2017年年明け前半の為替相場の注目ポイントについてまとめ

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20170101

2016年為替相場は大きく変動しましたが、後半からトランプ相場が継続中です。
果たしてこのままの勢いで2017年もトレンドがでるのかどうかについて具体的エレメントを出しながら想定してみたいと思います。

為替市場としては2015年に比べてもかなり大きな動きとなったのが2016年でしたが、年末はさらに走る相場が期待されたものの大きな動きを示現すること無く幕を閉じました。
残念ながらドル円はl20円に届いて年間で陽線引けになるほどの上昇力が出ませんでしたし、NYダウも2万ドルはお預け、当然日経平均も2万円は幻のままで市場期待の掉尾の一振も現実のものにはならないまま2016年が終了しました。

2017年は様々な要因が為替市場に影響を与えることになるため、単純にトレンドの出る相場ではなく、かなりボラティリティの大きな相場展開が予想されます。

この段階では1年を見通すことはなかなか書けないのが実情ですがまずは2017年前半の半年での相場展開の注目ポイントについてみていきたいと思います。

2016年の後半1ヵ月半の爆騰状態を思えばまだまだドル円や上昇トレンド、ユーロドルは下落トレンドが加速しそうな気分になりますが、年が明けますとコロっとセンチメントが変化することもありますので、相場の変化にも気を遣う必要があります。

年明け第一週目ドル円は陽線引けでスタートできるかどうかにまず注目

アベノミクスが始まった2012年以降でいいますと今年の年初から一昨年の年初、過去3回はなぜか正月第一週ドル円はことごとく陰線引けして相場を終えています。

それぞれの年には相応の理由が存在するものの、決定的な要因があるわけではなく、ある意味でアノマリー化しているのが実情で、果たして来年の正月第一週にスタートダッシュが切れるのかどうかがひとつの注目点となります。

米系の銀行もファンドもカレンダーイヤーが会計年度になっているところがほとんどですから、1月は日本における4月1日の新年度にあたる時期であり、多くの金融関係者が初月から大きくダッシュして相場を買い上げるのが基本となります。

この発想で考えると過去3年のドル円の下落との整合性がとれない気もしますが、買いのダッシュもあれば売りで責めてくることもありえますので、相場がどちらの方向を向いて動き出すのかはかなり冷静に見極める必要があります。

トランプ効果の賞味期限切れにも注目

11月9日から大きく上昇したドル円、と下落したユーロドルでしたが、既に年末のピークから戻りを試す展開となっており、これが再度ドル高を示現させることになるのかどうかが大きな注目点となります。

市場の見方としては1月20日のトランプ大統領の就任まではドル円もユーロドルもドル高をさらに継続していくという見方がある一方、すでに一旦ピークをつけており、さらに年明け下値を試す動きになるとの見方も出ています。
ドル円に関していえば米国10年債と連動していることから、年末でも106円を割り込むような大幅な下落は示現していませんが、トランプ政権が実際にスタートすれば減税や財政出動に関する見通しがはっきりと示現することから期待はずれでのドル売りが出るリスクも高まります。

市場ではハネムーン期間の100日程度は大きな下落はないと見る向きも多いようですが、いきなり失望売りが出る危険性もかなり残ります。

米国利上げ後の新興国通貨の状況は厳重注意

12月に米国が0.25%利上げしたおかげで新興国通貨の一部はドルに対して大幅な下落を示現させていますが、今年2月のようにさらに株価も含めて大幅な下落が現実のものとなった場合にはドル円はドル高よりも円高に戻す可能性も考えなくてはならなくなります。

とくに今年3月以降ほとんど問題にならなかった中国人民元が大きく下落したり切り下げを行ったりすることが起きれば2015年8月に起きた人民元起因のフラッシュクラッシュの再来も考えておかなくてはなりません。

米中関係についても不安が残る

中国と米国との対立も1月以降かなり心配される状況です。1月20日の正式就任まではツイッターのつぶやき以外メディアには登場しなかったトランプでしたが、12月11日、米テレビ番組のインタビューで、台湾を中国の一部だとする中国政府が掲げる「一つの中国」の原則を米国が維持していくかは、中国の対応次第との考えを表明して早速中国を挑発しはじめています。

またそれにさかのぼる12月2日には台湾の蔡英文総統と電話で会談を行っており、米台間の緊密な経済・政治・安全保障関係を確認したとされています。
当日の電話会談は蔡英文総統のみならず、主要閣僚も同席しておこなわれたということですから、偶然電話で話しをすることになったというよりもかなり準備万端整えた会談であったことをうかがわせます。

中国側は既に不快感を示し始めており、中国外務省は、トランプ氏の発言に対し、「一つの中国」の原則は米中関係の政治的基礎であり、もしこれが妨害され、壊されれば、両国の健全かつ安定的な発展や協力などあり得ないと強く反発しています。

また中国海軍が16日、米海軍の無人潜水艇を確保したとの報道が飛び出して一時株も為替もリスクオフに傾く動きがでるなど金融市場にも影響がではじめています。

年明けに米国政府が中国を為替操作国として認定してしまうのではないかとの見方も強まり始めています。これが本当に持ち出されてしまうと米中関係はかなり悪化することが予想されますし、中国側が為替や米国債の領域で何らかの報復措置をとった場合、予想以上に深刻な状況となることが危惧されます。

欧州の選挙リスクがではじめるのは3月以降

このコラムでは既に2017年の欧州エリアにおける選挙のリスクについて書かせていただいていますが、現在司法に判断を委ねている英国のEU離脱問題で一定の動きがでるのもちょうど3月以降になりそうですし、イタリアの総選挙の日程やフランスの大統領選挙の詳細日程がでるのもこのあたりからということになります。

当然選挙自体よりも事前の選挙戦等で相場が動くことになりますので、それなりの影響が明確に示現することについても考慮する必要がでることになります。

ドル円は必ずしも一方的に上昇するわけではない状況に

こうして見てきますと、ドル円は1月以降継続して上伸することがあったとしてもそこからずっと上昇トレンドをキープできるほと簡単な相場になることはなさそうであることがよくわかります。

ドル円120円レベルも、もっと簡単に上抜けできるものと想定されていましたが、実際にはこのレベルがレジスタンスとして機能していますから、ここを上抜けしても2015年の全値戻しとなる125円を超えてさらに上昇するかどうかは慎重に見極めるべきと言えます。

またその一方で下落が進んだとしても110円を大きく下回るほどの下落幅を作り出すためには相当な圧力が必要になるでしょう。

全般的にいえるのは、想定を超えた大きなボラティリティが来年も出ることになりそうで、上方向とか下方向といったものをあまり断定しすぎずにあくまで相場の流れについていくといった柔軟なトレードを行っていくことが重要になりそうです。

また上昇局面ではなかなか高値で買いについていきにくいと思われる個人投資家が多いようですが、ストップロスを30銭下においておけば、115円で買っても120円で買っても損失は同じになりますから、あくまでストップロスを最大限に活用していくことが必要です。

ファンダメンタルズは為替取引では重要な材料となりますが、それだけでは売買をすることができません。
あくまでチャートを利用してベストなタイミングでエントリーしていくことをベースにすることが大切になることを改めて意識していくべきです。


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