2016年パニック相場~株と為替の暴落は止まるのか?

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新年最初の週の相場は株も為替も大きく下落しましたが、二週目は多少ゆり戻す動きが見られたものの、結果的に15日のNY市場の終了時にはまた大きく相場が下落するという事態に追い込まれてしまいました。

1月18日の週明けも全体として下値を模索する動きが続いている状況です。

相場の下落要因はとにかく目白押しで、東京タイムでは中国の相場が影響し、下がれば連動して下落することから、それを受けたロンドン市場の株価が下がり、NYタイムには原油の先物価格の下落が大きく影響してさらに相場を下押し、為替はそれに追随して下落を加速する負のスパイラル相場がここ2週間連日のように継続し続けているのが実状です。

過度な相場下落不安から多くの市場参加者が売り意欲を強めていますが、市場では結果的に下値でBidを入れる輩が不在であるため、売り一辺倒であることが必要以上に相場を下落させるという流動性パニック状態特有の値動きがずっと止まない状態に陥っていることがわかります。

本来、これだけ先進各国が過剰とも思えるほど金融緩和をして、その資金を依然として市場から引き上げていない状態ですから、マクロの過剰流動性は継続中のはずなのに個別の金融市場で流動性が枯渇するというのは実に不思議な光景となっています。

それだけ市場参加者は相場の下落を恐れ続けており、これが一体何かをきっかけにして終息しない限り、簡単にこの相場状況は改善しない可能性がでてきているように思われます。

昨年8月24日の中国起因の暴落相場では、その後大きく上下にぶれはしましたがすぐに一定の戻りを示現したのに対し、今回の下落状況はそうした戻りをほとんど試さずズルズル下げる展開となっており、あきらかに市場のセンチメントが異なることがわかります。

1.中国市場は完全なミンスキーモーメント状態~既に政府は統制不能か

東京タイムでは10時15分の人民元の基準価格の公示10時半の上海市場の寄り付きに一喜一憂する相場が連日展開していますが、EPSもPERもまともに分析できていない相場状況で個人投資家が売っては国と思しき輩が買いさえるイタチごっこの相場展開は実際に何が起こっているのかはさっぱり判らず、ただ上海市場が年明けから18%も下落して政府も手がつけられない状態に陥っているという事実だけが浮き彫りになりつつあります。

ミンスキーモーメントという言葉があるのをご存知でしょうか?

これは投資家が投機によって生じた債務スパイラルによりキャッシュフロー問題を抱えるポイントのことを言いますが、現在の上海市場は、わけもわからず銀行やシャドーバンキングから借金をして株を買い上げた個人投資家が大幅な相場の下落で不動産も株も換金できない状況からとにかく投売りに走っているように見え、昨年の6月に引き続き完全にこのミンスキーモーメントが訪れているように見えます。

個人の資金が尽きかけている状況下で信用倍率にも制限がかけられているわけですからまさに国の政策がミンスキーモーメントを引き起こしたといってもいいような話で、旧正月の2月が到来すれば物理的に相場が閉場となるので一息つくのかも知れませんが、なにかをきっかけにして自律反騰が起こることはほとんど期待できない状況です。

あとは西側諸国の相場がこの状況を織り込んで過剰に反応しなくなるまで待つしかない状態ですが、値幅ではなく日柄調整でずるずる下がる相場が継続することも考えられ、非常に先が思いやられる状況です。

2.欧米系ファンド勢は年初2週間の相場状況を見て1937年の再来を強く想定中

NYをはじめとする今回の相場の下落の特徴はコモディティと株が同時に下落していることです。

1929年に大恐慌があったことは多くの方がご存知だと思いますが、1929年までCRBコモディティ指数と米国株の動きには何の相関性もなかったのに、1929年の大恐慌でコモディティ安=株安という相関が生まれたことをご存知の方は少ないと思います。

つまりコモディティ安は世界経済の体力を確実に減退させることになっており、オイルマネー系のファンドも日々縮小を余儀なくされることに陥っているのが現実の状況です。

2015年4月に世界最大のグローバルマクロを運用するヘッジファンドであるブリッジウォーターアソシエイツのCEO、レイダリオ「現在が1937年の状況に極めて酷似している」と発言して業界関係者を震撼させましたが、年末利上げをしてみて年が明けてみたら、相場はレイダリオの予言どおりの動きになりつつあり、まさにその1937年が本当に再来するのではないかと多くのヘッジファンドが危惧しはじめているようで、多くの金融商品から撤退して様子見をはじめていることも相場の流動性を大きく欠くことになり、下落を止められていないひとつの要因になっているようです。

3.原油価格の下落は一部プレーヤーの破綻や業界再編までは止まらないという見方も

下落相場が相次ぐ中にあって今テクニカルツールがもっとも効かない相場となっているのが原油価格です。

本来20ドル台まで突っ込めばある程度のショートカバーがでておかしくないのですが、サウジアラビアの増産に加えイランもロシアもまったく減産の構えを見せていないことから、ギャンブル志向の投機筋が依然売り浴びせを進めており、シェールガスの数社が破綻するとかエネルギー系企業が破綻して一定以上の業界再編なり粛清なりが示現しないことにはこの下落の流れは止まらないと見ているファンド勢は多くなっているようで、このままでは一時的に価格がもどればまた叩かれるという繰り返しが続きそうです。

原油価格が一定レベルで落ち着かないことにはオイルマネーの株式換金売りも終息する可能性は低く、日経平均が落ち着きを取り戻すきっかけもまだつかめていない状況といえます。

4.投資家不安に起因した流動性パニックを抑えるきっかけは一体何か?

テクニカルツールを使ってもだましにあって下抜けることばかり起こる下落相場は、株も為替もコモディティもほぼ同様な状況であり、市場参加者が下げ止まりを強く意識する何かが必要となってきていることは間違いありません。

しかし現状のような複合的な相場下落状態に陥ってしまいますと、明確に反転するきっかけが何になるのかが非常にわかりづらくなってきているのが実情です。

どこかで串刺しにあうことを想定しながらも当面は戻り売りで市場に臨み、下がらなくなったら利益確定してまた様子を見るという動き以外には特効薬がないのが現実の状況といえます。

市場のこのような広範な流動性パニックを終息させる要因が一体何になるのか?

市場が織り込むまで価格だけでなく日柄も含めて調整が行われるのか?

非常に気になるところです。

5.ドル円はさらに底抜けの様相

この2週間で20ヶ月移動平均を2回下抜けし、15日のNYタイムでは116.51円まで下落を進めたドル円はいよいよ下落を加速しそうな様相を呈しています。

CFTCが15日発表した12日時点の建玉報告によると、CMEの通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対米ドル持ち高(ドル円のロング)は売りと買いの差し引きで2万5266枚の買い越しとなったことがわかりました。

前回の4103枚の買い越しから2万1163枚増加しています。

またユーロの対ドル持ち高(ユーロドルのショート)は14万6451枚と前回の16万643枚から1万4192枚減少しており、ドルが弱い状況に変化しており、特にドル円における円ロングが2万枚を超えたのは2012年10月2日以来の動きであり、投機筋は大きく円を買い上げる姿勢を見せています。

しかも日足の標準偏差は一旦垂れて相場の戻りを示唆したように見えましたが、15日の下落でまた上昇しており、このダブルループ状態がだましでなければ115円では止まらない底抜けの円高を示現する可能性もでてきています。

もちろんロングが増加したことで一時的なショートカバーも出る可能性はありますが20ヶ月移動平均の117円が頭を抑えることになるため、たいした戻りも期待できないところです。

※ドル円エンベロープ13日移動平均+標準偏差の状況

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まとめ

これだけ大幅に下落している相場ですから株も為替も突っ込み売りはどのトレーダーでも危険を感じるところですが、まともに戻ることもなくじり安が続く可能性さえありますので、市場参入の判断がきわめて難しくなってきているのが1月後半相場になりそうです。

しかし中国の金融市場も原油価格もなんとなくほとぼりが冷めて戻りを試し始めるというほど今回は簡単な相場ではないことから迂闊な買い下がりもできない状況で、当分トレーダーは頭を悩ます展開が継続しそうです。


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