積極的投資で成功するために必要な3つの具体的手段

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
※この記事は838で読むことが出来ます

20160321_01

以前の記事(http://360fx.info/kengyo)において、積極的投資について軽く触れた。そして、前回の記事(http://360fx.info/bouei)で防衛的投資の投資方針を解説した。今回は、積極的投資の投資方針を解説していく。

防衛的投資は兼業投資家を含む多くの投資家にお勧めの方法であるが、兼業投資家でありながら余暇をたっぷりと株式投資に注ぎ込みたいと考えている人、また専業投資家にとっては積極的投資が可能となる。そして、平均以上の投資成果を目指すことができる。
ここでも、基本的には債権と株式に50:50の割合で投資するのが基本的なポートフォリオ構成となるが、積極的投資はその名の通り積極的な投資方針であることから、株式の割合が高くなることも多い。

どのような債権に投資するかについては、昨今の債権投資は利回りが低いため、防衛的投資について解説した記事の手法を踏襲すればよいと思う(変則的な債権への投資については、必要に応じてまた別に詳細に述べる機会を設けたい)。

普通株への投資の三形態

積極的投資では多くのリターンを求めるが、一般的に積極的投資家には以下の三つの投資行動がみられる。

  1. 相場が下がっている時に買い、上がっている時に売る
  2. 成長株を買う
  3. 割安株を買う

1.相場が下がっている時に買い、上がっている時に売る

この投資行動は、誰もが理想とするものである。安い時に買い、高い時に売れば利益が出るのは当然のことである。この手法では、いかなるタイミングで売買するかということが重要となり、そのタイミングを計るためのテクニカル分析などを解説した本などがたくさん出回っている。また、過去数年にわたるチャートを見ると、安値で買って高値で売るという行動がいとも簡単に実行できるかのように思われている。

しかし、ベンジャミン・グレアムはこのことに疑問を投げかけている。
その理由は単純であり、この投資方針には全く数学的根拠がないという事である。テクニカル分析によって安値や高値を正確に知ることは不可能であり、安値と思っていたら実際にはまだ割高だったり、その逆もあり得る。つまり、自分ではチャートを正しく分析して売買しているつもりでも、実際にはチャートに振り回されているだけのことが多い。この売買手法で成功している投資家もいるが、彼らはそのための特別な才能、つまり「勘」を持っている。これは知性とは全くの別物であり、いくら株式投資を勉強したところで身に付けられるものではない。したがって、少数の人が持っている勘を頼りにした売買は、到底投資家全般にお勧めできるものではない。

さらに言うならば、現在知られているテクニカル分析というもの自体に不信感を持つべきである。テクニカル分析で有用とされているシグナルを多くの人が知り、一般的になってしまえば、その分析手法そのものが株価の変動要因になってしまうからである。そのようになってしまえば、期待通りの値動きをする可能性は低くなり、やはりチャートに振り回されることになる。

2.成長株への投資

成長株への投資に対する疑問はかねがね述べてきたところである。しかし、積極的投資ならばそれは可能なのであろうか。

実際、証券分析に時間と労力を注ぎ込んでいく積極的投資家ならば、だれもが大幅な成長が期待できる企業の株式を選びたいと思うだろう。また、努力を払って積極的投資をするならば成長株で大儲けしなければ面白くないというのはもっともな意見である。しかし、問題はそう単純ではない。

成長企業とは、過去に平均以上の業績を上げ、今後もそれが期待できる企業のことである。そして、四季報を読み漁って平均以上の業績を上げた企業を探せば、たくさんの企業が見つかる。ならば、それらの中からよさそうな企業を10~30社ほど選んでポートフォリオを作れば、大儲けできるポートフォリオが完成するように思える。

しかし、この方針には落とし穴がある。一つ目は、これまで良い業績を維持しており、さらに今後も維持できると判断される株式の株価は、既に割高となっていることがほとんどであるということである。
二つ目は、そもそも「今後も成長を維持できる」という判断を誤ることがあることである。企業は大きくなればなるほど成長が鈍化するのは当然のことであり、これまでの成長が順調であったとしても、業界や企業のポテンシャルから判断して、すでにその企業にとって十分な規模に成長している場合には、さらなる躍進を見込むことは難しくなる。

以上ように、成長している企業を見つけることは容易であるが、そのPERが25~30倍を超えていたならば、勝ち目はほぼなくなることが分かっている。株価が暴騰している新興企業のなかにはPERが100倍を超える企業もある。株価の伸びはすさまじい。しかし、その時点で割高すぎる状態になっているのは言うまでもない。

さらに、成長株は株価が極端に変動する傾向を持っている。平均的な投資家が手を出した場合、激しい値動きの餌食になること請け合いである。
成長株は値ごろ感がある時に買うことで大きな利益を生む。ならば、そのような成長株を見つければよいと思うかも知れない。しかし、これも難しい。成長株を専門に投資している投資ファンドの実績を見ればよくわかる。値ごろ感がある成長株を簡単に見つけられるならば、そのようなファンドは莫大な利益を上げているはずである。しかし、成長株投資のエキスパートが集まった投資ファンドでさえ、思ったような成果は上げられていない。

成長株への投資は、それを嗅ぎつける特別な嗅覚を持つ投資家にのみ推奨される方針であり、投資家全般にお勧めできることではない(もっとも、積極的投資家であるからこそ成長株投資への可能性も皆無ではないと言える。そのため、成長株投資について勉強してみるのは良いであろうし、割安株を探しながら成長株も探してみるのは良いと思う。最初から全く無視するか、気にかけてみるかは個人の好みの問題である)。

3.割安株を買う

株式投資で長期的に平均以上の成果を上げていくためには、以下の二つの観点からの株式選択が必要である。それは、

  • 量的分析を詳細に行った結果、間違いなく堅実であること
  • 大多数の投資家や投機家と異なる手法であること

という事である。

その意味で、割安株を買うというのは投資家全般にお勧めできる手法である。なぜならば、量的分析によって堅実であると判断できる企業ならば、安値でも何の心配もせずに買えるし、その株式が強く売られているからこそ割安なのであって、割安株をあえて買うという行動そのものが大多数の投資家や投機家と異なる手法となるからである。割安株を買う際に目を付けるべき対象は以下の二つである。

【比較的人気のない大企業】

株式市場では、急成長している企業やその他の理由から魅力的であるとされる企業の株価は上昇するものである。そのため、株価が停滞している企業は過小評価された企業であると考えられる。
そこで、まず探したいのは一時的に人気の停滞している大企業、つまり真の価値を見られず過小評価されている大企業である。

中小企業の中にも過小評価されているものがあり、時と共に株価が上昇する企業もたくさんある。しかし、堅実な企業であるかどうかという観点において、過小評価されている大企業のメリットは大きい。大企業には人材と資本が豊富であるため、再び収益を伸ばしていく可能性が高く、また市場においては大企業は非常に注目されやすい存在であることから、何らかの好材料を示すときちんと株価に反映されるという事である。

人気のない大企業を購入して保有するという手法は、非常にシンプルでありながら着実な効果を得られる手法である。したがって投資対象を探す際には、まずPERが低い(6~10倍程度)大企業を探して投資してみるべきである。

そして、より高い収益を目指すにあたっては、割安株全般を投資対象とした投資を行っていくのである。

【割安株全般】

ベンジャミン・グレアムは割安株を以下のように定義している。

「割安証券とは、詳細に分析した結果、現在の価格よりも大幅に価値が高いと思われる銘柄である」

“大幅に”とはどれくらいかと言えば、真の価値が実際の株価と比較して50%以上高いもののことであるとしている。そのような大きな乖離は、一時的な業績の不振や、長期に渡る不人気・無関心によって生まれる。そこに付け入る隙がある。

割安株を見つける方法は二つある。一つは見積もりによる方法であり、将来の収益を見積もり、その株に当てはまる要因を加味する方法である。もう一つは事業者にとっての価値を計る方法であり、将来の収益を見積もり、純流動資産に注意を払って価値を計る方法である。
もし市場が低迷しているならば、大部分の普通株は割安となっている。低迷している市場においては、多くの人はリスクが高いから投資するべきではないと判断するが、グレアムの積極的投資においては市場が低迷している時こそ好機である。

しかし、現在の日本のように低迷していない時は、割安株を探し出す必要がある。繰り返す通り、堅実であることが条件となる。いくら業績不振によって価値と株価に50%以上の乖離があるからと言って、それが一時的なものであると確信を持てない企業へは投資するべきではない。

そこで、買うべき割安株を判断するためのいくつかの基準がある。
それは、

  • 真の価値が実際の株価よりも50%以上高いこと
  • 過去10年以上にわたって安定した収益を挙げていること(赤字がないこと)
  • 優先負債をすべて差し引いた後の純運転資本以下の価値で売られていること(将来起こり得る低迷に耐えうる規模と財政的な力を持っていること)

である。

理想としては過去の平均価格と平均株価収益率(PER)を比較した結果、大幅に安い優良大企業となる。もちろん、この条件を満たせば二流企業(重要産業における主要企業以外の企業)も投資対象になり得る。

このほか、グレアムの手法ではないが、ROE(株主資本利益率)も加えて探すのも良いであろう。これは、グレアムの弟子であるウォーレン・バフェットがグレアムの手法に加えた観点である。ROE(12%以上)を加えて探せば条件に適合する株はより少なくなるが、株価が上昇しやすい株式に当たりを付けることができる。

まとめ

投資方針を決める際には、まず防衛的投資であるのか、積極的投資であるのかを決めるところから始めよう。これは大きな違いを生むものであり、最も初歩的な選択であるから、決して混同したり妥協したりしてはいけない。積極的投資を実践するためには、証券分析に関する知識が相当量求められることとなる。

グレアムはこのことに関して、

「積極的投資家は証券価値に関する知識を相当持っていなければならない。その量たるや、自分の証券取引をひとつの事業として考えるほど必要なのである。この考え方において、防衛的、積極的という二つの立場に中間などはない。恐らく、ほとんどの投資家は中間に自分を位置づけたがる。我々はこれを妥協とみなす。このような考え方では、達成感よりも失望を味わうばかりである」

と厳しく言い放っている。

そして、その難しさを強調し、多くの投資家は防衛的な態度を取るべきであるとしている。理由は言うまでもなく、副業としてでは積極的投資を行うための時間や決意や精神力が足りないからだとしている。グレアムの注意を受け入れる人は防衛的投資を選択して平均程度の収益で満足するべきであり、自分の時間的余裕と決意と精神力に自信がある人は積極的投資に挑戦してみても良いと思う。

積極的投資家の取るべき態度が集約されたグレアムの言葉で本稿を締めくくる。

「積極的投資家は、投資について十分な訓練を積んで判断力を身に付け、どのような証券においても、確固としたビジネス基準に照らし合わせたときに確実に見込みがあると思って初めて、それに投資するべきである」


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*