EU崩壊の危機!?2017年為替相場のポイント、「ユーロ」の動向

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2016年の秋口までは例年に比べて非常に動きが悪く、典型的なレンジ相場を形成してきたユーロドルですが、12月に入ってからこのレンジを大きく下抜ける動きが顕在化しており、2017年に向けてその動きが加速しそうな様相を呈しはじめています。

今年はまさにドル主導の相場展開となりましたが、来年はいよいよ為替市場のテーマが大きくユーロに傾きそうな状況で、年末相場が動かないうちにしっかりと来年のユーロ相場のポイントを掌握しておきたいところです。

2016年は狭いレンジ相場に終始したが12月明確な動きを示現

2014年ごろは年間1800ポイントぐらい動くのは当たり前であったユーロドルですが、2016年は10月まで年間を通じてほぼその半分の1000ポイント以下で推移するという非常に動きの鈍い時間をすごしてきたのが今年のユーロドルの特徴といえました。

しかし米国の大統領選をきっかけとしてユーロにも大きな変化が訪れることとなり、12月にはここ2年ほどどうしても抜けなかった1.04623を明確に下抜け、新たな相場展開に突入したことを明確に示す状況となっています。

※ユーロドル日足推移
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すでに200日移動平均も大きく下回っており、これまでのレンジから動きが変わろうとしていることが見えてきます。

2017年はユーロ安材料満載

2016年は英国のEU離脱が為替市場の大きなテーマとなってしまい、それ以降はユーロ圏の問題があまり材料視されないままに米国大統領選挙がフォーカスされることとなり、若干影が薄かったのがユーロでしたが、2017年は打って変わってユーロが相場の表舞台で注目されることになりそうです。

特に大きな注目点となるのはEU加盟各国の政治的な状況で、春先から次々と開催される総選挙や大統領選挙の結果次第では、本格的にEUの存続に影響を与えることになるのは間違いなく、結果をうけてユーロドルも乱高下を繰り返すことが容易に予想されます。

中でもEU存続に大きな影響を与えることになるのがフランスとドイツの状況であり、この二カ国に異変が起きてどちらかが離脱といったクリティカルな問題に発展すれば、2017年は本格的にEU崩壊のスタート年になりそうで、非常に注目されるところにさしかかってきていることがわかります。

モンテパスキをきっかけに噴出する金融危機再燃問題

足元ではイタリアの金融機関の金融不安の問題が大きくなってきており、国内第三位のモンテパスキが破綻することになれば、ここしばらく話題にならなかった欧州圏の金融危機が再燃するリスクが高まってきています。モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは1472年に設立された世界最古の銀行として有名な存在ですが,不良債権を非常に多く持つ銀行としても有名な存在で、その不良債権比率は2015年末時点でも41%に達しており、足元ではさらに悪化が危惧あされる危機的な状況にあります。

同行は欧州銀行監督機構から、今後3年間で100億ユーロ以上の不良債権削減を求められていますが、この不良債権は2000年ごろから積みあがったもので、一朝一夕に解消できるものでもないことからいよいよ破綻が現実味を帯びてきている状況にあります。

もともとの不良債権の増加は2000年ごろからの米国の住宅市場を中心とした世界的な不動産バブルが原因で、このバブルにあおられて、ユーロ圏の銀行も積極的に不動産や企業向けの融資を増やしましたが、サブプライム、リーマンショックで崩壊し、今もその債権の残りがくすぶり続けている状況です。

実は欧州の金融機関はまだまだ不良債権の積み残しに苦しんでいると見られ、モンテパスキをきっかけにしてまたこの問題が再燃するリスクが高まっている状況です。

こうした金融危機の視点でみますとECBが継続しているマイナス金利も決して金融機関の経営のはプラスに働いておらず、むしろ明確に経営を圧迫する材料となっていることがわかります。

フランスの大統領選挙が前半の最大トピックス

EU圏の政治情勢の中でもひときわリスクが高まっているのがフランスの状況です。

既にオランド大統領は次期大統領選での勝算を失ってしまったことから早々に出馬を断念しており、右翼の国民戦線のマリーヌ・ルペン党首がまさかの大統領当選となれば、英国同様にEUからの離脱が現実味を帯びてくることになります。

ルペン党首はすでに政権公約にもEU離脱をかかげようとしていますから、フランスがまかりまちがってEUから離脱することになれば事実上EUの概念は崩壊になりかねない状況となります。

そもそもユーロという域内共通紙幣はフランスが提案したものですから、ユーロがなくなることにも繋がる非常に重要な局面を迎えることになりそうです。

9月ドイツ選挙の結果でEUの行方がわかる

政権の危うさでいえば、さらにリスクが高まっているのがドイツです。既に地方議会ではメルケル首相が率いるキリスト教民主同盟は続々とその支持率と議席を失う状況にあり、首相自体の支持率も45%割れまで落ち込む状況ですから、ドイツも決して予断を許さない状況といえます。

2016年3月と9月に行われた地方議会選挙では、与党であるキリスト教民主同盟と社会民主党が得票率を減らした一方、極右政党「ドイツのための選択肢」が初めて議席を獲得しており、最近では反移民を大きな看板にしてさらに支持を広げており、メルケルの移民問題の失敗が依然として尾を引いている状況です。

ドイツが極右政党政権となれば、もはやEUは風前の灯と成ることは間違いなく、とてつもない歴史の転換点に差し掛かってくるのが2017年ということになりそうです。

英国のEU離脱やトランプの大統領就任という想定できなかった事態が現実のものになってしまった現状を考えればEU崩壊というシナリオについても否定はできない状況です。

春までにパリティを下抜けてさらに下落が予想されるユーロ

※ユーロドル日足トレンド
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このようにユーロにとっては2017年はひとつとして上昇を支援する材料がないところが気になりますが、それを示唆するように相場は明確な下落トレンドを示し始めており、トランプ相場でドルが上昇するのに合わせて、ややもすれば春先を待たずにユーロ安ドル高からパリティを示現しかねない動きになってきています。

とくに1.046を下抜けて12月20日には1.03522003年1月上旬以来実に14年ぶりのユーロ安を更新していますから、下手をすれば4月以降の各国の選挙結果を待つことなく先にパリティまで到達するリスクも高まっているといえます。

市場のターゲットとしては確かにパリティではありますが、さらにパリティ以上に下落する可能性も残されており、2002年前後に最も下落となった0.9を割り込むレベルまでの下落も視野に入ってきている状況です。

米国のドル高けん制が足元では唯一のユーロ上昇材料か

但し、1月20日に誕生するトランプ政権では、ドル高がこのまま容認されるとは到底考えられず、なんらかの形でドル高ユーロ安にけん制が入れば、相場は一本調子で下落しなくなる可能性も残されています。

ただ、こうしたユーロの下落は金融緩和による動きとはまた別のものになるだけにいくらけん制しても通貨が弱くなることは止められないという大きな問題もあり、米国のけん制がどのぐらいの威力をもつものになるのかも気になるところです。

為替相場はその時々で常にテーマが変わることになりますが、2017年は明らかにユーロが話題の中心となりそうで、相場の動きもこれにあわせて大きく変化しそうな状況です。

ここからはドルのみならずユーロの動きを常にチェックしていくことがきわめて重要になりそうです。


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