのです。

ハードBREXITとソフトBREXIT

英国議会はもともと所属議員の8割近くがEU離脱回避を求めていただけに、そもそも議会の承認なしにEU離脱の交渉を始めることに難色を示していますし、よしんば交渉を許すとしてもなんとかEU単一市場へのアクセスだけは守り抜くソフトBREXITを強く主張していますが、メイ首相は頑として聞き入れることはなく、ハードBREXITへの交渉に突き進もうとしていることから、国内での反発も非常に強まっているのです。

もともとプラクティカルに仕事を進める人物と思われていただけに、ここまで独断専行で物事を決める存在になろうとは誰も想像していなかったことから、急激にハードBREXIT懸念が為替相場にも蔓延しはじめているのです。

サッチャーを超える遊びのない鋼鉄の女

英国は金融立国であり、ロンドンのシティはその象徴とも言える存在ですが、こうした金融ビジネスはGDPの実に12%ものシェアをもっており、このビジネスがそのまま他国に流れることになると200万人以上とも言われる雇用も失われ、国内経済に与える影響はかなり大きなものになりそうです。

またEUとの関係でいえば多くの商品や農産物をEUから輸入する国でもあることから、単一市場としてアクセスすることを禁止され、ひとつひとつの商品に個別にWTOが定めているような関税を支払って輸入を行っていくことになれば、国民生活にもかなりの影響がでることが予想されています。この問題はBREXITの投票前にもかなりリスクとして語られてきたことですから、いまさら蒸し返して議論するまでもないことではありますが、それがとうとう現実のものになろうとしていることから、国民も非常に危機感をもっているのが足元の状況となっているのです。

インフレに喘ぎながら貧民国の坂道を降りる可能性も

中央銀行であるBOEのカーニー総裁は年率で3.5%程度までのインフレは誤差範囲であり、簡単に利上げは行わないとしていますが、ここでもメイ首相と直接的にぶつかりあっており、国内におけるメイ首相の動きも周辺とのフリクションの極めて大きな存在となっているのです。

このままですと、EU単一市場へのアクセスを失い、金融ビジネスも国外に逃避し、アイルランドやスコットランドの離反すらも現実のもにになりかねず、先進国の中では唯一インフレに喘ぎながら貧しい国へと坂道を降りていかざるを得なくなる可能性も非常に高まっており、英国はまず国内でメイ首相がEUとの交渉にあたることに対するリスクを唱える向きが非常に多くなっているのです。

ほとんど保守党の関係者もここまでメイ首相が独断で突っ走る存在であることをどうも認識したいなかったことが今頃になってかなり明確になってきているようです。

英国にはサッチャーという鉄の女と呼ばれた首相が存在して大きな成功を収めてきましたが、どうもテリーザ・メイはサッチャーとは異なる超性能力の極めて乏しい別のタイプの鋼鉄の女になりそうで、国民の期待とは異なる方向にこの国を牽引していってしまいそうなかなりリスキーな雰囲気が漂いはじめています。

ポンドはパリティを目指すのか?

当然為替市場はこうした英国のリスクの高い状況に敏感に反応しており、メイ首相でハードBREXIT間違いなしとの見方から10月に入って驚くほどの下落を示現することとなってしまいました。

※GBP/USD推移
20161022_02

足元では一旦は落ち着いたポンドドルですが、すでに1985年以来の下落となっているだけに、ここからどこまで下落するかはまったくよくわからない状態で、一旦は1.05レベルを目指し、これを下抜ければいよいよパリティといった可能性も出始めているのです。

これまでもポンドは下落しはじめると一瞬にして6000ポイント程度は簡単に暴落する実績をもっていますので、下げ始めれば安易な買い向かいはかなり危険になります。

過去40年間以上のポンドの動きを見る限り、今回の下落はこれで一息ついたということは全くなさそうで、さらなる下落のリスクはこれからやってくることが予想されます。

ポンドの弱含みの状況は当然ユーロに大きな影響を与えており、ユーロはこの秋上昇に転じるかと思われましたが、またしても下方向に大きな圧力を受ける形となっています。ただ、ドルインデックスが100を超えるような事態になれば米国の金融当局からかなり厳しいけん制が入ることも考えられるため、対ドルでユーロがパリティにたどり着くのはなかなか難しそうです。

一方ポンド円の大幅な下押しはドル円の上昇を阻む存在となってきており、こちらにも注意が必要となります。

ここのところ東京タイムのほとんど流動性がない時間帯にポンド円が大きく下落するといった動きもではじめており、思わぬ形でドル円の下落を示現させるリスクにも注意が必要となります。

BREXIT騒動が一服して落ち着いたかに見えたポンドの動きですが、まだまだここから来年の3月の具体的なEUに対する英国の離脱通告がはじまるまでは相当為替に影響がでることを覚悟しておかなくてはなりません。

\ついに完成/
FX三種の神器

「なぜこれが無料?」という声多数。
一撃100pipsは当たり前、初心者が迷わない唯一のツール&トレードマニュアル(PDF 32P)

さらにコアな情報をゲット
ブログ公式LINE@

ブログでは言えない稼げる投資情報を複数持っています。ご興味のある方はLINEで♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

PN 今市 太郎

外資系コンサルティングファーム、外資系生命保険会社を経て独立ビジネスコンサルタントとしてビジネスプロセスコンサルティング、クラウドコンピューティングのリプレイスメントや海外のファンドのM&A投資コンサルティングなどに従事。 そのため、株の売買はインサイダーにならないようにFXだけに特化し2007年から本格的に売買をスタートし、9年の実績。 現在は月間5000PIPSから8000PIPS程度をコンスタントに獲得できるように日々精進している。