1月15日、8月24日の相場暴落からみる自動売買、仕組み売りの対処法について

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
※この記事は625で読むことが出来ます

20150916_01_02

8月24日ドル円が米国の株式市場の大幅下落に連動し、22時00分からの12分の間にドル円は119円60銭から116円11銭まで約3円50銭暴落したのは記憶に新しいものとなっています。
こうした動きがでた時に自動売買やループイフダンなどの自動、半自動仕掛け売買は一体どういうことになったのかというのは、FX個人投資家ならばだれしもが気になる事象となっています。

ニューヨークダウ先物に対する投機筋の仕掛け売りがでた22時11分頃、その下落の勢いは日経平均先物、ドル円に波及し、ストップロスを断続的に巻き込みながら最後の2円程度の下落は数十秒でアルゴリズムがBidを探しに下押ししにいきましたから、一定の幅で損切り設定が仕込まれていても実際にはまったく切れずにただ下落してしまったのが実情だったのではないでしょうか?
実際裁量取引を行っているトレーダーでも116円台で買い迎えたのはほんのわずかで、あれよあれよという間に戻りを試すこととなってしまいました。

1.1日5円以上動くことを想定して資金を投入していたトレーダーは命拾い

20150916_02

ドル円の場合、ATRのテクニカルツールで検証してみても、過去20日間では1日に1円程度上下するのが通常の動きでしたから、倍の余裕をもっても2円動いても損切りをつけないのがせいぜいの証拠金投入額ではなかったかと思います。
したがって、この相場で猛烈なドローダウンから戻りを買って利益をだせた自動売買やループイフダンのユーザーはかなりレアな存在であったと思います。

ループイフダンの場合、あまりにも急落が激しかったので、下落途上で無闇にポジションを作ることができなかったでしょうから、下げからの120円台までの戻りはそれなりに利益を確保できた方もいたのかもしれませんが、かなり結果論であってたまたま運よく命拾いしたというのが正直なところではないでしょうか?

2.自動売買に対する幻想はそろそろおしまいにすべき時期に

2012年頃から、ヘッジファンド勢がしきりとアルゴリズムでの高速売買を手がけるようになり、多くの個人投資家は裁量取引に限界を感じ、自動売買への関心が国内でも非常に高まりました。

その一方で、ミラートレーダーのストラテジーにせよ、MT4のEAにせよ、非常にその中身を検証することの難しさを味わった個人投資家が多かったのもまた事実です。
というのも、バックテストをやってみればある程度の利益確保の見通しがわかるはずなのですが、どうも多くのこうしたストラテジーは、実際に使うと驚くほどドローダウンを出してしまったり、肝心のトレンドが出てもその方向にすぐに動かないという、なんとも不可思議な動きをするケースが多いという点でもトレーダーを泣かせる存在となってきたのです。
ですから、たしかにレンジ相場で人の代わりに利益を上げていくといったときには比較的安定的な利益を上げることができるのですが、急激な変動があって裁量取引のトレーダーでさえ、何が起きたのかを目視で理解するのに時間がかかるような場合には、まったく自動売買が機能しないとともにリスクヘッジの損切りさえままならない状況に追い込まれることがだんだんとわかってきてきたわけです。

3.自動売買の戦略は3つ程度のテクニカルチャートの売買シグナルで動いているだけ

結構深刻なのは、自動売買の戦略と呼ばれるロジックは人が想像している以上に単純で、市場が大きく動き出し始めますと、人間以上にその変化を掌握できずに誤動作を繰り返すということなのです。

高等なアルゴリズムのより相場の状況に粒さに対応しているわけではないことは十分に理解しておくことが必要です。

そもそも多額のお金をかけて作っているヘッジファンドのアルゴリズムによる売買ですらまともに利益がでないという深刻な話が登場してきているわけですから、自動売買を過信するのは危険です。

最近、インヴァスト証券のシストレ24では、トレーダーが裁量でポジションを買い足したり売り足したりできるジョイントレードや、エキストラトレードという仕組みを導入していますが、まさにこれなどはシストレの自動売買に業を煮やすトレーダー向けの手出しツールになっているわけで、なかなかこうした自動売買が納得のいかない取引になることを示唆するものとなっています。

4.値とびという驚くべき現象は証拠金を超える損失を示現するケース

これまで日本で店頭FX業者や取引所FX業者を使って売買してきた個人投資家は、値とびがおきて損切りができず、大きな追証が発生してしまうという事態をほとんど経験していないのではないかと思います。
リーマンショックのときに実際にディールをしていたのであれば驚くべき状況にもなったと思いますが、2011年の東日本大震災直後の猛烈な円高でも値が飛ぶことはほとんどありませんでした。

20150916_03

しかし、1月15日のスイス中銀の突然の対ユーロ無制限介入中止によるスイスフラン暴騰は、この値とびという事態を現実に引き起こすこととなっています。

上の図はその下落の流れですが、ほとんどの投資家はスイス中央銀行が対ユーロで1.2を割れる寸前で無制限介入をしてくれると信じていましたから、せいぜい1.1970あたりを浅いストップロスラインにして買い向かっていたわけです。

また、一部の投資家は、逆指値でスイスフランを買うことに成功して大きな利益を得ることもできています。
この1.1970あたりは売っても買っても幸いなことに価格がでていたのですが、その後1.1をはるかに割って1.01がつくまでインターバングからの値がなくなってしまい、なんと店頭FX業者が金融庁からの厳しい指導で設定している、強制ロスカットラインすら飛び越えるといことがおきてしまったのです。

5.証拠金以上損しないというのは個人投資家の幻想

こうしたことから、はるかに証拠金を超える損失がでてしまった投資家も多く出現することとなり、証拠金以上は国内のFX業者では損失がでるはずはないという幻想を抱いていた個人投資家のあまい認識は悉く砕かれることとなったわけです。

実際、約款を隅々まで呼んでみますと、こうした可能性を示唆する文言だらけで、スイスフランショックは8月24日の暴落のようなことはそうそう起こるものではないと思われている方も多いかもしれませんが、月曜日の朝に大きく窓空けがおきれば、毎週にでも示現するかなりリスクの大きなものといえるのです。

6.8月24日はどうだったのか?

先般の8月24日暴落のときは、それでもNY市場のスタート直前でしたから、取引は細っていたものの116円までBidをアルゴリズムが探しにいったところで、とにかく下落が止まり、1月のスイスフランショックほどのことにはなりませんでした。

結果としては値とびという悲惨な状況も起きませんでしたから、強制ロスカットにあい大損をした投資家はいても、FXで追証地獄に陥った可能性は少なかったといえます。

しかし、周辺でいろいろ聞いて見ますと、下落の後ある程度戻して一息ついたタイミングに自動売買が遅まきの損切りをはじめてしまい、自動売買を切らずにいたらかえって大きな損がでたという話や、結局すべて自動売買を止めて、泣きながら裁量取引で損失を確定させたユーザーはかなり多かったようです。

こうした動きをFX業者はまったく市場に開示していませんが、裁量取引以上に自動売買と仕組み売買で損失をかかえたユーザーが多いのはどうも嘘ではないようです。

7.暴落相場では自動売買や仕組み売買はどうすべきなのか?

まず、ボラティリティが大きくなって、相場が乱高下するときには自動売買もループイフダンのような仕組み売買も、いったん自動で動くスイッチを切って様子をみるべきだといえます。
大津波がきている時に、なにも海に小さなボートで漕ぎ出す必要はないわけで、とにかく自動売買を早めに切って様子を見るのがもっとも損失を招かない方法といえそうです。

もちろんこうした状況のコンティンジェンシーアプローチで利益を上げるEAが稼動して儲かったというレアな話もでてきていますが、日常的に平時でも利益のまともに出ない自動売買の戦略が、怒涛の混乱時期にうまくワークするはずはありません。
とにかく、一旦は切ることが重要な判断となることだけは覚えておきたいものです。

8.VIX指数上昇から30日~60日までが2番底狙いの暴落リスクが高くなる

20150916_04

8月24日のNY株式市場のボラティリティインデックスは、リーマンショック後最大の52を瞬間につけています。
しかし、こうした高いVIX指数をつけますと、一旦収まりを見せた株価は、その後30日から60日後ぐらいまでの範囲で思い切り二番底を試しにいくことが多いのがこれまでの市場の動きでわかっています。

つまり、10月末までは驚くべき2番底下落が起こっても不思議ではないのです。

自動売買をいまも継続してやられている方はこのリスクに十分注意されることが必要な状況です。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*