1月は4年連続の円高か!?トランプ大統領就任式からのドル円相場を考える。

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1月21日の就任式を経てトランプ政権が本格始動することとなりましたが、事前の記者会見などをきっかけにドル円は前回のコラムの予想どおりやはり本格的な調整局面入りをすることとなりました。

しかも軽い下落に留まらず、結構大きく下押しし、本格的な円高が進んでいます。
就任式に向けた買い戻しも限定的で、果たしてこの円高がいつまで続くのかが気になるところです。

また、ここからはどのような材料とタイミングででドル高が再開する可能性があるのか、あるいは円安が阻害されてくるのかについて改めて考えて見たいと思います。

年末の上昇後大きな調整が入ったドル円

当初ドル円は120円を年末までに達成しそうな勢いでしたが、実際には120円の壁は想像以上に厚く、118円台中盤でダブルトップを形成した後、年明けにそれ以上上昇する余地がなく大きく下落を始める形となりました。

それまでの勢いから考えればもう少し上昇することも期待できたのですが、なかなかそこまでの買いの勢いが続かなかったことがいまさらながらにわかる状況です。

トランプの事前記者会見を嫌気した相場は一旦116.863円から113.746円まで下げて止まりましたが、下落にはその後があり、トランプ自身がドル高をけん制する発言がメディアに出るとさらに下押しして112.547円まで下落することになったわけです。

これまでのドル円を見ていますと、値幅にしてほぼ20円近く動いてしまいますとひと相場終わった感があります。
また日柄的にも1ヵ月半程度というのは一旦相場が落ち着くタイミングといえます。11月9日からいきなり上昇を果たしたドル円は結局17.4円近くの上昇を一ヶ月半ちょっとで示現しましたから、過去の上昇規模とかなり合致するものになっている状況です。

フィボナッチリトレースメントで見ますと38.2%戻しが112円近辺にありましたが、残念ながら底までは押さずにちょうど3分の1程度の押しである112.547円まで下落したことがわかります。

このフィボナッチはアルゴリズムも結構意識するようになっているため、昔以上にこのリトレースメントのポイントまで下落するようになってきているともいえるのです。

さすがに今回は半値押し以上の下押しはなく、逆に月足の20ヶ月移動平均にあたるこのレベルでは投機筋が買い向かったという情報もではじめています。

1月は4年連続で円高相場を示現

1月はまだ10日あまりを残していますが、どうやら1月についてはここ4年連続で円高で終わりそうな動きとなっています。

12月末の終り値が116.800円レベルですから、足元のままでは陽線引けで終わることにはならない状況で、近年ではすっかり1月が円高のアノマリーになりつつあります。

過去20年以上の相場実績をみると1月というのは円安ドル高でスターとダッシュすることが多かったわけですが、アベノミクスがスターとした2013年以降はなぜか1月の円高となるのが定番化してしまったことも覚えておく必要がありそうな状況で、相場の動き自体が昔と変わりつつあることが認識できます。

就任式後のトランプ相場第二段再来は2月頭の教書演説次第か

足元ではイエレン講演やECBドラギ発言の間接的影響、さらにムニューチンの就任前の上院財政委員会の公聴会での強いドル発言などが重なって底値の112.547円からたった2日で115.618円と3円以上の上伸を示現したドル円となりましたが、就任式に向けて一旦買い戻される動きとなりました。

21日のトランプ大統領就任式は、市場では期待と不安が入り混じる展開となりましたが、結果的には心配されたほど為替には大きな影響を与えずに週の取引を終了することとなりました。

ただドル円は115円に戻すことができず114円を下抜けそうな下落を試すこととなりましたので、週明け再度下落を試す展開も予想され注意が必要となりそうです。

市場はさすがにほとんどのトランプ発言をアウトラインを織り込みつつありますので、ここからは2月初旬に発表予定の予算教書における具体的な政策の中身を確認することができるまでは相場が動き出すことにはならないものと思われます。

それまでは当分幅の広いレンジ相場が継続しそうな雰囲気で、足元でもかなり上下に振らされる展開が継続していますが、それを同様の激しい乱高下相場が予想される状況になってきています。

※ドル円1時間足チャート
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成果の出にくいここからのトランプ相場

ところで、トランプ政権の運営による相場への影響については実に様々な見方が広がっていますが、ひとつだけいえるのはトランプ政権のスタートが、完全雇用をベースとし、ゼロ金利から大きく金利上昇する局面、かつ株価はもっとも高いところから開始ということになるため、よく比較されるレーガン政権のスタート時期に比べるとかなりコンディションの悪いところからの発進であることには注意が必要になります。

つまりそれだけ何をやっても成果が出にくいということで、ややもすれば株価はトランプとは関係ない理由でもピークアウトするリスクを背負っている点だけは理解しておかなくてはなりません。

また足元で起こっている「金利が高いのに株価も高い」という異様な状況は、ごく近い将来解消されざるを得ないものであり、ここから利上げがどんどん進んで株価も高値を継続して維持できると考えるのにはかなり無理が生じることが予想されます。

これは過去の市場でも確認されていることですが、利上げが進行する途上では三回目ぐらいまでは金利も上昇しながら株価も上がるという動きを示すもののそれ以降はやはり金利の上昇に株価が耐え切れずに下落することがほとんどであったことでも実証されています。

やはりこれまでの相場は中央銀行がほとんどゼロ金利を実現することにより自社株買いも進みましたし、なにより企業収益の上昇に低金利が大きく寄与したことは間違いありません。

これが高金利時代へと大きくパラダイムシフトしようとしているわけですから、これまでどおりの株式市場を継続させるのは想像以上に難しくなるのは当たり前といえます。

米国の次回利上げでドル円は一旦上昇停止、逆に大幅下落の可能性も

イエレン議長は19日にサンフランシスコで行った講演において、かなり利上げに積極的に対応する姿勢を覗かせ、ドル円相場はいきなり113円台から114円台に上伸することとなりました。

しかし新債券の帝王の異名をとるダブルラインキャピタルのジェフリーガンドラックCIOはトランプ次期政権下で見込まれる財政赤字増大やインフレ率上昇に伴い、米10年債利回りが近々に3%に上昇する可能性があり、その場合市場に打撃を与えると予想しており、株式市場や住宅市場の一部側面に特に疑念を招き始めると思うと指摘しています。

やはり金利の上昇はこれまでの相場展開と異なる状況をもたらすことが容易に予想される状況になってきているのです。

安易な利上げは株式相場大幅下落のスイッチを押すことになりかねず、かなり注意が必要となります。

トランプのドル高けん制が頻発すれば上昇は限られる

さらにここからの動きとしてもっとも読めないのが新トランプ政権がドル円に対して具体的にどのような姿勢と発言を繰り出してくることになるのかの問題です。

足元ではトランプ自身がウォールストリートジャーナルのインタビューに答えて人民元を睨みながらドル高が非常に大きな損失になっていることを声高に指摘していますが、その一方で、次期米財務長官に指名されている元・ゴールドマン・サックス元幹部のスティーブン・ムニューチン氏が19日、上院委員会の承認公聴会で「ドルは世界で最も魅力的な通貨として取引されてきた。長期的には強いドルが重要だ」と主張し、これがメディアで報道されたことからドル円が大きく買い上がり日本時間の夜中2時すぎに115.618円まで上昇する場面も見られており、大統領と閣僚に発言の齟齬が見られるようにもなってきている点がきになるところです。

もちろんムニューチンはトランプ発言の火消しに動いたものと思われますが、それぞれの閣僚ごとに発言の内容が異なり、そのたびごとにドル円相場が乱高下するのはかなりよろしくない状況といえ、トランプのドル高けん制がエスカレートすれば当然ドル円も上値をいきなり抑えられるリスクに常に直面しながら売買を行う必要がでてくることになります。

このように大統領就任演説を迎えてもトランプ政権下の相場展開はなんらクリアな状況にはなっていないことがお判りいただけると思いますが、実際の政権スタートで現実的なリスクはより一層高まっていることだけは間違いありません。したがってこれまで以上にストップロスなど資金管理に力を入れる必要がでてきているともいえます。


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